無題

無題



令和の攻めには平成の攻めがふさわしい、そう思っだけだった。最初は、本当に。


そのために監獄の奴ら相手に武者修行して経験を積んで。アイツに会うのは全員を抱いてスーパー攻め様になってからにしようと企ててた。その結果がこの様だ。

メス落ちゲージ475と書かれた賞状をそっとなぞる。


(勝手にメス堕ちして優しいアイツに無理やり抱かせて、責任取らせて…挙句の果てにリップサービスまで吐かせて。本当に性介護じゃねえか)


……数えきれないほどの男を誘って抱かれた淫乱なメスの身体なんてアイツにはふさわしくない。

そう思って何度も別れを切り出そうとしたがどうしてもできなかった。


好きな相手とずっと一緒にいたい。でもこんな汚れた俺なんかより凪にはもっといい人がいると思うのも本当で。


弱い俺が選んだのが「強制的に他の相手を抱かせる」という最低な行為だった。


もちろん拒絶されたし渋られたが、優しいあいつは結局断りきれない。それに甘えて何度もいろんな男を抱かせた。


ーーはやく愛想を尽かして、俺を捨ててほしくて。


それなのにアイツは毎度毎度相手を抱き潰して帰ってくる。

その度に俺の胸には帰ってきてくれた、自分を選んでくれたと言う安堵感と、そんな自分への嫌悪感が混ざり合い、何も考えられなくなっていくのだ。


ドアの開く音が聞こえる。〇〇を抱き潰して帰ってきたのだ。


「よくやった!凪!!」


ああ、今日こそ捨ててくれますように。捨てられませんように。


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