無題
ハレムの女達の噂話、ハレムに繋がる長い長い回廊、その途中には幾つか小部屋がある。
その中の一つ、最も新しい小部屋は王のお気に入りの異国の剣士に与えられた部屋だそうで、王は最近入り浸っているというのだ。だから王の渡りがめっきり減ったとため息をつく彼女達。今日も王の渡りはない。
色とりどりに色付けされたランプは華やかに部屋を照らし、床には柔らかな一眼で極上品とわかる細密な模様が織り込まれた絨毯。床と絨毯の隙間を埋めるかのように敷き詰められた色とりどりのクッション。美しく豪華絢爛な部屋で一人の男が横たわっている。それをもう一人の男が眺めていた。
男のそばには美しく細工が施された香炉。その香炉から出た煙はゆぅるりと漂いランプの灯りに照らされて白く濁りながら霧のようにこの部屋を満たしていく。それを眺めて男は横たわる男に問いかける。
『どうだイオリ、新しい香は気に入ったか?』
「はっ・・・、んぅ、あっ」
はぁ・・・と苦しげに息を吐くその口元は紗のフェイスベールで覆われ、異国の衣はところどころ肌蹴けている。けれど、彼はそんことに気を止める余裕もないのか、時折苦しげに息を吐いては何かを堪えるかのように、きゅうと体を丸めている。その姿に、もう一人の男・・・・この国の王はそうかそうか、気に入ったかと頷き、すぅ・・・と指先で着物が肌蹴けて顕になった伊織の肌に触れると
「あっ、」
と何処か甘さを秘めた声が溢れ、体を小さく震わせた。それに気をよくした王は首筋、鎖骨、をつつ・・・と指先でなぞっていく。その度に、耐えようとするも香のせいで過敏になった体では耐えきれずに声がもれ、ランプに照らされたフェイススベール越しに透けて見れる口元に王は加虐心をくすぐられ、彼の着物越しに両胸の頂をキュッと摘み上げる。
「んんっ、あぁっ、あっ、やっ・・・・お、おやめ、くだっ」
『ほう、嫌か・・・・ふむ、そうか』
ビリビリと背筋を流れた強すぎる快楽に堪らず声を上げ、懇願する伊織。王はあっさりとそこから指を離す。ほっとしたように息を吐いた伊織だが、摘まれた頂がジンジンと疼きだして下腹がグラグラ熱く、ずぅんと重くなっていき、その熱さと疼きをどうにかしようと、絨毯の海をもがくも、もがいて動くもその動きで敏感になってしまった体が擦れてしまい、更に苦しくなってしまった。
「はっ・・・んんぅ、」
香のせいで力が入らない体をなんとか起こし、自分を見下ろす王の前に伊織は跪く。
「は、・・・ふっ・・っへ、へいか」
『どうした?伊織よ、我が剣士よ』
王は泰然とした態度で自分の足元に跪く伊織を見つめる。伊織は震える指先を叱咤しながら着物の袷を寛がせ
「お、・・・・・おう、の、おっ・・・お慈悲をた、たまわり・・・・たく」
もがいたせいで外れたフェイスベールから顕になった伊織も唇から漏れる哀願。
情欲の炎になぶられたピーコックブルーの瞳は潤んで、ランプに照らされた肌には珠のような汗が汗がしっとりと滲み、そしてその肌を伝う黄金の鎖。しゃらり、と揺れるそれは伊織の金色の首輪から胸の頂に繋がっており鎖と頂を繋ぐ飾りにはには小ぶりな紅玉がランプの灯りで赫く輝いていた。
羞恥と香のせいで震えながら愛撫を強請る伊織に躾の成果を感じ、愉悦と征服感に口元を歪ませた王は自らの剣士を可愛がるべくその手を伸ばした。