炎の姫と水の姫とその夫と
政略結婚という言葉がある。
政略結婚とは、政治上の目的から、当人の意志によらず、家族や家柄など、個人の意志を超えた要素によって成立する結婚を指す言葉である。
ということであれば、今回のケースも政略結婚に該当するだろう。
一国の王子に、その国と友好関係にある二国の姫が嫁ぐ。それもであって間もない、恋人としての交際期間もないとなると、政略結婚の典型ともいえるだろう。
だが、その二人の国の姫の片割れであるキトカロスは…
「はぁ…どうすればあの方はわたくしたちを見てくださるのでしょう…」
青みがかった白い肌、魚のひれが付いた耳、青い髪。キトカロスは水の国、ペルレイノの姫である。
別の世界、もとい世壊においてペルレイノはとある暴君が振りかざす恐怖政治に震え、恐れ慄いていた。
しかし、この世界では暴君などおらず、水の国ペルレイノは平和で豊かな国であった。外交もうまくいっており、キトカロスはとある王国の若き王子との婚約を結んだ。
13,14歳という若さで結婚することになった彼に、年下好きのキトカロスは強いときめきを覚え、共同生活を送る中で何度もアプローチを試みた。しかし、どうにも彼はキトカロスを避けている節があった。
「どうしてなのでしょう……わたくしは何か粗相でもしてしまったのでしょうか……」
「我々がどのように言い寄ったところで政略結婚であることは変わりないもの。唐突に年上の女二人を娶って共に暮らせと言われたら、彼も戸惑うと思うわ」
「それはそうなのでしょうが……」
キトカロスが座る席の向かいには、同じく王子の妻である賜炎の咎姫が座っていた。
彼女もまた炎の国の姫であり、キトカロスと同じく政略結婚で王子の妻になった。
そしてキトカロスと同じく王子を純粋に愛し、王子にアプローチを続けていた。
しかし、その試みは実を結んでおらず、キトカロス共々日に日に不安を膨らませている。
「一度面を合わせて話してみる?彼だって、我々が押しかけたら話ぐらいはしてくれるでしょう」
「へっ!?今から行くのですか!?」
「ええ。善は急げとも言うでしょう?」
その王子は、10人以上いる兄弟の末っ子であり、王位継承権は限りなく低い。
故に王位に就く者としての教育よりも対外的な交渉の仕方のような、王を支えるための勉強を中心にしていた。
こうして他国の姫を妻として迎え入れることも、その教育を受けたことで何の抵抗もなく受け入れることができた。
流石に二人も娶ることは予想外のことであり、そしてそれ以上に王子が頭を抱える問題が存在した。
彼はまだ13、14歳という若さであり、それぐらいの年の少年に二人の妻という存在は、あまりにも刺激が強すぎた。
思春期を迎えて女性というものに並々ならぬ興味を抱き、その一方で女性と関わることを恥ずかしいことであると考える幼稚性も残っていた。
そのため、キトカロスや咎姫がアプローチをかけてきても、その想いには応えることが出来ず、彼の内にため込んだ劣情は自慰行為という形で発散されていた。
そして今日もまた、二人の妻のことを想い、硬く怒張したそれを鎮めようと
「あなた…少しお時間をいただいても?」
キトカロスを置いていった咎姫が部屋の外から王子に声をかける。そして部屋主の返答を聞かずに部屋の戸を開けると、そこには明らかに自慰行為真っ最中の王子の姿があった。
二人は目を見開いて無言で見つめあう。気まずさを感じる以前に、何が起きているのかわからずに、二人は固まっていた。
20秒ほど経過したころ、我に返った王子はズボンを穿きなおすと、足早に部屋から咎姫を追い出そうとする。
しかし、咎姫は逆に王子の腕を掴んで強引に部屋の外に連れ出す。
王子はわけもわからぬままに咎姫に手を引かれ、キトカロスの元、彼女の部屋のベッドまで運ばれてしまう。その怒張したままの肉棒は履きなおしたズボンの中でくっきりと浮かび上がっていた。
「ほら、王子を連れてきたわよ。御覧の通り、私たちで興奮してくれていたみたいね」
「え…えっと、確かにそうみたい……ですね?その、お元気そうで何よりです……」
キトカロスの何とか絞り出した気遣いの一言が逆に王子の心に刺さる。
立っていることもままならなくなり、王子はそのまま膝をついてしまう。
「あぁ!…すみません……むしろわたくしたちはうれしいんです……旦那様がわたくしたちを想ってくださっているということ……ですから、どうか御気になさらないでください」
キトカロスは王子に寄り添うと、彼の背を優しくさする。咎姫もまた、王子を心配してか彼の傍らにしゃがみ込み、その体を支える。
「キトカロスの言う通りよ、私たちはあなたを受け入れたいと思っているの」
「ですから、どうかわたくしたちの想いを無下にしないでください」
二人の真摯な想いと王子の身を案じる心が伝わったのか、王子は体を起こすと二人に向き直り、自身の想いを吐露した。
二人に対して並々ならぬ好意を持っていること。それでもその行為を表に出し過ぎると幻滅されるのではと不安で、二人に対してどう接していいかわからなかったこと。
そして、二人が自分のために努力してくれることに感謝し、その想いに応えたいと思っていること。
王子は二人にそう伝えると、キトカロスは感極まってか、彼の顔を両手で包み込むようにして掴むと、その唇を奪った。
「むちゅぅ…♡んむ……♡はぁ、旦那様……♡」
「キトカロス…少しはしたないわよ……私だって……んむぅ……♡」
王子がキトカロスから解放されたのも束の間、今度は咎姫によって唇を奪われる。
二人の姫の熱烈な口づけに、王子はただされるがままに口内を犯されていた。
「んれぇ……♡……ほら、あなたも舌を絡めて……♡」
「そうですよ……れろぉ……♡どうか旦那様からもわたくしたちを求めてください……♡」
舌の面を互いに擦り合わせるように、二人の舌が王子の舌に絡みつく。
二人の甘い吐息が王子の鼻腔を通り、その匂いを嗅ぎながら彼は二人の口づけを享受する。王子の口内を二人の舌が舐めまわし、同時に彼の舌に二人の唾液が塗りつけられる。
興奮をしているはずだろうに、キトカロスの吐息も舌もひんやりと冷たく、その心地よさに王子の興奮はさらに高まっていく。そして、彼の股間にぶら下がっている一物は、はちきれんばかりに膨張し、その興奮を如実に表していた。
「あなた…もう我慢できな……?」
「いいんです……旦那様が望むこと、わたくしたちにできることであれば、わたくしたちはなんでも受け入れます……」
王子が二人の姫に口づけをされながら興奮していることを咎姫は責めるつもりはなかった。むしろ、さらに興奮してもらうために、彼の情欲を後押しするために、咎姫は王子の耳元でそう囁き、王子のズボンに手をかけた。
膨らみが引っかからないように気をつけて、咎姫が王子のズボンを下ろすと、そこにははち切れんばかりに膨張した男根が反り立っていた。
「あぁ……♡旦那様……なんて立派な……♡」
キトカロスはうっとりとした表情で王子の剛直に見とれ、そっとその肉竿に触れる。
はしたないと自覚しながらもそれに手を這わせ、上下にゆっくりと扱き始める。
「ん……♡旦那様の……とても熱くて……硬い……♡」
「キトカロスばかりずるいわよ……私にも触らせて……♡」
キトカロスが王子の剛直にご執心になっているのを見て、咎姫も我慢できずに王子の一物に触れる。
ひんやりとした咎姫の手の温度と対照的に、キトカロスの温かな手に包まれ、王子はその甘い快楽に身を委ねる。
「…あぁ、あなただけ気持ちよくなるのは少しずるいわね……私たちのことも、気持ちよくしてくれる?」
「はい……旦那様…わたくし達の身体も、旦那様の情欲で満たしてください……♡」
二人の姫はそのドレスに手を潜り込ませると、その大きく育った乳房を曝け出し、そのピンク色の肉豆を彼の前に突き出す。二人の姫は、王子がその快楽に堕ちることを望んでいる。王子はその想いに応えるように、二人の姫の乳房をその手で持ち上げ、その顔をうずめる。
「あんっ……♡旦那様……お好きなようになさってください……♡」
「そうよ……もっと求めていいのだから……」
青白い肌のキトカロスの乳房は冷たく、しかしその柔らかさと冷たさが王子にとっては非常に心地よかった。
一方で、咎姫の乳房は温かく、その柔らかさと温かさが王子の情欲を誘い、彼の指はその柔らかさを堪能するかのように乳房に沈み込む。
そして何より、二人の火照った身体から漂う甘い汗の香りと、その口から洩れる熱い吐息が王子の性欲をさらにかき立てていく。
「んあぁ♡旦那さまっ……♡もっと遠慮なく、わたくしのおっぱいを貪ってくださいませ……♡」
「……いつもそっけないふりしてチラチラ見ていたことは知っていたけど…そんなにおっぱい好きだったのね……んっ♡」
二人の姫に抱き寄せられて、王子は二人の乳房に挟まれながら交互にその先端を口に含む。
母乳が出るわけではない。しかし、その乳房を堪能するかのように、王子はその先端に舌を絡ませ、舐る。王子の舌が触れる度、二人の姫が甘い嬌声を上げる。王子はその声をもっと聴きたくて、さらにその舌で二人の乳房を弄ぶ。
「……あなた、もっと舐めて…♡もっと自分の者だって主張して……♡」
咎姫に促され、今度は彼女の乳首を重点的に責める。普段は表情一つ変えずに政務をこなしている彼女が、顔を赤らめ、少し上ずった甘い声で自分に愛撫を求める。乳首を甘噛みすれば特段甲高い嬌声を上げて体を軽くのけぞらせる。その硬い表情が、乳首責めによって蕩ける。そのギャップがまた王子の興奮を煽り、股間の一物をさらに硬くさせる。
だからと言って、ただ愛撫されて喘ぐだけの彼女たちではない。キトカロスの手は怒張したそれの先端を指の腹で擦り、咎姫は竿を上下に擦る。これまで自分の手でしか快楽を発散したことのなかった王子にとっては、二人からの刺激はあまりにも甘美な毒であり、思わず彼女たちへの愛撫も緩いものになってしまう。
「あぁ♡……だめよ、私たちをもっと気持ちよくさせないと……♡」
「旦那様……わたくしたちが二人で気持ちよくして差し上げますので、どうぞこちらにもご慈悲を……♡」
キトカロスは王子の手を掴んで、彼女たちの着るドレスの股間の中に導く。その奥の湿り気のある下着の感触を、王子の手は感じ取る。
二人の姫はその下着をずらし、王子の指を誘うかのように淫唇をひくつかせて誘惑する。
王子もそれに応えてその淫唇へと指を進める。
「あぁ……♡旦那様の指がぁ……♡わたくしの中にぃ……♡」
「んっ……そうよ、そのままゆっくりかき回して……♡」
二人の姫の敏感な部分を、それぞれ指で刺激する。当然乳首への愛撫も忘れず、執拗に攻め続ける。快楽に悶える二人の吐息が、王子の耳をくすぐる。
愛撫をすればその反応で、こちらの興奮を誘ってくる。もはや何をしてもお互いの興奮の助けになる。底なし沼に沈んでいくように、三人はその快楽のサイクルに飲み込まれていく。
「……あなた、もう限界なのでしょう?いいのよ……射精して……♡」
「はい、旦那様……わたくしたちも共に達したいです……♡だからどうか…もっと私たちの膣内を搔き乱してください……♡」
キトカロスが、咎姫が、王子の耳元でそう囁いて懇願する。王子はそれに応えるように指を激しく動かして、二人の姫の膣内を搔き乱す。
王子の指の動きに合わせて、二人の姫は身体をびくつかせながら嬌声を上げる。快楽に身を委ねたその嬌声はどんどん高くなり、三人の興奮も最高潮に達する。
「……あぁ♡もうだめ……イくっ……♡」
「んっ♡あぁ♡イっちゃいます……♡旦那様も、どうか一緒に……♡」
キトカロスと咎姫の膣が、指を強く締め付ける。そしてその痙攣によって王子は彼女たちの絶頂が近いことを察知した。そしてそれと同時に、自分の限界もまた近いことを悟った。
二人の姫を同時に果てさせるべく、王子は指の動きをさらに激しくする。そしてそれは同時に二人の快楽をより高めることにもつながったようで、その嬌声はさらに大きくなっていく。二人も王子に絶頂の瞬間を見られることを求めているのか、より強く王子を抱きしめ、その身体を反り返らせる。
そして、その瞬間は訪れる。
「イくっ♡……あなた…♡」
「旦那様……♡……愛しています……♡」
二人の姫は同時に絶頂を迎え、王子の指を強く締め付ける。そして王子は、その二人の膣が絶頂を迎えるのと同時に、その剛直から精を吐き出した。それは二人の身体に撒き散らされ、異臭を放つ。
「……はぁ……♡あぁ……♡旦那様のせーえき……♡これが、私たちの……♡」
「ん……すごく熱い……♡匂いもこんなに……♡」
絶頂の余韻に身体を震わせながら、二人は自身についた王子の精を手で掬い、その匂いを嗅いで陶酔していた。
「はぁ……あぁ……♡旦那様のせーえき……♡もったいないです……」
キトカロスは王子の剛直についた精を舐めとっていく。咎姫も羨ましそうにその様子を眺め、射精の快感で動けなくなっている王子を抱き起し、彼の唇を奪う。
絶えず二人の姫に精を啜られながら、王子は罪悪感と幸福感の入り混じった感情でその快感に身を委ねていた。
「ぷはぁ……♡旦那様……今度はこちらの口で……♡」
「……私も、あなたのを味わいたいわ……♡」
キトカロスが口から離すと、一度萎えたはずの一物はまたすぐに硬さを取り戻した。彼女の唾液でコーティングされたそれを二人はまじまじと見つめる。
「まぁ♡あんなに射精なされたのに……♡」
「……こんなに可愛い顔をしていても、性欲の方は人一倍みたいね……♡」
うっとりとした顔つきの二人。特にキトカロスはすでに一度達していたというのに、自分の指を秘所に伸ばして自身を慰め始めていた。うわごとのように王子のことを呼び、時折彼女の口からは甘い嬌声が洩れる。
「旦那様…♡旦那様ぁ……♡」
「キトカロスもすっかり出来上がってしまったわね……ねぇ、初めては彼女からにしてあげて……♡」
キトカロスの痴態を見ていた咎姫は、王子にそう提案する。その提案を王子も断ることはしなかった。むしろ、この機会を逃すと二度とないかもしれないという想いで、彼はキトカロスを押し倒す。そしてそのまま彼女に覆いかぶさり、その剛直を彼女の秘所に押し当てる。
「あぁ…♡旦那様……♡どうか遠慮なさらず、わたくしの初めてを奪ってください……♡」
淫貝を自身の手で開いて、キトカロスは王子の挿入を誘う。王子はその言葉に導かれるままにその剛直を彼女の秘所に突き入れる。
「あぁっ♡あぁんっ♡」
キトカロスの嬌声が一層高くなり、それに呼応するように膣内の締め付けも強くなる。先ほどの二人同時の責めで少し余裕が出てきたと思っていた王子だったが、まだほぐれきってない状態のキトカロスの膣は、想像以上にきつく彼の一物を締め付けた。その締め付けに王子の剛直もさらに硬さを増す。
「はぁ……♡旦那様ぁ……♡もっと遠慮せずに突いてください……♡」
「キトカロスもそう言ってるし……もっと激しくしてあげて……」
キトカロスに覆いかぶさる王子の背後から、咎姫はそう囁くと、彼の乳首へと手を伸ばし、その指で弄り始めた。くすぐったいような気持ちいいような感覚に、王子は身を震わせながらも、その剛直をキトカロスの膣内へと突き入れ続ける。
むしろその突きは徐々に激しいものへと変わっていき、キトカロスの嬌声もさらに大きくなっていく。
「あぁん♡旦那様っ♡旦那様ぁっ♡」
「あなた……私のことを忘れるなんてことはやめてよね……んちゅ……♡」
咎姫はそう呟くと、王子の顔を自分の方へと向けてそのままその唇を奪った。王子もそれに応えるように彼女の唇を貪る。その口付けでさらに興奮の高まった王子は、その腰をより激しく動かしてキトカロスを突く。キトカロスもその動きに応えるように腰をくねらせ、彼女の膣内は王子の剛直をきつく締め付ける。
彼女の身体は興奮の最高潮に達していながらも、体温は低いままであり、そのひんやりとした肌の感触が彼女と交わっているという実感を強める。そのひんやりとした肌の感触と、キトカロスの妖艶な表情、そして二人の姫の淫らで甘い声。そのすべてが王子を絶頂へと導いていく。
それに対し、王子の腰振りはキトカロスを絶頂へ導くようなものではなく、初めてということもあってこの動きに慣れていない。だが、不慣れでありながらも自分を求めてくれるその一物の感触が、キトカロスにとっては愛おしく、そして心地よく感じられた。
「旦那様っ♡もっと身体を密着させてください……♡」
キトカロスの求めに応じて、王子は彼女の身体に腕を回して、その身体を抱きしめ、密着する。彼女の体温の低さが、より強く感じられる。
心臓の鼓動が高鳴るのを感じる。相手にも聞こえているかもしれないとさえ思える。そしてそれと同じことをキトカロスも感じていた。
「……あなた…キトカロスと抱き合うと寒くないかしら……?私が温めてあげるわね……」
キトカロスと抱き合う王子に、咎姫が後ろから抱きついてくる。ただでさえ体温が高い咎姫の身体は、興奮もあいまってさらに熱くなっている。だが、その熱は体が冷えつつある王子にとっては心地よいものだった。
二人の姫に前後から挟まる形となり、二人の漏らす吐息も、嬌声も、そのすべてが王子の耳元で囁かれる。その抱擁によって、その囁き声によって、二人に愛されていることを強く実感し、王子はその欲望のすべてをキトカロスへとぶつけた。
目の前にある双丘を揉みしだき、その先端の乳首を舌先で転がす。その度に、彼女の膣はより強く王子の剛直を締め付けてくる。
「あぁっ♡旦那様……もっとわたくしの身体をお楽しみください……♡もっとわたくしに精を注いでくださいませ……♡」
最後に囁かれたキトカロスの一言。それが王子の欲望の限界を超えた。
途端にキトカロスの膣内に王子の精が放たれる。その射精の勢いは凄まじく、彼女の子宮を一瞬で満たす。
その勢いに呼応するかのように、キトカロスも絶頂を迎え、全身を痙攣させる。
絶頂の快感と、膣で感じる王子の射精。キトカロスはそれらを嬌声を上げて享受し、その幸福感で満たされていった。
「んっ……♡すごい勢いね……そんなに気持ちよかったのかしら……?」
「あっ♡はぁん……♡あぁん……♡」
王子もまた、これまで経験したことのない快楽にその身を浸していた。初めて味わう他人の膣内の感触、そして絶頂。そのすべてがこれまで味わったことのない幸福感を生み出していた。
やがて射精の勢いが弱まり、王子はキトカロスの秘所から自身の一物を引き抜いた。だが、初めてで慣れない動きだったこともあり、王子はベッドの上でへたり込んだ。
「あぁ……♡旦那様のが……♡」
キトカロスは王子の剛直が抜かれた後も、その秘所から精液を垂らしながら恍惚とした表情で絶頂の余韻に浸っていた。
「……あなた、大丈夫?」
咎姫は王子に寄り添い、彼の身体を抱きしめる。そして優しく彼の頭を撫でながら、耳元で囁く。
「初めてであんなに激しく動いたんだもの……疲れちゃったわよね……」
肩で息をする王子を労う咎姫。初めての行為に王子の体力が底をつき始めていることは、彼女の目からも明らかだった。
それほどの自分たちを求めてくれていることに喜びを覚え、彼女の鼓動はさらに高鳴る。
このままでは彼を襲いかねない。そう思って彼女は王子をベッドに寝かし、そのまま添い寝するように自分も横になる。彼の身体を抱き寄せ、その耳元で囁く。
「これなら、あなたも無理に動かなくても気持ちよくなれるでしょう……?このまま、私ともしたい……?」
咎姫は王子と顔を向けあいながらも、視線をそらしてそう口にする。その頬は紅潮し、その息遣いも荒い。キトカロスと王子の行為に当てられて、彼女もまた身体を普段以上に火照らせていた。
しかし、そんな姿を見られることが恥ずかしいのか、彼女は顔を背けて、王子の返事を待つ。
王子はそんな咎姫の想いに応え、彼女の唇を優しく奪い、舌を絡ませる。
「んっ……♡……ん……♡」
キスだけで彼女は甘い吐息を漏らす。脚を王子の脚に絡め、より密着しようとしてくる。王子はそれに応えて、彼女の身体を抱きしめる。
そのまま唇を離すと、二人の唇の間に唾液の橋が架かる。その橋が切れる前に、再び二人は唇を重ねた。
今度は先ほどよりも長く、激しく。舌を絡め合う濃厚なキスは、二人の興奮をさらに高めていく。
「ん……♡はぁ……ねぇ、あなた…私が動いてもいいかしら……?」
唇を離し、咎姫は王子にそう尋ねる。それに対して王子は彼女の乳房に顔をうずめて甘える姿勢をとる。その先端を唇で優しく吸うと、彼女の口から吐息が洩れる。
「んっ……♡もう……そんなにおっぱいが好きなのかしら……?本当に仕方がない夫ね……あなたは……」
そう言いつつ、咎姫は王子の頭を優しく撫でる。彼女の柔らかな胸に抱かれながら、王子は彼女の乳首を舌で愛撫する。その甘い快楽に、彼女は身を震わせる。
「はぁ……♡まったく、あなたったら……もう入れるわよ……?んっ……♡」
咎姫が添い寝の姿勢のまま、王子の一物を自身の淫裂へと導く。そのまま腰を動かしてその奥へと入っていく。
彼女の膣内は普段の彼女の体温よりもさらに熱く、そして愛液で満たされていた。王子のそれが根元まで挿入されきった時にはその愛液があふれ出し、二人の結合部を濡らした。
「…あぁん……♡あなたのが…根元まで全部入ったわよ……♡」
王子は咎姫の問いに応えるように、彼女の乳首を優しく舌で愛撫する。
小さく声を漏らすが、咎姫はそれを隠して王子の身体を優しく抱き、頭を撫でる。王子の落ち着いたような表情を見ると、今度はゆっくりを腰を動かし、抽挿を始める。
「ん…♡あぁ…♡どうかしら……?私のおまんこ……気持ちいい……?」
ゆっくりとした律動で、彼女の蜜壺が王子の剛直を刺激する。彼女の蜜壺はキトカロスのそれとは違い、あくまで優しく王子の一物を愛し、快感を与えていく。その心地よさは、興奮が最高潮にあった王子を安らいでいくようなものだった。
まるで母親に抱かれて眠る赤子のように、王子は咎姫に抱き着き、その安らぎに身を委ねる。
「……あなたがもっと早く素直になってくれたら、こうやっておっぱいを好きにするのだって許してあげたのに……まったくもう……♡」
咎姫は不満を垂れるような口調でそう言うが、その表情は穏やかだった。そして彼女は王子の頭を撫でながら、抽挿を続ける。
口を王子の耳元に寄せ、舌を這わせる。そのむず痒い感覚は、王子をさらに興奮させていく。
「そんなに吸って…別に母乳が出るわけでもないのに……そんなに私のおっぱいがおいしいの……?」
その問いに対し、王子は乳房を吸うことで応える。その行為が愛おしくて、彼女はさらに王子を強く抱きしめる。
「んっ……♡あぁ……♡なら、母乳が出るようになったら…もっとおいしく飲んでくれるのかしら……?」
顔を赤らめ、恥ずかしそうに彼女はそう呟く。自分に甘える夫の姿についそんな妄想をしてしまい、彼女の膣内はより蜜で満たされていく。
王子も王子で、彼女のそんな独り言から妄想が膨らみ、より興奮を高めていく。
「ふふっ……♡それなら、あなたにも頑張ってもらわないとね……あなたにたくさん射精してもらって…赤ちゃんを授からないと……♡」
「わたくしも…産みたいです…旦那様との赤ちゃん……♡」
咎姫の呟きに、いつの間にか復帰していたキトカロスもそう反応する。彼女もまた王子の身体を優しく抱きしめ、その頭を撫でていた。
身体を密着させたまま、キトカロスは咎姫と同じように、王子の頭をなでる。そして先ほどと同じように乳房を王子に差し出して愛撫を求める。しかし…
「だめよ……♡今は私がこの子を気持ちよくしてあげる番だもの……あなたはさっきまでこの子とエッチしていたでしょう……?」
少し勝ち誇った顔で咎姫はキトカロスを制止する。さっきまで自分がお預けにされていたことを少しではあるが根に持っていたのだろう。そう言われてしまうと、キトカロスもそれ以上は何も言えない。少し不貞腐れながらもキトカロスは咎姫の乳房に甘える王子の頬にキスをする。
「キトカロスもまた君とエッチしたがってるみたい…本当に罪な子ね……でも、今は私の番……このまま私を孕ませるぐらいに、いっぱい射精して……♡」
咎姫が腰を動かす速度を徐々に上げていく。王子もまた、咎姫の尻に手を伸ばして、その柔らかな尻肉を揉みしだく。
普段から胸ばかり意識していた王子だったが、彼女の尻もまた魅力的であった。乳房とはまた違った、少し筋肉の固さを感じるが、その分も見ごたえがあり独特の心地よさがあった。
「んっ……♡はぁ……♡ふふ……お尻も好きに触ってくれていいわよ……♡あなたは私の夫なの……子づくりをするためなら…私の身体を自由にしてくれていいの……♡」
「咎姫様もわたくしと同じぐらい、旦那様のことを愛していますから……これからはいつでも旦那様をわたくし達二人でお相手いたしますね……♡」
背後のキトカロスも耳元で甘く媚びるような声で王子にそう囁く。二人から愛されている。その事実を改めて感じ、王子は二人のことをより愛おしく、そしてこの二人を離したくないという強い独占欲が沸き上がる。
「あんっ♡また……あなたのが大きく……♡」
王子の剛直が、咎姫の中でより大きさを増す。その感触に彼女は絶頂へ近づく。そして王子もまた、彼女から伝わる快感で限界が近いことを感じ取る。
「……ねぇ……あなた……♡好きよ……♡愛してる……♡いい妻になって見せるから……口数も少なくて、不愛想だけど…絶対にあなたを満足させてみせるから……♡だから……」
自身の乳房から王子の頭を放し、咎姫は王子の唇に自身の唇を重ねる。そして、潤んだ瞳で王子をまっすぐ見つめながら、愛の言葉をささやく。
「私の中に……たくさん出して……赤ちゃんを孕ませて……♡」
その言葉で王子の我慢は限界を超える。咎姫の身体を強く抱きしめ、剛直を彼女の奥へと突き入れると、そのまま彼女の中へと劣情を吐き出す。
咎姫もそれを受け止めて絶頂へと達し、身体を痙攣させる。
「んんっ♡……あぁ……♡……ふふ……いっぱい出してくれたのね……♡」
絶頂の快感で蕩けた、しかし王子を愛おしむその表情で、咎姫は王子の頭を撫でる。
「旦那様……♡むちゅぅ……♡」
キトカロスも、そんな二人の様子にたまらず王子に抱き着き、その唇を奪う。絶頂直後で息苦しかったが、それでも構わず彼女の口内を舌で愛撫する。そして、王子の剛直は膣内で蠢き、吐精を続ける。彼女の子宮に自身の精液が流し込まれていくのを感じながら、二人は余韻に浸っていた。
「旦那様……まだできますよね……?はしたないことは重々承知しているのですが…お二人の睦み合いを見て……また、わたくし……」
「それなら私も…いっかいだけじゃあかちゃんもできないだろうしてん……ね、ダメかしら……?」
咎姫が王子に抱き着いたまま、キトカロスも王子の身体に寄り添ったまま、そう囁く。
そんな二人の言葉に、一度吐精したことで興奮が冷めたはずの王子も再びその興奮を昂らせる。
「今度は…あなたが動いて……♡」
「わたくしたちの子だくさんの幸せな家庭を作りましょう……♡」
両手を広げて王子の身体を受け止めようとする二人。王子はそれに頷き、再び彼女たちの身体に欲望をぶつけるのだった。