温泉旅行3-2
774-1懐かしい気分になりつつも風呂から上がり、今は遊戯室。
ご自由にお取りください。そう書かれた紙が貼られた冷蔵庫からコーヒー牛乳を飲みながら、部屋を見渡す。
卓球用のスペースやパチンコっぽいやつ、格ゲー台など、何処かで見たようなものが一式揃っていた。
それにしても、インベーダーゲームのテーブル筐体とか初めて見た。
「お待たせしました」
全然待ってないよ。
どうやらモルガンも上がったらしい。
返事を振り向くと、少し絶句してしまった。
元々美形や可愛らしい人が多い英霊たちだが、モルガンは妖精の血も入っているからか、その中でも際立った美人の1人だ。
そんな彼女が浴衣を少し着崩し、少し濡れた髪を後ろで一括りにまとめ、温泉で火照って赤らんだ顔を向けているのだ。
そりゃあ男なんだし、少しは見惚れるとも。
コレで無反応だとしたらそれは不能か、重度のロリコンかホモだよ。
「では、行きましょうか」
彼女がそれに気づかないわけはない。
見なかった事にしてくれた事に感謝しつつ、一緒に部屋へ向かう。
昼食のときに部屋に運んでもらうと言っていたが、そんな足音や物音はしなかったけどな......
そう思いながら部屋に戻ると、かなり豪勢な和食が用意されていた。
温かいものからは湯気が上がるほど、刺身も先程捌いたばかりのように瑞々しく煌めいている。
まるでたった今、出来上がったばかりの料理を並べたように。
「では、いただきましょう」
そう言って座椅子にかけ、こちらにもいつまで立っているんだという感じの目を向けてくる。
座ると、お櫃から適量ご飯をよそって渡してくれる。
このご飯もツヤツヤふっくらで、お櫃に移してからちょうど良い時間経っているのか、程よい温かさ。
椀もののしんじょも、食べると出汁がジュワッと溢れ出る。
皮のついた鰤を炙ったのか湯通ししたのか......よくわからないやつも旨みがギュッと凝縮され、とにかく美味しかった。
大根の煮物も芯までしっかりと出汁が染みており、箸で割れるほどの柔らかさ。
天ぷらも揚げたてようにパリッとし、油のくどさもない。
茶碗蒸しもスルスルと口当たりよく、舌の上でとろける。
最後に温かい緑茶と水饅頭。
疑問に思う事は多いけど、とりあえず美味しかったです......!
ごちそうさまでした!
「ごちそうさまでした」
次回予告
何故かメイヴ大監獄に不当に収監されてしまった私!
「温泉で火照った顔で、あんなに物欲しそうな瞳を見せてくるとは......誘っていると見て間違いない、実質合意であり、よしんば合意してなくても責任は半々といったところだと思います」
誰もが無罪と判断するに違いない完全な弁護したのに......
しかし、この程度で諦める私ではありません!
この不法逮捕に物申し、悪の監獄長にチーズを叩きつけるため、脱獄を開始する!
次回『我が夫との新婚旅行記』
第4話『モルガン式解錠術』
風呂も食事も済ませ、あとはベッドインだけですよ我が夫!
※次回にベットインはないし、なんなら閲覧注意はありません