烙印再演
「これが……私」
エクレシアは姿見に映る自分の姿に驚きの声をあげる
黒のヴェールを被り、赫色のドレスを着た自分は普段よりもずっと大人びて見えた
まるで別人のようにも思えるが、鏡には確かに自分が映っている
その事実が信じられず、彼女は何度も姿見と向き合う
「でもちょっと大胆すぎるような……」
背中は大きく開かれており、胸元もはっきりと見えており鋭く深い谷間を作っている
ゴルゴンダでの決戦から数年経ち、エクレシアの身体はより女性らしい魅力を増していた
このドレスを身につけるにいたった発端はキットが録画していた決戦の映像を再生していたときのことだ
「もしかしたら私はこういう大人っぽい格好も似合うのでは?」
そんなことを呟くと、じゃああのドレスを再現してみよう、それに合う髪型や化粧も試そう、アルバスに見せたら驚くはずと、周囲の仲間たちは大いに盛り上がり始めたのだ
今までのエクレシアは追放された身であったため、服装は動きやすさを重視したもので、聖女という身分であったが故に髪型のセットすらできなかったが、フルルドリスをはじめ多くの仲間の享受を受け、ついに完成したのが今の彼女である
言うなればこのドレスはアルバスや多くのものとの絆によって紡がれた結晶ともいえる
「そうだ、アルバスくんが戻って来るまでに練習しておきましょう。いままでにない色っぽい姿を見せてびっくりさせてあげましょう」
エクレシアは姿見の前で様々なポーズをとり始める
事前に仲間から教わった所作や表情を思い出しながら再現する
「ふぅ……こんなところでしょうか」
一通りの練習を終え、エクレシアは満足げな笑みを浮かべる
すると……
「ただいま」
アルバスだ
想い人の帰りに胸が高鳴るが焦ってはいけない
あくまでクールに、エクレシアは深呼吸をして気持ちを整えてからドアを開ける
「おかえりなさい、アルバスくん」
「 エクレシア……その格好は?」
アルバスは目を丸くし、まじまじと彼女の姿を眺めている
普段とは違う装いに驚いているようだ
エクレシアは内心でガッツポーズをしながら冷静さを保ちつつ答える
「実は皆さんが私のために、それで……」
「……綺麗だよ、すごく似合ってる」
「え?そ、そうですか…ありがとうございます!」
ストレートな褒め言葉にエクレシアは思わず頬を赤らめる
エクレシアは顔を見られまいと慌ただしくならないように意識しながらゆっくりと背を向けることで隠す
(アルバスくん手強いですね。油断したらすぐにボロが出そうです。気をつけないと)
「………!!」
エクレシアは意識していなかったがそれによってふわりと舞う髪とちらりと見える大胆に開かれた背中は実に扇情的であった
今の彼女は普段とはまた違った魅力を放っており、それがアルバスの視線を釘付けにする
そんなアルバスをエクレシアは上目遣いでじっと見つめる
(わかりますよ。ドキドキしていますね、押し倒してもいいのですよ。今の私は大人のお姉さんですから)
エクレシアはさり気なく自分の魅惑的なボディラインを見せつけるように両腕を組み、妖艶な雰囲気を醸し出す
アルバスがごくっと生唾を飲み込むのがわかる
「アルバスくん、どこを見ているのですか?」
「ごめん!別に変なことは…」
エクレシアの言葉にアルバスは慌てて否定するが、その反応こそが肯定を意味していることに彼は気づいていない
「さあ、素直になって」
エクレシアはアルバスの手を取るとそのまま自らの胸に押し付ける
「わっ!?ちょっ!!エクレシア!?」
アルバスの手を掴むエクレシアの力はかなり弱く、しかし彼はそれを振りほどくことができないでいる
「顔が赤いですよ。それに熱い……」
「いや…それは」
掴んだ手を動かすとむにん、とアルバスの指が胸に沈み込む
エクレシアの胸は柔らかく、そして温かい
「ふふ……やっぱり男の子なんですね」
アルバスの顔はさらに真っ赤になり、心臓の鼓動も激しくなっているのが手に取るように分かる
こんなアルバスははじめてだ
美人で自分よりスタイルのいいフルルドリスやフェリジットにだってこのような反応はしたことがない
エクレシアは自身の色香でアルバスを虜にしていると思うだけで頭がどうにかなりそうなほどの幸福感に満たされる
「ねえ、アルバスくん。このまま私の部屋に来ませんか?」
「……うん」
アルバスは小さく首を縦に振る
(かわいい、最近では私よりも背が高くなってすっかり男らしくなったと思っていましたが、こうして見るとまだ子供っぽいところもあるんですね)
出会った当初はアルバスが記憶喪失なのもあって自分が引っ張っていかなければと決意していた
次第に彼は戦いのなかで成長していき、エクレシアが本来は甘えたがりなのもあって、いまでは生活においても交わりにおいてもアルバスに頼りきりになっていることが増えた
だから自分もいつまでも子供ではいたくない、再開したフルルドリスに髪を結んでもらおうとしたときに窘められたことを思い出す
「じゃあ行きましょう」
アルバスの腕を引っ張ると部屋の中に招き入れる
「ここが気になっていたのですか?」
「だって、そんなに強調されたら……」
エクレシアが自身の胸に指をさすとアルバスは叱られた子供のように縮こまる
胸どころか裸だって見ているしそれ以上のことだって何度もしているのに初々しい反応をするアルバスにエクレシアは愛しさと同時に嗜虐心が唆られる
(いけませんよアルバスくん。そんな反応ばかりしていたらいじめたくなってしまいます)
「ふふ、アルバスくんは正直ですね。さあ、好きなだけ触ってください」
エクレシアは自分の胸を両手で持ち上アルバスに差し出す
アルバスは恐る恐る手を伸ばして触れようとする
遠慮がちだが双丘の魔力には抗えず、次第に手つきは激しさを増す
「んっ…随分と夢中ですね。ゴルゴンダの決戦のときもそういうことを考えていたのですか?」
「いや、そんなわけ……」
あの頃のアルバスにそのようなことを考える余裕などあるはずがないし、それはエクレシアもよくわかっている
彼を困らせたくてわざと意地悪な質問をしたのだ
「いけまんねえ。あの時の私の大半は先代の聖女で構成されています。つまりあなたは私というものがありながら、665人もの女性に鼻の下を伸したことになりますよ。浮気者です」
「えぇ……」
完全に言いがかりである
だが一度思いだしてしまうとアルバスは少し意識してしまう
それだけ平和になったと言うべきか
「アルバスくんがスケベだから私のおっぱいはアルバスくん好みに育ってしまいましたよ」
「……!!」
エクレシアの成長を改めて実感したアルバスは更に熱に浮かされる
「ふふっ、ずいぶんと興奮していますね。ここが大変なことになってますよ」
エクレシアは指先でツンツンとアルバスの股間に触れる
「……エクレシア」
「もう、仕方ないですね」
エクレシアはアルバスの肉棒を握ると上下に動かしはじめる
「くぅ……!」
「気持ち良いですか?こんなに大きくして……いやらしいですね」
エクレシアはアルバスの前で膝立ちになると彼のズボンを脱がせる
(うわあ、すごいです。こんなに喜んでくれて嬉しいです)
いつも自分の膣内を掻き乱し、絶頂を与えたそれが触れてほしそうにビクビクと震える姿はエクレシアを高揚させる
「アルバスくん、どうして欲しいのか言ってみてください」
「……扱いて欲しい」
アルバスの答えにエクレシアは満足げに微笑む
「よく言えました。いい子いい子してあげますね」
(カルテシアってこんなのでしたっけ?まあ楽しいのでこのままいきましょう)
エクレシアは手慣れた様子でアルバスの男根を扱いていく
「あぁ……」
積み重ねた経験によってエクレシアの手淫は巧みであり、アルバスは情けない声を上げる
「もっとがんばってください」
「ぐっ…ああっ!!」
アルバスは快楽に耐えきれず勢い良く射精しそうになるがギリギリで寸止めされる
「ダメですよ。射すならこっちにしないと」
そういってエクレシアはスカートを捲ると黒を基調にした大人びた下着を見せつける
カルテシアにはそのようなものは存在しないためアルバスに見せることに特化した普段のエクレシアでは絶対に穿かないような挑発的なデザインのものであった
「エクレシア……早く……」
「ふふ、焦らないでください」
エクレシアはアルバスの肉棒を掴むとゆっくりと挿入していく
「んぐっ……ふふ、はあん…全部入っちゃいましたよ。うっ…わかりますか?」
エクレシアは妖艶な笑みを浮かべようとするが何度も彼のものを受け入れた膣内は既に彼専用のものに作り変えられてしまい、彼の剛直を受け入れるだけで軽く達してしまいそうなほどの快感が全身に走る
「ああ、わかるよ」
アルバスが答えるとエクレシアは腰を動かし始める
最初はゆっくりと、徐々に激しく
「うっ……!アルバスくんの……また大きくなって……うぐっ……私の中で暴れてるみたいです……んんっ……」
エクレシアはアルバスの上で踊るように身体を動かす そのたびに豊満な胸が激しく揺れ動く
(ダメです。今日はいっぱい責めるつもりだったのに……私の身体がアルバスくんを好きすぎて勝手に動いてしまいます。それにアルバスくんも凄く求めてくれている…)
どんな姿になっても最後はアルバスのもとへと戻る
どんなときでもエクレシアはエクレシアであった
「ごめん…もう我慢できない」
「えっ!?…ひゃうんっ」
下から突き上げるようにアルバスが動きだす
「やっ、待ってくださ……そんないきなり激しすぎます。そんなにされたらおかしくなってしまいます」
「エクレシア、好きだ」
「ああんっ…そこでそれは…ズルいですよお」
その瞬間エクレシアの膣内は甘えるようにアルバスの肉棒を締め付ける
「ぐっ、出る!!」
「はい、出して……アルバスくんの熱いのたっぷり注いでください」
「くぅ……!」
「ああっ……出てる」
どぴゅっと音を立てて精液が子宮を満たしていく
「んんっ……まだ出続けています。んっ……アルバスくん、キスしてください」
アルバスはエクレシアの唇を奪う
「んんっ……ちゅぱ……れろ……」
舌と唾液を交換しあう濃厚な口づけを交わしながら二人はお互いを求め合う
「ぷはぁ、アルバスくん。いつもの私とさっきの私、どちらが好きですか?」
「えーと……両方かな……」
「ふふっ…欲張りさんですね」
そう言いながらもエクレシアはとても嬉しそうに微笑んだ
「でもさっきのは程々にしてほしいかな。ずっとああだとなんというか落ち着かなくて……」
「わかります。あの調子ばかりだとごはんもあまり喉を通らない気がします」
「それじゃあ次は普通にしようか」
「そうですね」
こうしてカルテシアモードは時折夜を彩るアクセントに落ち着き、ドレスを見る度に離れた地にいる仲間を思い出してその絆を再確認したという