猫天与編幕間:色呪編③
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
酒蛇は全て呪力を使いパタリと倒れ込む。
「ヒャハハハハハハハハハハ!!!アイツ木っ端微塵になりやがったぜ!!これで」
爆発の中の煙の中からこちらに歩いてくる影視界に入る。
「・・・おいおい嘘だろぉ?」
「今のは痛かったぞ・・・下級生命体風情が・・・!!」
それは片腕は千切れとび全身に傷を負った愚潤の姿だった
※※※
「これは・・・!?」
空鼠の姿には愚潤に敗北し取り込まれる酒蛇と毒兎の映像が映っていた。
実は毒兎は愚潤に遭遇した瞬間から録画をしており自分に何かあったら直ぐに送られるようになっていたのだ。
「・・・見た目からして変牛音鳥忍猪巨竜もやられたか・・・!」
空鼠は飛びながらスマホで連絡を送り始める。
「どうか間に合ってくれよ・・・!」
※※※
「嘘でしょ・・・皆が・・・!?」
六月の脳裏にあの光景が浮かぶ・・・さっきまで普通に話していた友達の命が突如として失われたあの光景が浮かぶ。
「私がこんな所来ようとか言い出さなければ・・・」
膝をつき崩れ落ちて地面が濡れる、だがそれで毒兎達が帰ってくる訳では無い。
「・・・おやおや、六月さんではないですか」
「・・・あ」
六月の目の前に頭部が兎になり千切れた腕の代わりに蛇が生えている愚潤がゆらりと上から着地をした。
「どうですかこの身体は?硬度、筋力、そして知力!!全てにおいて地上のゴミどもとは違う完璧な存在になったんですよ私は!!」
「・・・・・・・・・」
六月はゆらりと立ち上がった。
「・・・貴方が・・・貴方が皆を・・・!!」
「おやおや、何をそんなに怒っているのですか?」
六月の視線は鋭くなり拳に力がこもる。
「許さない・・・私は貴方を絶対に許さない!!」
「・・・許さない?・・・ク・・・ヒャハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
愚潤の口元が裂けるように開き不愉快な笑い声が島の中に響き渡った。
「貴方が許す許さない等どうでもいいのですよ・・・どのみちぃ・・・貴方はここで私に食われるのですからぁ!!!!」
地面を蹴る音と共に愚潤が眼前に迫る、当然ながら桜宮六月がそれに反応出来るわけがなかった。
蛇口が無慈悲にも六月に迫り飲み込もうとし・・・
火花を散らす音と共に愚潤ごと弾き飛ばされた。
「・・・貴様は!!」
「悪いな・・・こいつは俺の女だ、指一本触れさせねえよ」
六月の前に何度も見た四足の足が立つ。
「・・・悪い、遅れた」
猫天与が愚潤の前に立ち塞がった。
「六月!」
「六月ちゃん!!」
六月の背後から現れた空鼠と占犬が六月を連れて逃げ出す。
「・・・ほう」
愚潤は猫天与を見て不敵な笑みを浮かべた。
「・・・お前の相手は俺だ」