温泉旅行1-1
774-1最近は何というか、トラブル続きで忙しかった。
何人かのサーヴァントが突然トラブルを引き起こしたり、極々微小な特異点反応が感知されて緊急配備になったり、存在すら忘れてた書類の締切が迫ってたり...
そんな色々がさっきようやく片付いて、今は食堂のテーブルに突っ伏していた。
徹夜もあったから寝ようと思って自室にも行ったのだが、普段なら起きている時間ということもあって上手く寝れなかったのだ。
「我が夫、ここにいたのですね」
...モルガン?
御飯時から少しズレた時間なのもあって、仕込みをしているエミヤ達以外に人がいなかった食堂で声をかけられた。
どうやら自分のことを探していたようだ。
「眠れないのですか?」
...うん
彼女はトラブル解決や、特異点消滅まで待機など、一緒に働いていたサーヴァントの1人だ。
凛と立つその姿からは、数回の徹夜や駆けずり回っただけで疲労困憊になっている自分とは違い、疲れすら感じ取れない。
「丁度いい。
少しお時間をいただきます」
そう言って床を杖を叩くと、視界が塗り変わっていく。
気づくと彼女の部屋にいた。
空間転移。
本来の令呪ならなんとかできると聞いたすごい魔術らしいのだが、彼女はいとも簡単にできるようだ。
「この間少し面白いものを見つけまして、見ていただこうかと」
彼女が面白いとは、一体どんな物なのだろうか?
そんな好奇心を刺激され、彼女の元に歩いていく。
「ところで、夏のことを覚えていますか?」
夏?
確かハワトリアで同人活動の手伝いや、祭神、ワンジナなど色々なトラブルに巻き込まれたが、楽しいバカンスだったと思う。
それがどうかしたのだろうか?
「あの一件で、私は理解しました。
我が夫を誘うなら言葉をかけるより、実行した方が早いと」
...私は、幻術も使えるのですよ?
彼女がそういうと、周囲の景色がバラバラと剥がれていく。
転移先は彼女の部屋ではない?
なら此処は一体!?
そう思いを巡らせるより早く、今自分がいる場所がどこか理解した。
レイシフト用のコフィンの中にいる。
そしていつ着替えさせられたのか、レイシフト用のスーツに着替えさせられていた。
「ええ、こうしてしまえばよかったのです」
出ようと何かをする暇もなく、レイシフトが始まってしまった。
彼女は一体、何をするつもりなのだろうか。