猫天与編幕間:食呪編

猫天与編幕間:食呪編









「・・・食宝島?」


猫天与は不思議そうな顔でチラシを持ってきている六月の眺めた。


「そうそう!さっき道端で拾ったんだけどさ!なんでもこの島に伝説の秘宝があるとかなんとか・・・!」


(いやんなもんあるわけねぇだろ・・・)


もしそんな物があればとっくに五条辺りが回収してるはずである。


「どうせ猫達暇でしょ!だからこの島に行ってこの秘宝を探して見たいなぁ・・・って思ったんだ!」


(だがまぁ・・・流石に楽しみにしてるこいつに水を刺すのは悪いな・・・)


「どうせ暇だったしな、俺は別に構わないぜ」


「本当!それじゃあ他の皆も・・・」


そう言いながら六月は走り去っていった。


(これで夢馬の件の気分転換にはなるといいがな・・・)


そう思って猫天与は眠りについた。






※※※




数日後


「・・・はぁ?」


猫天与が見たのは狐のプライベートジェットの姿だった。


「あ、ヨウー!狐さんから借りてきたのー!」


「全く・・・遅いぞ猫」


「うへへへへへぇ・・・万バズぅ・・・」


「ねぇ酒蛇、その島にロリっていると思う?」


「私が知る訳ないでしょ」


「zzzzzzz」


「わーい!旅行楽しみ!!」


「とりあえずこれで行くメンバーは全員集まったでござるな」


そして六月と共にこちらに近づいてくる知り合い達の姿が見えた。


「・・・てかその肝心の狐はどうした?」


「なんか任務で忙しいみたい、お父さんもお母さんも他の皆もだけど呪術師って忙しいんだね・・・」


「真面目な奴らだ」


「・・・貴様はサボっているだけであろう」


睨む空鼠から猫天与はすっと目を逸らした。




※※※



猫天与は席に座りながらテレビを弄っていた、相変わらず自分の好きなアニメは無い。


「ところで・・・この飛行機は誰が操縦するんだ?」


「え・・・?知らなかったの?さっきから操縦席にいたじゃん!」


六月はさも当たり前かのように答えた。

そして猫は思い当たってしまった。


「・・・おいまさか・・・!?」


『ヒャハハハハハハハハハハ!!!!!お前らシートベルトはしたかぁ!?』


アナウンスからとんでもない奴の声が機内に響き渡った。


「おい待て正気か!?こんな奴に操縦させたら絶対事故るぞ!!」


「大丈夫大丈夫心配するな」


『ヒャハハハハハハハハハハ!!!!それじゃあ出発するぜぇ!!!』


そうしてエンジンは激しい音を立て・・・





特に事故も無く綺麗に飛び立っていった


(あ・・・そうだ・・・こいつ機械操術の持ち主だった・・・)


猫天与は考えるのが面倒になり意識を手放した・・・




※※※


「とうちゃーく!!」


六月は着陸した島にウキウキで降りた。


「にしても本当に伝説の宝なんてあるのかしらねぇ?」


「まぁこういうのは探すのが一番楽しいでござる」


「わーい!伝説伝説!」


占犬は爆速で走り去っていった。


「あ、それじゃあ僕はこっちに」


「私はこっちでー!」


「ヒャハハハハハハハハハハ!!!!」


そんなこんなで各自が勝手に解散して猫天与と空鼠がポツンと残された。


「・・・団結感のない奴らだぜ」


「・・・そうだな」




※※※






「はぁ・・・疲れましたぁ・・・こんな事なら誰かと一緒に行けばよかったぁっ!?」


変牛はもう体力を使い果たして石に躓いて転けた。


「いたた・・・あれ?なんかここに埋まっているような・・・」


地面目線になった変牛の目に入ったのは変な何かが固まっている姿だった。


「も、もしかして本当にあったんですかぁ!?」


目を輝かせながら胸元からスコップを取り出して掘り始める。

変牛の術式は何かを隠し持つにも便利だ。


「掘れましたぁ!!なんか箱みたいだしマジでこれじゃないですかぁ!?いやぁこんな簡単に見つかるなんてぇ・・・!」


変牛は目を輝せながら箱を開けた。







※※※




「あー暇だなぁ、今時お宝なんてある訳ないのに・・・」


音鳥は暇そうに寝転がっていた。


「・・・・・・・・・・・・」


「ん?あれは・・・変牛?」


自分に近づいてくる変牛を見て音鳥は起き上がった。


「わざわざどしたの変牛」


「見てくださぁい!お宝をみつけたんですよぉ!!」


変牛はよく見ると箱のような物を抱えていた。


「はぁ!?嘘でしょ・・・」


音鳥が変牛に近づいた瞬間だった。


「・・・は?」









変牛の顔面の皮膚が布のように裂け、中から緑色の何かが音鳥を飲み込んだ。



※※※






「・・・これで、二匹目」


緑色の何かの姿が変化する、そこにいたのは鶏の羽が背中につき牛のパーカーを着、そして嘴のようなメガホンを持った人のような姿の呪霊だった。

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