猫騒動!

猫騒動!

モテパニ作者

ある日の事、とある縁からキラキラプリキュアアラモードチームと知り合ったヒーリングっとチーム。

今日のどか達はキラパティの面々から招待を受けた。

ひなた「楽しみだねー」

アスミ「パティスリーとはどんな場所なのですか?」

ちゆ「簡単に言うとお菓子屋さん。主に洋菓子を扱うお店がそう言われるわね」

ひなた「和菓子のお店は和菓子屋って言うしねー」

アスミ「ふむ、確かすこやかまんじゅうもお菓子でしたね。すこやかまんじゅうは洋菓子和菓子どっちなのですか?」

ちゆ「和菓子よ」

アスミ「それではすこやかまんじゅうとはまた違うお菓子…どちらが美味しいのでしょう?」

ひなた「比べるもんじゃないって〜美味しいか美味しくない!それだけでいいんだって!」

ちゆ「そうね。つい比べてしまう気持ちもわかるけど、どちらもありがたくいただく。それが一番よ」

これから食べるお菓子に思いを馳せながら話に花を咲かせるアスミ達。

ペギタン「それにしてものどかたち遅いペエ」

アスミ「ここに来る途中迷子の子供を見つけてわたくしにちゆ達と先に行くよう言って子供と行ってしまいましたからね」

ちゆ「のどからしいわ」

ひなた「でもあんまし知らない町なのにのどかっち大丈夫かな?」

ニャトラン「大丈夫だって、ラビリンもついてんだし」

ペギタン「よっぽどのことがない限り大丈夫ペエ」

ラテ「わん」

〜〜〜

のどか「ふわ〜、みんな待たせちゃってるかな?早く行かないと」

ラビリン「のどか、あんまり急ぐと危ないラビ」

迷子の子供を送り届け待ち合わせ場所に向かうのどかとラビリン。

先にとは言ったが、ちゆ達ならそこで待ってる可能性は高いと踏んでいたからだ。

いないなら直接キラパティに行けばいい。

のどか「あれ?」

そんな時のどかは視界に小さな影を捉える。

ラビリンはまだ気づいていない、ラビリンが気づくより前に…

のどか「あいたー!」

ラビリン「のどか!?」

その影はのどかと衝突した。

ラビリン「のどか!大丈夫ラビ!?」

衝突の衝撃で倒れたのどかに寄り添うラビリン。

大したことはなかったのか、のどかが起き上がると…

のどか?「にゃー」

ラビリン「のどか?」

のどか?「にゃー!」

のどかは謎の奇声とともに走り出してしまった。

ラビリン「のどかー!どこ行くラビー!?ていうかどうしちゃったラビー!」

ラビリンは慌てて追いかける。

だからこそのどかの影に隠れた存在に気づかなかった…

???「……!」

〜〜〜

場面は再び戻り。

ニャトラン「ん?あれのどかじゃねえか?」

ひなた「ほんとだ。やっと来たんだ。おーいのどかっちー!」

のどかの姿を発見したひなたは声をかけるものどかはそれに反応しない。

それに続けてやって来たラビリンが叫ぶ。

ラビリン「大変ラビー!のどかが変になっちゃったラビー!」

のどか?「にゃー!」

ちゆ「い、いったいのどかになにが!?」

ひなた「もう!ニャトランとペギタンがフラグ建てるから変なこと起こっちゃったじゃん!」

ペギタン「ボクたちのせいペエ!?」

ニャトラン「のどかが大丈夫かー?とか話題振ったのはひなたの方だろ!」

ちゆ「言ってる場合じゃないでしょ!」

アスミ「…ひとまずのどかを連れてキラパティへ向かいましょう。この町ではわたくし達に他に行く当てがありません」

〜〜〜

いちか「のどかちゃん達遅いねー」

ひまり「道に迷ったんでしょうか?」

あおい「案内した方がよかったのかもなー。迎えに行ってみる?」

ゆかり「行き違いの可能性もあるし、待ってた方がいいんじゃないかしら?」

あきら「そうだね、もう少し待って来ないようなら私が行くよ」

約束したヒープリチームを待つプリアラチーム。

なかなか到着しないので心配になるが、またしばらく経つとドアが開いた。

あおい「お、来たみたいだなー」

ヒープリチームが来て一安心、かと思ったら…

ひなた「たいへーん!のどかっちが変になっちゃったー!」

いちか「な、なんですとー!?」

ちゆ「ラビリンが言うには急に今みたいな猫の挙動をし始めたって!」

アスミ「幸いこのお店には素直について来てくれましたが」

のどか?「にゃおーん」

ゆかり「あら?」

のどかはキラパティに入ると真っ先にゆかりに駆け寄った。

あおい「なあ、これと似た事前に無かった?」

ひまり「あおちゃんもそう思います?実はわたしも見覚えが」

いちか「しかもゆかりさんに懐いてるってことは…」

あきら「ゆかり、一つ聞くけどきみのクリスタルアニマルは?」

ゆかり「そういえば見かけないわね」

いちひまあお「「「それだ〜!」」」

〜〜〜

のどか(猫)「ふにゃ〜大変なことになっちゃった…」

いちか達の推測通りのどかはゆかりのクリスタルアニマルと入れ替わっていた。

どういう事かはキラキラプリキュアアラモード34話を観てくれ!

のどか(猫)「どうしよう…気づいたらラビリンもいないし…」

待ち合わせ場所に向かうのが一番現実的だが、人の視界と猫の視界は違うもの。

慣れない土地というのもありのどかは完全に行き先を見失っていた。

そんな時少し大きな風が吹く。

するとそこには…

のどか(猫)「エレメントさん!」

風を司るエレメントがいたのだ。

のどか(猫)「おーい!エレメントさーん!少しいいですかー!?…通じてるのかな?」

他に頼る先もいないので必死にエレメントへ呼びかけるのどか。

するとエレメントはそれに気づいたようだ。

風のエレメント「はい猫さん。ワタシになにかご用ですか?」

のどか(猫)「あ、すごい。聴診器無しでも言葉がわかる」

風のエレメント「…なにやらその様子、ただの猫さんでは無いようですね。事情をお聞かせくださいますか?」

のどか(猫)「あ、はい!実は…」

のどかは説明する。

自分がヒーリングアニマル達と共に地球をお手当てするプリキュアである事、そして今の困った状況の事。

エレメントはそれをしっかり聞き届ける。

風のエレメント「わかりました。ではワタシが力を貸しましょう」

のどか(猫)「いいんですか!?」

風のエレメント「はい。あなたには仲間のエレメントもお世話になっていますし、ワタシの力であなたを助けてほしい方の元へ送り届けましょう」

のどか(猫)「あ!アスミちゃんがやってるワープ!」

風のエレメント「アスミちゃん、というのは精霊の方ですね。ワタシだけの力では人間さんが通れる穴は作れませんが、今の猫のあなたなら通れる穴を作れるはずです」

不幸中の幸いとはこの事か。

猫の体ゆえになんとかなりそうだった。

風のエレメント「それではあなたが助けを求める方を思い浮かべてください」

のどかは思い浮かべる。

ラビリン、ちゆ、ひなた、アスミ、ペギタン、ニャトラン、ラテ、そして…

風のエレメント「穴が開きました!では急いで通ってください!」

のどか(猫)「ありがとうございます!エレメントさん!」

のどかはエレメントの力で頼れる相手の元へと向かった。

〜〜〜

のどかが穴を通るとその場所には見覚えがあった。

おかしい。

今日来たいちご坂は初めて来る場所のはずなのに…

のどか(猫)「(ふわっ!?まさか…)」

???「ん?」

〜〜〜

ひなた「おーい!のどかっちー!」

ちゆ「ラビリン、この辺なのよね?」

ラビリン「そのはずラビ!」

アスミ「見かけないということは移動してしまったのでしょうか?」

ニャトラン「仕方ねえぜ。急に自分に異変があった状態でジッとなんてしてられねえからニャ」

ペギタン「ボクだとたぶん動けないペエ…」

のどかが移動してから時間が経ち、ラビリン達が現場に戻ってくる。

のどかの体はいちか達に任せている。

ラテ「わん!わん!」

アスミ「ラテがなにか伝えようとしています」

ペギタン「聴診器を使ってみるペエ!」

アスミたちは聴診器を取り出しラテへ当ててみると。

ラテ『エレメントさんならなにか知ってるかもしれないラテ』

ひなた「ナイスアイデア!おーい!エレメントさーん!」

ラテの提案によりエレメントへと呼びかけてみる。

すると先程の風のエレメントが。

風のエレメント『はい、なにかご用ですか?』

ちゆ「あの!猫を見ませんでしたか?あ、いえ、普通の猫じゃなくてその…」

ひなた「こうふわー!っとした感じで、なんか癒し系っぽいっていうか…」

風のエレメント『もしや猫になったというプリキュアの方のことですか?その方ならワタシの力でお送りしましたよ』

ひなた「ほんと!?」

アスミ「しかしわたくし達の元へそれらしき猫は来ていませんよ?」

ペギタン「エレメントさん、ほんとうにのどかを送ったペエ?」

風のエレメント『はい。確かにあの方が思い浮かべた助けを求める方の元へ』

ニャトラン「のどかが助けてほしいと思う人、オレ達のとこに来てないってことは」

ラビリン「のどかのお母さんやお父さん。もしくは…」

〜〜〜

ダークドリーム「拓海、その猫どうしたの?」

拓海「おう、なんか急に現れてな。おろおろしててほっとけなかったから連れて来た」

のどか(猫)「(やっちゃったー!)」

のどかはなんと拓海の元へ辿り着いていた。

けっしてラビリン達が軽んじられていたわけでは無い。

助けてほしいと思う人物を順番に連想してるうちについ拓海を思い浮かべてしまい、たまたまそのタイミングでエレメントが穴を開いてしまったようだ。

拓海「首輪してないってことは飼い猫では無いっぽいんだよなー」

ダークドリーム「かわいい。撫でても大丈夫そう?」

拓海「たぶんな。おとなしいぞ」

のどかは拓海とダークドリームに可愛がられる。

のどか「ふにゃ〜!」

猫の体で撫でられるという未知の快感がのどかに走る。

そもそも人の体でここまで撫でられる事がないというのもあるが。

ダークドリーム「この子おとなしいけど仰向けにはならないのね」

それでもさすがに胸元は守ったが。

拓海「…そういやこいつ花寺に似てるな」

のどか(猫)「!?」

ダークドリーム「確かにのどかっぽいわね」

のどか(猫)「ふにゃー!」

拓海「おおうどうした?」

ダークドリーム「のどかって名前が気に入ったのかも。よし、あなたは今からのどかよ」

拓海「おいおい勝手に名前付けるなよ」

ダークドリーム「いいじゃない。この子飼いましょ」

拓海「そんな簡単に決められることじゃないだろ」

ダークドリーム「えー」

〜〜〜

みなみ「ふう…」

みなみは疲れていた。

北風あすかの元で海洋学者や海の獣医について学び、学園の課題もしっかりこなし、現在立場こそ退いたものの本来なら今も務めているはずだった生徒会長の業務も引き継いでくれた幼馴染のせいらと連絡を取り合い資料をまとめて送付したりなど今も多忙な生活は続けている。

それを苦労と思った事は一度もないが、体は疲労を溜めるわけで。

疲れてはいるものの拓海やダークドリームに一声かけようと品田家へ訪れた。

そして部屋に入ろうとした時…

ダークドリーム『やだやだ!のどか飼うの!』

みなみ「!?」

ダークドリーム『拓海だって飼いたいでしょ!』

拓海『そりゃあそうだけど…』

みなみ「!!??」

ダークドリーム『ほら、のどかだって飼われたいって思ってるみたいだし』

拓海『くっ…わかった。母さんに相談してみる』

みなみ「!!!???」

なにやらとんでもない話が繰り広げられている。

話をまとめると、ダークドリームがのどかを飼うと主張して拓海はおろかのどか本人まで乗り気で、最終的に母親に許可を取ろうとしているという無茶苦茶な話だった。

それを聞いたみなみは…

みなみ「…疲れてるのね」

聞かなかった事にして部屋で寝ることにした。

〜〜〜

話がまとまり二人が知らないうちにみなみが帰ったあたりで電話が鳴った。

拓海「ダークドリーム、出てきてくれ」

ダークドリーム「はーい」

ダークドリームが電話に出るため席を外し、拓海とのどかは再び二人きりとなる。

拓海「のどか、か」

のどか(猫)「ふにゃ?」

拓海「のどか」

拓海はのどかの横顔を撫でながら名前を呼ぶ。

拓海「のどか」

のどか(猫)「ふにゃ…///」

何度も繰り返し呼ばれてのどかもなんだか照れ臭くなってくる。

拓海「………もしほんとに猫だったらな」

のどか(猫)「ふにゃ…?」

猫に向かって猫だったら…?

のどか(猫)「(それってどういう…)」

ダークドリーム「拓海ー!たいへーん!」

拓海「どうした?」

ダークドリーム「今ちゆから電話があって!」

〜〜〜

ひなた「のどかっち〜よかったよ〜」

ちゆ「本当に大変な目にあったわね」

のどか「ごめんね、心配かけて」

あれから電話で事情を聞いた拓海たちはダークドリームの転移の鏡でいちご坂のちゆ達と合流してなんとかのどかを元に戻せた。

ダークドリーム「…いいもん、のどかは妹だし」

そしてダークドリームは不貞腐れていた。

猫ののどかを飼えなかったのが不満なようだ。

いちか「よかったら二人もスイーツ食べていってね」

あおい「ゆかりさんのクリスタルアニマルが迷惑かけちゃったみたいだしさー」

ひまり「お詫びと言ってはなんですけど」

あきら「ああ。お義姉ちゃんとして、二人のことも思いっきりもてなそう」

ゆかり「(最近あきらまた面白くなったわね)」

ダークドリーム「やったー!」

拓海「現金なやつだなお前」

こうしてキラパティのお客様が二人増え、今日をさらに盛り上げるのだった。

のどか「拓海くん、巻き込んじゃってごめんね」

拓海「いいよ。むしろ頼られたのは嬉しかったしな」

のどか「うん…つい拓海くんが思い浮かんじゃって」

拓海「なのにそんな力になれなくてごめんな」

のどか「う、ううん。わけも知らずあんな状況になったら仕方ないよ!それより…」

拓海「ん?」

のどか「ほんとに猫だったらってどういう…」

その質問が終わる前に、拓海はのどかに近づき、そっとのどかにだけ聞こえるように耳打ちした。

拓海「また来いよ。のどか」

のどか「ふわっ!」

のどかは気になった言葉の真意を問おうとしたが、人の姿で拓海から初めて名前で呼ばれたその衝撃でそれを忘れてしまった。



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