熱を知った美しき竜

熱を知った美しき竜


ストーム・ボーダー内装のひとつ、マスターの私室であるマイルーム。静かに夜を迎えたその部屋に小さなノック音が響く。

ベッドに腰掛けてる部屋の主がそれを耳にして受け入れた直後、遠慮もなく入ってくるのは青水色の鎧に身を包んだ美しい銀色の髪の可憐な少女のサーヴァント──メリュジーヌ。またの名は、妖精騎士ランスロット。

「やあマスター、今日も寒いね」

霊基を鎧姿から脇の露出したドレス姿に変えたせいにも聞こえる発言のまま、端正な微笑を浮かべて彼女はマスターの膝に手をつけた。

空調設備は機能していても、竜種の彼女には関係無い…というわけでもないのはマスターと呼ばれた彼も既に理解している。ただの雰囲気作りでしかないのだ。

誰にも見られない部屋の中、こうして二人っきりになると彼女は何かにつけては甘える方便を持ち出し、今のように肌を合わせたがる。そして顔を上げて、唇を少し開いた時が“合図”。天を仰ぐメリュジーヌの顔が、見下ろすマスターの頭で翳る。

「ん…♡ちゅ…♡」

聞こえるのはキスの音。啄むような、それでいてどこかお互いに物足りなさも覚えさせるような弱いキス。おおよそ1分に満たないそれは二人を高揚させるのにちょうどよかった。

「今日は私が君を哭かせ……ぁ♡」

唇を離し、頬に薄い朱を浮かべた彼女が言い切る前。彼がその身体をベッドに優しく寝かせ、その首筋から頬にかけて手を滑らせれば彼女からは甘い声が漏れた。

「出来るといいね?メリュジーヌ」

メリュジーヌの小さな身体に、マスターは覆い被さるようにベッドに乗りながら微笑みを見せれば。メリュジーヌはその先を想像できてしまって、その朱色をより濃くしていた。


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ベッドの側に脱ぎ捨てられたマスターの服につくほんの僅かな水気。その出どころは勿論マスターではなく。

「あっ♡あっ♡だめっ♡ますたぁ♡あっ♡きゅう♡けいっ♡」

長い旅路で鍛えられたマスターの手で細い腰を捕まえられ、その小さな身体を雄々しい肉棒で容赦なく正常位で犯されるメリュジーヌのもの。

ぱん、ぱん、と一回一回抽送を行うごとにその愛らしい秘裂から溢れる愛液はその飛び散る勢いもあってかシーツやマスターの身体のみならず、床まで届いてしまっている。

愛する相手に貫かれる快感に行き場をなくした手がシーツを握り締め、彼女自身は喘ぎながらも、このままではまた負けると直感して何とかその制止の言葉を紡いでみせるも、当然ながら彼が止まることはない。

「ダメ」

むしろそれは彼の、普段は潜む嗜虐心を刺激することにしかならなかったとばかりにその勢いは増して、ばちゅ♡ばちゅ♡と激しくなる。

「あ゛ぁぁぁッ♡♡ますたぁっ♡♡おく♡おく♡ごちゅごちゅしないでっ♡♡いく♡いっちゃう♡♡」

子宮口を強く突かれ、既に何度も絶頂を繰り返したメリュジーヌが涙ながらに行う抗議も空しく、むしろその奥の先まで届かせようかという突きは何度も行われる。

その蜜壷は持ち主がどれだけ乱れようが絶えず愛液を滴らせ、自らを貫く剛直に突き入れる快感と絞められる快感を味わわせ、容易く射精に導かせてもおかしくない名器から離す理由が彼にはない。その奥に吐き出すまで、抜こうとも思わないほどに。

そして余裕などとうになくしたメリュジーヌとは裏腹にまだ余裕を残していたマスターは片手を彼女の腰から離して、小振りながらも美しい胸へと移す。

「ひあ♡そん、な♡!?まっ♡──」

突かれながらふに♡ふに♡と柔らかな質感を手のひらと指で堪能される彼女は一瞬だけ余裕が戻ると、すっかり硬くなってしまっている桜色の先端に近付く温もりに気付いてしまった。

その結果彼女の頭の中にはこのような考えが生まれてしまう。……「もしも今、そこに触れられたら」という考えが。気付かなければ不意討ちで済んだ、だが彼女は気付いてしまった。そのせいでただでさえ快楽に呑まれた脳内がじわじわとその未来を心待ちにしてしまい、マスターの指もじわじわと先端へ近付き──きゅ、と摘まれた。

「ふあぁぁぁぁぁぁっ♡」

それは不意に受けるよりも大きな刺激。メリュジーヌの背筋が反り、潮を周囲に吹き散らす。けれど、交尾そのものは止まっておらず、身体が仰け反ったために膣内が今までと違った形でごりっ♡と肉棒に抉られた。

「あ゛っ♡あ゛♡ぁぁ゛♡あぁ♡」

もはやメリュジーヌに言葉を紡ぐ余裕はなく、ただ喘ぐことしか出来なかった。普段は冷静にかつ迅速に思考できる頭もなく、代わりに昂った雌の本能が彼女の身体に命令を与え、膣内を今なお抉る雄をぎゅぅぅ♡と絞め付けるように蠢かせる。理由はひとつ、そこから吐かれる種を貰うために。

それは彼からしても、分かっていても逃れられない快楽。それまでは最強の竜を良いように哭かせた彼も限界を迎えるほどに昂らされ、しかしそれでもその熱い肉棒が半端な位置で止まる前にずんっ♡と一気に奥まで突き入れ。

「──あ♡いく♡」

(また、まけちゃう♡)

小さな絶頂。ぷし♡と何かを開けるような潮吹きの音と同時、“何が来るか”を理解させられたメリュジーヌが幸せそうな笑みを浮かべた直後。

どぴゅっ♡びゅるるるっ♡びゅーーっ♡

「あ゛ぁぁぁぁぁっ♡♡ますたぁぁぁぁっ♡♡♡」

子宮口を抉る勢いで合わされた先端から吐き出された大量で濃厚な精を長時間注がれるメリュジーヌは快楽で頭を真っ白に染め上げられる。

その身体は大きく仰け反らされて、だらしなく開けられた口から哭き叫ぶように絶頂の声を上げさせられて、子宮だけが彼の精を決して逃すまいとその内側に飲み続けた。

……そしてその長く、熱く、子宮に残り続けるような射精を終えられたメリュジーヌの口に、また柔らかな温もりが触れる。

「んむ♡はぁ♡あ♡……♡」

キスされていると理解した彼女は、弱々しくも小さな手を彼の背に回して甘えるようになんとか抱き着けば、離れた顔に潤んだ眼差しを向けて。

「……もっと♡」

散々泣かされて尚、彼の愛情を、温もりを欲しがる竜はその後もさまざまな体位で犯され続けられてしまったのだった。


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