猫天与編幕間:食呪編 エピローグ
「結局伝説の宝っていうのはガセだったんだねー!」
音鳥は笑いながら空気を読まずに告げた。
「まぁそんな物があるならとっくの昔に回収されてるはずだしな・・・」
「はぁ・・・なんであのチラシ拾ってあんなにテンション高くなったんだろう私・・・」
「そうと決まればさっさと帰っちまおうぜぇ!!!」
酷い目に遭ったと思いつつ全員がジェット機に向かって帰ろうと思った時であった。
「おーい!!!!!」
「あら・・・占犬じゃないの、どうしたのそんなに急いで?」
「見て見て!なんか埋まってた!!!」
占犬は背中に乗せてきた土だらけの箱をドン!と置いた。
「いやあああああああああ!?何持ってきてるんですかぁ!?」
「うーん・・・流石の僕もまた似たような物を相手にするのは嫌かなぁ・・・」
変牛の巨竜は箱から後ずさっている、だがそんなのは知らんと言わんばかりに空鼠は箱に近づいて蓋を開いた。
「いやあああああああああああああああ!?!?」
「大丈夫だ呪霊の気配は感じん・・・これは・・・落書きか?」
空鼠は中の紙を崩さないようにそのまま覗き込み他のメンバーも囲んで覗き込んだ。
「・・・なんか下手な絵だね?」
「紙もかなりボロボロでござるな・・・」
すると少し遠くから猫天与の呼びかける声が空鼠達の耳に入る。
「おーい!!何やってるんだー!!さっさと帰ろうぜー!!」
「・・・それもそうだな、帰るか」
空鼠は宝箱を持ち上げて猫天与達の方に歩みを続けた。
※※※
「にしてもあの愚潤って奴とんでもない奴だったね!」
飛行機内でそう言いながら六月は頬を膨らませた。
「はぁ・・・シラヤマといい何で俺達の敵対する呪霊は変な思想持ってる奴が多いんだか・・・」
猫天与は口を大きく開いて欠伸をする。
「まぁもしかしたら過去にとんでもなく悍ましい光景でも見たのかもな・・・と言っても今じゃ知りようのない話だがな」
そう言った猫天与は丸くなり目を閉じた。