漁師の最近の日常

 漁師の最近の日常

8歳差ルウタたまらんマン

ここ最近 おれには悩みがある それは…


「ルーフィー!! おっはよー!!!」


……これだ


おれのいるフーシャ村に滞在している『赤髪海賊団』 本来は偉大なる航路やその先の新世界にいてもおかしくない強豪海賊団なのだが、何故か今はこの東の海にいる


その赤髪海賊団の船員、“音楽家”の“ウタ”がおれの悩みの種だ


先日赤髪海賊団が上陸してきた際に山賊に拐われそうになった所を助け、“仲直り宴”と称した大宴会に巻き込まれてからというもの物凄い懐かれた


朝には持ち前の肺活量を活かした特大ボイスで叩き起こされ、昼には釣りを見学され、夜には宴に巻き込まれる


可愛いし歌も上手いのにどうしておれなんかに付き纏うのかと日々頭を痛めているのが現在のおれの悩みだ


「……? あれ? まだ起きてないのかな スゥ~…」


「だぁー! もういい! もう起きてる! 近所迷惑だろうが!」


「あっ 起きてた おはよう!ルフィ!」


「…… はぁ… おはようウタ」


―――


「ねぇルフィ 今日は何をするの?」


「今日も釣りだよ これぐらいしかやることもないからな」


「マキノのところにいけばいいのに! シャンクスたちも一緒だよ!」


「おれは漁師だ! 海賊と違って真っ昼間から呑んでる暇はねぇ」


「ふーん つまんないの」


……ここ最近毎日この感じだ 朝からウタを引き連れて釣りをし、ズルズルと流されるようにマキノのバーへ行き宴に付き合わされる


おれに平穏の日々は訪れるのか… 不安だ…


「そういえばルフィ! そろそろシャンクスが次の航海に出るって!」


…案外運が残っていたらしい


「ほんとか? どこにいくんだ?」


「うーん 詳しい場所は聞いてないんだけど、ここら辺の海域を周ってなにか面白そうな場所がないか探すんだって」


「そうなのか! フーシャ村には戻ってくるのか?」


「うん! しばらくはここを拠点にするんだって!」


……前言撤回 運が尽きたらしい


「そ、そうか… まぁ居心地がいいんならよかったじゃねぇか…」


「次はどんな冒険がまってるかな〜 そうだ!」


「ん?」


「ルフィも次の航海に参加しなよ! きっと楽しいよ!」


「はぁ!? 何言ってんだ急に!?」


歌姫からとんでもない爆弾発言が飛んできた…


「赤髪海賊団のみんなも許してくれるよ! ルフィが船に乗れば航海ももっと楽しくなる!」


……毎日のようにあいつらに冷やかされる地獄の航海になるのが目に見えてる


「……なぁウタ おれはこの村を離れるつもりはねぇよ」


「えー!! どうしてー!?」


「おれはこの村の漁師だ 魚を捕まえて村のみんなに分け与えていく義務がある お前だって海賊団の船員としての役割があるだろ? そういうことだ」


「むぅ… それはそうだけど…」 


なんとも納得してもらえない感じだ……


「それにな おれはここの村を守るように任されてるんだ 簡単には離れられねぇ」


「そ、そうなの…?」


「この村はな おれの爺ちゃんの故郷なんだ 海賊や山賊からこの村を守るためにおれはここで漁師をしてるんだ」


「そうなんだ… むぅ〜…」


 納得いかない感じで歌姫様がふくれっ面になってる… こういうところは可愛いんだがなぁ…


「だからおれはこの村を離れない わかったか?」


「でもぉ〜… ……そうだ!ホンゴウやベックがこの村に残ってくれればルフィも安心して航海に出れるね!」


「おいおい… 船医にコックが村に残ったら航海はどうするんだよ…」


平穏な日々は暫く訪れそうにない……

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