独占欲と隷属願望
ハワトリア最後の一週間にて、わたし……クロエ・フォン・アインツベルンは、リツカお兄ちゃん……藤丸立香とビーチを連れ立って歩いていた。
リツカお兄ちゃんの服装は礼装のトロピカルサマー、対するわたしは水着霊基のビーストモードだ。まあ、原稿もないし霊基の中身はアーチャーに戻したんだけど。
…なんで原稿もないのにビーストモードなのかって? それは当然、プレイのためだ。ビーストモードのわたしを見せびらかしながら連れ回して、リツカお兄ちゃんの独占欲とわたしの隷属願望を満たして、最後は岩陰で美味しくいただく(いただかれる)ためだ。
だってわたしは、リツカお兄ちゃんの奴隷で、守護獣で、何より未来の妻。だから、夫の性欲処理をするのも当然のことなのだ。
そんなリツカお兄ちゃんに、尻を鷲掴みにされながら歩く。
「リツカお兄ちゃん、歩くのゆっくりすぎっ…」
「クロの歩幅に合わせて歩いてたんだけど、駄目だった?」
「ッ…♥ もう、そんなイケメンっぷり見せても何も出ないわよっ……わたしイリヤ程チョロくないから…♥」
「そんな顔で言っても説得力ないなぁ」
…そんな会話の最中でも、周囲の人の視線は容赦なく刺さってくる。認識阻害で正体バレはしてないけど、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
「あの子小学生くらいなのになんつーエロい服着てんだよ…」
「うわ、変態…?」
「やっば、ロリコンじゃねーのにそそる…」
…あぁ、やめて。そんなこと言われたら、わたし興奮しちゃう。
「…もう我慢できなさそうだね。人気のないところに行こうか」
「っ……うん…♥」
力強い腕に腰を抱かれて、どこかに連れて行かれる。それに抵抗しようなんて、少しも思わなかった。
───
…わたしはどこかの岩陰に連れ込まれた。ヤリモクナンパ男が好みそうな、人気のないスポットだ。
「…♥♥♥」
ぺろりと舌舐めずりをして、わたしは眼前にそびえ立つモノに跪く。グローブの影響で手コキしてあげられないから、これからするのはフェラ一択だ。
…ふと、リツカお兄ちゃんのためだけのビーストモードなのに、「その痛覚共有の刻印はワンジナの影響で変化したのでは?」などとあらぬ疑いをかけられたことを思い出した。…良い機会だし、ここで骨抜きにして仕返ししよう。つまらぬ嫉妬を後悔させてしんぜよう、なーんてね。
「んっ…♥」
顔を近づけ、芳しい雄の匂いを嗅ぐ。今すぐに頬張り舐め回したくなったけれど、ここは我慢の子。その先端に口付け、溢れ出すカウパーを丁寧に啜り飲む。濃い雄の味が舌を刺激し、嚥下する度に脳が甘く痺れた。
「…♥♥♥♥♥」
股から太ももを伝い幾筋も流れる愛液が、砂浜に垂れて染みを作る。…ああもう、愛液垂れないように黒いパンツ追加したのに、無駄になっちゃった。…やっぱり紐に近いのがだめだったのかしら?
「んっ♥ ちゅ…♥ れる、ぢゅぷぷ…♥♥♥ ぢゅぞぞぞ♥♥♥」
リツカお兄ちゃんの股に顔を埋め、その腰に抱きつく。根元までしゃぶって、亀頭をねぶって、こんこんと湧き出てくるカウパーを味わい尽くす。カウパーもおちんちんも、美味しいはずないのに美味しいと感じる。わたしはおかしくなってしまった…。
「クロ、そろそろイく……ぞッ!!」
「んぶぅッッ♥♥♥♥♥」
リツカお兄ちゃんがわたしの頭を鷲掴みにして、熱いザーメンを注ぎ込んできた。それを必死に飲み込んで、亀頭と竿を磨くようにお掃除する。すると…。
「きゃっ…♥♥ んむっ…♥♥♥」
腋に腕を回してわたしを持ち上げたリツカお兄ちゃんが、逞しい腕で抱き寄せながらキスしてきた。
あぁ、口が精液臭いのも気にしないなんてなんかかっこいい。これじゃイリヤばりにチョロいって認めたようなものだけど、この時のわたしはもうそこまで頭が回っていなかった。
「…ぷはっ…♥」
数分続いたキスですっかり出来上がったわたしはスカートとパンツを脱ぎ、首輪と繋がったベルトを外して岩に手をついた。
ほかほかのおまんこに、おちんちんがずぶぅっ♥♥♥ っと突き刺されたのは、その直後だった。
───
肉と肉のぶつかり合う音と、獣のような喘ぎ声を響かせる。
「それ♥ それ好きっ♥♥ リツカお兄ちゃんのおちんちん奥まできてるぅッ♥♥♥」
突かれる度、視界がチカチカと明滅して虹色に輝く。水着版の宝具であれだけ白黒を強調しているのに、これではまるでイリヤの水着版宝具のよう。
でも、こういうのなんか良い。わたし一人じゃ白黒でも、リツカお兄ちゃんと一緒なら虹色の輝きになる。きらきらと輝く星のような、かけがえのない本物を産み出せる。わたしはそれが、妙に嬉しかった。
なら、そんな本物を産み出す行為が悪いことの訳がない。色彩だけじゃなく、俗に言う“愛の結晶”まで作る行為なのだから。
…もうビーチに聞こえたって構わない。わたしは全力でリツカお兄ちゃんの種を請うため、力いっぱい叫んだ。
「お兄ちゃん好きっ♥ 大好きッ♥♥ 顔も心もおちんちんもザーメンも全部全部大大大好きぃ゛ッ♥♥♥ だからわたしのナカに思う存分射精してぇ゛ッ♥ リツカお兄ちゃんの特濃遺伝子でわたしの聖杯汚染してぇ゛え゛えッッッ♥♥♥♥♥」
「言われなくても射精すに決まってるだろ…! “お兄ちゃん”じゃなく恋人チンポで孕めッ!!! オレのクロッ!!!」
…聖杯に願うまでもなく、濁った白が放たれた。
それは子宮というわたしの聖杯に注がれ、汚染し、わたしをリツカお兄ちゃん一色に染めていく。取り返しのつかない程に。
「ほぉぉおおおッッ♥♥♥♥♥♥♥ あは、ぁ…♥♥♥ はぁん…♥♥」
だらしなく舌を突き出しながら、深い深い仰け反りアクメをキメる。
…ああ。人理を巡る戦いなんてさっさと終わらせて、早くリツカお兄ちゃんの赤ちゃん孕みたいなぁ…。
「…っ…ふ、ぅ…。…さてと、人の言葉喋るの疲れたでしょ? そろそろペットに戻ろっか」
「…うん…♥」
わたしのパンツでおちんちんを拭いたリツカお兄ちゃんが、わたしの外したベルトを手に取る。
カチャカチャという音と共に、お兄ちゃんはベルトを首輪に着けてくれた。…ただし、首輪の前側にしか接続されていない状態で。首輪の後ろにベルトを着けず、リードのようにしたおかげで、リツカお兄ちゃんの令呪を模した形に変容した、痛覚共有の刻印が丸見えだ。一応猫なのに、犬みたいにされてる。パンツもスカートもリツカお兄ちゃんに没収されたから、道端でおしっこしろって言われたらすぐに出来てしまうだろう。
「クロ、ここからきみは四つん這いになって猫の鳴き真似で過ごすんだ。夜の街で、クロがほんとはどういう女の子なのか見せつけてやろう」
「…っ…♥ …にゃあ♥」
日が傾き、夜の街へと変貌しつつあるハワトリアに繰り出す。…今のわたしが骨の髄、魂の髄までリツカお兄ちゃんのものであると示すために。
───
「すげぇ、変態だ!」
「ヤッバ…」
「見られてる見られてる。これ認識阻害解いたらどうなるんだろうね? オレとクロ、一緒に破滅かな?」
「…にゃあ…♥」
「嬉しそうな顔しちゃってまあ……調教しすぎたなこれは」
「おすわり!」
「にゃっ!」
「お手!」
「にゃ!」
「ちんちん!」
「…にゃっ♥」
「待て!」
「っ…♥」
「……」
「…ハッ…♥ ハッ…♥ ハッ♥ ハッ♥♥」
「…良し!」
「ぢゅるるるるッ♥♥♥ ぐぽっ♥ ぬぷっ♥♥ ちゅ、ぷはぁっ♥ ちゅ♥ ぐぷっ♥」
「…これじゃっ……猫というより、犬だなっ……あーイく…!」
「んぶぅッッ♥♥♥ んぐっ♥ ん、ごきゅ♥ ごきゅ♥♥ ごきゅ、ん♥♥♥ …ぷはぁっ…♥♥♥」
「…一滴残らず飲んだんだ。偉いぞ、クロ」
「…にゃ、にゃあん…♥」
「…喉くすぐると喜ぶのは猫っぽいな」
「それはそうと、衆人環視の中でフェラするのどう? 興奮する?」
「ちゅ、ぺろ…♥ れる…♥ ぐぷっ♥ んっ♥ んぅ♥」
「って、ごめんごめん、フェラしてたら答えられな、ぁっ…!? …っ…また根元まで咥え込むとかっ……ほんとド変態だなぁ…。まあそういうとこも好きなんだけ、どッ!!」
「んぶぉッ♥♥♥♥♥」
「…ふと思ったんだけど。クロってさ、魔力供給してくれるなら他の雄でも良いとか思ってたりしない?」
「ぇ…?」
「だってオレ、元の世界の“お兄ちゃん”の身代わりだろうし。いやあ、もしそうなら見下げ果てたクソビッチだなぁ。ある意味尊敬するよ」
「そんなっ、わたし、ちが…! リツカお兄ちゃんだけなのに…! に、にゃ、にゃあ! にゃあ!! にゃあぁぁああッ!!!」
「あぁごめんごめん、冗談だよ。大丈夫、捨てたりしないから。ね?」
「ふ、くっ……ぐすっ…。にゃああぁぁ…」
「…無様でかわいいよ、クロ。オレにみっともなく縋りついて、ぽろぽろ涙こぼしながら首をぶんぶん横に振って、本当にかわいい。でも、駄目じゃないか。『この女はオレがいないとどうしようもない、救いようのないメスブタなんだ』って実感できて興奮しちゃうだろ?」
「ッ♥♥♥ …にゃあん…♥」
「…もう手遅れかぁ。管理されてるのはどっちなんだか」
「にゃんっ♥♥♥」
「この数時間、ずっとオレのチンポを駅弁やら押し車で嬉しそうに受け入れて、今度はフルネルソン! 人前ではしたなくイった挙げ句こんな姿晒して恥ずかしくないのかこのド変態!!」
「に゛ゃぁぁ♥♥♥ なぁぁあ゛ん♥♥♥」
「そんなに痴態見せつけたいなら思う存分見せつけて破滅しろ生オナホ! 中も外もオレのザーメンまみれでごめんなさい、もう元の世界の“お兄ちゃん”のお嫁さん無理ですって言えッ! この美少女クソメスブタッ!! 好きだッ!!!」
「に゛ゃっ♥ あぁっ♥♥ ああァァァああッ♥♥♥」
「誰が喘ぐだけで良いって言ったッ!? オレだけのものになってオレを惚れさせた責任取れって言ってるんだよッ!!! だから孕めクロッ!! “お兄ちゃん”忘れてオレの子供だけ妊娠しろッ!!!」
「ぉ゛ごォ゛ッッ♥♥♥ ぅア゛あぁぁぁああッ♥♥♥♥♥♥♥」
───こうしてわたし達は、SMド変態カップルとして、淫らで愉しい思い出を刻んだのだった。