焼き付いた者

焼き付いた者

ポッカ

※デイぐだ子です、ただしデイビットのセリフ無しです

※キャラが掴みきれていない部分がございます、ご了承ください

※当方デイぐだ初書きですので色々間違えてるかもしれませんが、スルーしていただけると幸いです…………本当にすみません…………

※突然始まり突然終わりますし誤字脱字あるかもしれません、ご了承ください

※なんでも楽しめる人向け!!!!

※OK?



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【第7異聞帯切除後の夜、マイルームにて】

(…………)

あの光景が脳裏から離れてくれない、あの声が、あの香りが、あの熱が

​──────あの人が、頭から離れない


すっと隙間を抜ける風のように、とろりと溶ける氷のように…自然と、ゆったりと、少し悔しそうに、……でも、落ち着いた様子で煙に包まれていったあの人…

デイビット・ゼム・ヴォイド、最後の異聞帯に座していたクリプターのひとりで、異聞帯攻略の手助けを間接的にだがしてくれた恩人とも言える人

あの時わたしは、一声ぐらいならかけられたはずだ。ただ一言、あの時手助けしてくれてありがとうと……それさえ言えず、遮られ、手が届かなかった。戦神から提示された"遮った理由"はごもっともだった、納得もできる

でも、それでも……私は彼に声をかけたかった。あの広く逞しい背中越しにでもいいから、私の言葉を聞いて欲しかった。その事だけが胸を焦がして離れてくれない。これが一気に全てを焼き払ってくれる業火だったらどれほど楽だっただろうか。胸をチリチリと、少しずつ、じわりじわりと時間をかけて焦がす蝋燭のような小さな火…これがずっと胸に居座っているのだ

まだ帰還してからそれほど時間は経っていない、それなのにも関わらず私の胸の内を乱し続けている。まるで、そう…………


「恋をしているみたいに、にがくてあまい感覚だ」


声に乗せて口に出してみたら楽になれるかと思ったので実行してみたが、その苦味はより一層増すだけで…。ふと、頬が濡れていることに気がついた。いつの間に泣いていたのか、それとも元から泣いていたのか、その判別さえもつかないぐらいには彼について考えていたのだろう。それに気づいてからは大変だった。鏡に映ったわたしは頬はぐしょ濡れで目元は赤く腫れ上がり、とてもじゃないが人に見せられるような顔をしていなかったのだ


「……わっ、どうしよう。明日の朝のミーティングまでに何とかできるかなぁ……えーっと、確か目元が腫れた時は……」

今は夜だから静かにしないととか、明日に備えて眠らないととか、そんな考え全てが吹き飛び、焦りに焦っていた…が、不思議なことに心は凪いでいた。何故だろう?と考える間もなく時は無情にも過ぎていく。

あぁ、早くこの顔を何とかしないとなぁ


そんな少女の慌てた、それでいて諦めたかのように落ち着いた様子を、どこからが立ち込めた煙がじぃっと見つめていた

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