海兵ルウタとREDの世界線との邂逅6
海賊ルフィと歌姫ウタは184戦目の勝負に挑む事になった。
ライブはどうしたのかとツッコミが入る前にトイレ休憩にされた。
「それでいいのか歌姫」とツッコミが無かったのが奇跡だった。
「えーっとルフィ…?勝負って?」
「昔からウタと勝負して対決してたんだ。身長対決とかチキンレースとか」
「あんたもそうなの?」
「ああ、おれが565連勝中だ!」
海賊ルフィは音符の束に包まれてウタによって強制連行されていった。
残されたナミは、五線譜に捕まっている海兵ルフィに勝負について尋ねた。
彼は嬉しそうに連勝記録を言うが、海兵ルフィの方が圧倒的に数が多かった。
『もしかしてこのルフィはウタと一緒に過ごしてるの?』
海兵によって育てられたナミは、海賊じゃないルフィに新鮮さを感じていた。
彼の発言が正しければ、ウタとはかなり親しい仲であろう。
一方で、並行世界の自分がどうなっているのか気になって来た。
「ところで私って知ってる?」
「おれの知っているナミは海軍で航海士になる為に頑張ってるぞ」
「…って事はアローンは?」
「ああ、おれがぶっ飛ばしてやった!」
並行世界でもルフィに救われたと知ったナミは嬉しそうに笑った。
身分は違うけど中身は変わらないと知って安心したのもある。
「今日の種目はこれ!チキンレース!!早く食べた方が勝ちね」
「うわっ!懐かしいな!!」
無数の音符で50mの足場を作ったウタは、ローストチキン5つを2セット召喚した。
ルールは簡単、皿にある5つのチキンを先に食べた方が勝ち。
だが、このチキンレースは独特のルールが追加されていた。
「でも足りないのが…」
「大丈夫、ちゃんと用意するから」
ルフィの心境を察したウタが両手を叩いて掌から音符を大量召喚した。
その音符は2人から50m後方に集ってウタマークを付けた牛を創造した。
このチキンレースは、逃げ遅れた者が牛にぶっ飛ばされるというものだ。
「ルフィ訊きたいんだけど?」
「ん?どうした?」
「チキンレースって普通、1秒でも長く残った方が勝ちじゃないの?」
ロビンはその様子を見て疑問に思った事を海兵ルフィに質問した。
一見するとチキンレースは、どれだけチキンを早く食べるか競うものだろう。
ところがわざわざ猛牛を用意したって事は、別の意味のチキンレースを彷彿させた。
先に逃げるのが“チキン”であるならば、根本的にルールが破綻してると気付いた。
「いわゆる【勝ち逃げ】って奴だ!」
「勝ち逃げ?」
「美味しいチキンを食べて猛獣から逃げ切る!良い所取りだろう?」
「…そう、ありがとう」
ロビンは愉しそうな彼らの幼少期を思い浮かべて笑ってみせた。
彼女の人生は2年前まで孤独としか表現できなかったからこそ…。
彼の話を聴いて『羨ましい』と同時に『やってみようかな』という感情を抱いた。
もちろん、サンジがそれを知れば必死に止めるのを自覚したからこそ笑みが零れた。
「「3、2、1!スタート!」」
チキンレースの準備が整った2人は、呆然とする観客を尻目にレースを開始した。
海賊ルフィと歌姫のウタは仲良くカウントダウンをして肉を食べ始めた。
一口で3つのチキンを食べた彼は、もう1つの肉を味わうように噛み締める。
ウタもあり得ない速度で食べているが、まだ3つの肉が残っている。
『昔より早い!!こうなったらいつもの…』
ウタは掌からオレンジジュースが注がれた巨大なコップを創造した。
「はい、どうぞ」
「おっありがとうな!」
それを最後の肉を食べようとゆっくりと手を伸ばしていたルフィにプレゼントした。
ちょうどいつものようにジュースを飲みたがっていた彼は遠慮なく受け取った。
それがウタの罠だと分かっていながら無意識にやってしまった。
「モオオオオオオウ!!」
「うぎゃあああああああっ!?」
ルフィがジュースを飲んでいる間、チキンを完食した歌姫は土台から飛び降りた。
一方、ルフィは最後の肉を喰った瞬間、猛牛にぶっ飛ばされて場外に飛び出した。
「ルフィが吹っ飛んだ!ウタが勝ったんだ」
「ウタの勝ち!」
ウソップとチョッパーは歓声をあげて試合の結果に満足した。
だが、その結果に満足していない男が居る。
「ずるいぞウタ!今度こそ勝ってやる!」
「やいー!負け惜しみぃ!」
過去に海賊のルールに卑怯も糞もないって発言したルフィは本気で悔しがった。
それを見たウタは、彼を挑発するように魅せ付けるように掌を動かした。
「ふん、幼馴染が居るなら先に言えってつうのに」
「なんだマリモ野郎?そんなに羨ましいのか?」
「一緒に居る時間を大切にしてやれ…そう言いたかっただけだ」
「……そうだな、今回ばかりはおれも同意するよ」
ゾロは幼馴染の夢を両肩に背負って世界一の剣豪になろうとしている。
だからこそ、寂しそうに見えたウタが元気になったのを見て酒が進んだ。
ゾロの過去を知らないサンジも彼の顔を見て珍しく同意するほどである。
「海賊のおれ、思いっきり最後、手を抜いてたな」
「あんたも同じ事をやったんじゃないの?」
「違う!おれもジュースで何度もやられたけどあんな惨敗じゃねぇぞ!」
海兵ルフィは、客観的に自分の今までの勝負を見てしまい本音が飛び出した。
それを見たナミは煽るように告げると彼はムキになって反論した。
どう見ても海兵ルフィが同じことをやっても結果は変わらないだろうな。
横で聴いていた麦わらの一味は、概ね同じ事を考えていた。
「ただいま!肉は残ってるか!?」
「おう、まだ残ってるぞ」
「チキンを喰ったら肉を食べたくなった!お代わりするぞ!」
「まだカレーもあるって言うのに少しは我慢しろよ」
海賊ルフィは悔しさで肉をやけ食いする為に戻って来た。
海兵ルフィも拘束された身でありながら首と両腕を伸ばして肉を食べていた。
「首を伸ばす必要あるのか?」
「この世界のおれは、肉を食べる時に頭だけ後ろに下がって食べるのか」
「そんな食べ方しねぇぞ」
「おれもそうだ。だからこうしてる」
「なるほど」
客観的に聴くと意味不明な海兵の言葉に納得したルフィは再び肉を食べ始めた。
肉の消費量が桁違いになったと感じたサンジは額に手を当てて悩んでいるようだ。
「このコック、サンジだよな?」
「そうだぞ」
「海兵に誘っておけば良かったな。こんな美味しい物が食えて羨ましいぞ」
「おれの自慢のコックだからな。もっと食べていいぞ!」
「これ以上はいいや!部下たちが待ってるしな!」
しかし、部外者として意識しているのか。
それほど海兵ルフィは肉を食べずに満足したようだった。
なにより、あのウタは自分で知っているウタじゃない。
ならば、自分の帰りを待っているウタに急いで戻るつもりだった。
「ルフィ!私が勝ったんだから教えて欲しい事があるの!」
「おれは負けてねぇけどいいぞ!」
「シャンクスはどこ!?」
「「しらねぇ!」」
ウタは最後にシャンクスに逢いたかった。
自分を置いて行った薄情者だが、さすがにライブをすれば来てくれるだろう。
確証は持てないが幼馴染が来てくれた以上、きっと来てくれると信じている。
そこで話す内容を決めていた彼女は必死にルフィに喰らい付いた。
「じゃあ、その麦わら帽子は何!?」
「「シャンクスから預かってる」」
ウタはルフィに質問すると同じ答えが2回返って来た。
この時点で頭が痛くなってくるが、逆に説得力がある。
シャンクスは自分の代わりにルフィを利用しているという事を!
『このままじゃルフィが私の二の舞に…なんとかしなきゃ!』
幼馴染として断固としてそれを阻止しないといけない。
ルフィが取り返しのつかない過ちを犯す前に止めるつもりだ!
「ねぇねぇルフィとウタはどこで知り合ったの?」
「「こいつはフーシャ村にシャンクスと共に来たんだ」」
「話がややこしくなるから海兵さんは静かにしてくれない?」
「えー!いいぞ!」
もしかしたら自分とウタの出会いが違うかもしれないと思った海兵ルフィ。
ナミがこの世界のウタとの出会いを訊き出しているのを聴いてあえて黙った。
海賊ルフィはウタとの出会いやエピソードを簡潔に告げた。
それは、海兵ルフィにとっても大体同じ内容で安心した。
一方でウタはその話を聴いていてそこまで懐かしんでいない様子だった。
「なんでそんな話をしてくれなかったんだよ!!」
「だってきかれてないし…」
「オイオイ!そりゃあねぇだろう…」
サンジとゾロはルフィがそんな大切な過去を告げなかったのに衝撃を受けた。
それと同時にもしかしたら『母親もなんかあるんじゃねぇか?』疑惑が発生した。
この時ばかりは息の合うサンジとゾロはその質問しようとした。
しかし、次の放ったルフィの一言で幼馴染と、もう1人のルフィの顔色が変わった。
「そういえばお前、いつの間にか居なくなったよな?」
「えっ?そうなのか?」
ウタとの楽しい思い出を話した海賊ルフィは首を傾げて疑問を呈した。
そこで声を漏らしたのは海兵ルフィだった。
ずっとウタと一緒に成長してきた彼には信じられない事である。
「なんか海兵ルフィが違う反応を示したぞ」
「ふむ、おそらくそこが分岐点で海兵になったんじゃろう」
ウソップは海兵ルフィを見て食い違いがあると分かった。
ジンベエも海兵と海賊になる分岐がそこで発生したと考察した。
「ウタ、なんで赤髪海賊団の船を降りたんだ。あんなにシャンクスが好きだったろ」
「海賊より歌手になりたかったから!私、2年間でこんなにファンができたんだ!」
ウタはライブ会場のみんなを示すように両腕を広げた。
音楽の都だったエレジアに特設されたライブ会場に居るのは約5万人。
映像配信でパトロンになってくれた人々のおかげでここまでの規模になった。
他にも世界中のファンが映像配信で自分の作る“新時代”を応援してくれる。
それだけが救世主に仕立て上げられたウタの唯一の救いだった。
「でもシャンクスに置いて行かれた時、散々泣いたじゃねぇか」
海兵ルフィの放った一言が強がっている少女にクリティカルヒットした。
ウタの脳裏には、焼き尽くされて黒煙が登る地獄絵図の中で泣いている自分。
無力さ、悲しさ、孤独さ、裏切り、あらゆる負の感情が脳内を駆け巡った。
『シャンクス!!なんでだよ!!置いて行かないでぇ!!』
目の前には、大海が遮って“レッド・フォース号”の背後が少しずつ遠ざかっていく。
まるで泣き叫ぶ少女を嘲笑うように財宝を山ほど乗せて後ろ姿で笑う赤髪海賊団。
12年前の出来事であるが、ウタはしっかりと記憶として焼き付いている。
一瞬だけ歯を噛み締めたのを見た海兵ルフィはそれ以上の発言をしなかった。
「ふーん。海兵のおれもいろいろあったんだな」
「ああ、たくさんあるぞ…まずはな」
「それよりルフィ!」
「「なんだ?」」
「海兵さんは少しだけで良いから静かにしてて」
「むーーー分かった」
これ以上、変な事を話される前にウタは海兵ルフィを口止めした。
話の流れからどういうわけか並行世界のルフィだと分かった。
しかし、彼女が知りたいのは、この世界のルフィがどうなっているのかという事。
「ルフィは今、何やってんの?」
「決まってんだろう!海賊だ!」
「……そっか、海賊か」
ルフィが海賊になったと知って一瞬だけウタは黙り込んだ。
かつて彼が海賊として大成しようとすると思った彼女は複雑な心境である。
「ウタちゃんのライブまだかな?」
「まだライブをやるみたいだし、もう少し待ってようか」
「いいなあいつら…プリンセス・ウタと仲良くやってて…」
「どう見ても、あの海賊団にしか見えないんだがな…」
急遽、トイレ休憩と言う事で20分間以上、ライブを中断している。
当然、ライブに参加した観客たちは今か今かと再開を待っている。
「やっぱり、“五皇の海賊”よね?」
「まさか…缶バッチを貰う為にコスプレをしてきた集団じゃないのか?」
「シャボンディ諸島じゃ偽者が居たっていうしな」
この世界における“麦わらの一味”は観客…いや市民から好かれていない。
むしろ、傍若無人で暴れ回り大海賊時代を悪化させた海賊団という認識だ。
治安を守る世界政府三大機関の全てで大暴れした海賊団など好かれるわけがない。
精神的に追い詰められたウタが“新時代計画”を思い立った遠因でもあった。
「ああ、海賊王になるんだおれは!」
海賊ルフィは久しぶりに逢った幼馴染にかつての夢を諦めて無いと告げた。
ウタとは違う方向だが、【新時代】を作る為に彼は今日も頑張るつもりだ。
「…ねえルフィ。海賊辞めなよ」
ウタの放った一言は、さきほどまで笑っていた海賊ルフィの心に致命傷を与えた。
シャンクスとウタに何かあったと知っているからこそ、彼は踏み込む気はない。
見聞色の覇気で観客に自分が注目されていると悟った彼は無言になった。
「おいウタ!おれは海賊になるのを諦めてお前と一緒に海兵になったぞ!」
「話がややこしくなるからあんたは…今なんて言ったの?」
なんとしても海賊を諦めさせたいウタに空気を読まない男の声が届いた。
何度も約束を破ろうとする男に念入りに注意するつもりのウタは硬直した。
ルフィが夢を諦めたばかりか、自分が海兵になったというのだ。
すぐに詳細を訊く事にした。
「私が海兵になったの?」
「そうだぞ!17歳の誕生日に海兵になったんだ。おれもついでに付いて行く事に…」
「待って、待って!あんたの所のウタってずっと一緒だったの!?」
「そうだぞ、9歳の時にフーシャ村に置いて行かれたウタとずっと一緒だ!」
並行世界の自分がルフィと一緒に居たという事実は彼女の精神を歪めた。
孤独で10年間、死んだように生きて来た音楽関係が一流なだけのウタ。
新型映像電伝虫を拾うまで彼女はゾンビのように這いずり回っていた。
なのに並行世界のウタは幸せのようだ。
嫉妬しないわけがない。
『私がこんなに孤独で苦しんだっていうのに何それ!?』
『ずるい!ずるい!私だってルフィと一緒に居たかった!』
『歌をみんなに披露して褒められたかった!!愛されたかった!!』
世界一の歌姫となっても彼女の心は癒される事は無かった。
むしろ、影響力が出てしまったせいで取り返しのつかない事になった。
彼女は、ある事件の真相を知ってからずっと現世から逃げたいと思っている。
だが、今の話を聴いて並行世界のウタに嫉妬どころか殺意が湧いた!!
「…って事は、あんたの所のウタってすぐ近くに居るの?」
「ここに上陸したのはおれだけど!軍艦で帰りを待っているんだ」
よりによって海軍に所属した並行世界のウタは未だにルフィと一緒に居た。
その事実は、ゴードンさんしか10年以上対人関係が無かったウタを激怒させた。
『帰さない!海賊のルフィも海兵のルフィも!!私と一緒に暮らすの!!』
幼馴染の描いた麦わら帽子、それは彼女が全てを信じられなかった時の希望だった。
赤髪海賊団の思い出に縋れないせいでフーシャ村の少年の思い出しか縋れなかった。
左腕のアームカバーに“新時代のマーク”にして残すほど彼女は依存している。
だからこそ、お気楽に生きている並行世界のウタからルフィを奪おうと画策した。
「ルフィもそこのルフィも一緒に暮らそうよ」
「うん?」
「友達のみんなも私のファンなんでしょ!?一緒に楽しもうよ」
現実世界でネズキノコを食べたウタに異変が起き始めていた。
精神のコントロールが次第にできなくなっており、感情を剥き出しにし始めた。
それでもまだ身体に異変がないせいで、異常に誰も気づいていない。
海兵ルフィですらも低い声で囁いた彼女の本心を理解することができなかった。
「ちょ、ちょっと待てよルフィ!どこに行く気!?」
海賊ルフィがせっせと肉を口に詰めて飲み込むと立ち上がって出て行こうとした。
それを見たウタは彼に縋るように呼び留めた。
「ウタ、久しぶりに逢えてよかった!おれ、サニー号に帰って寝るよ」
「はあぁ!?」
「お前もやりたい事やってるって分かったし満足したから帰るよ」
海賊ルフィは、ウタが変わったと理解してしまった。
だが、楽しくライブをやっていると知って安心した彼はこの場から去ろうとした。
海賊の自分が彼女に迷惑をかけると思って、彼なりに考えて譲歩した結果だった。
彼女を気遣った選んだ選択肢が彼女を破滅させるとは知らずに…。
「そうだな!おれも帰りてぇ!ウタ!そろそろ解放してくれないか!?」
「ま、待って!!まだライブはやるの!!もう少しだけ楽しんで行こうよ!!」
「だってさ、おれらが居るせいでライブの邪魔をしてるじゃねぇか…」
海兵ルフィもこの世界のウタのライブを邪魔していると気付いていた。
ライブを妨害した海賊たちは五線譜に貼り付けにされており無力化されていた。
なので彼は、さっさと彼女のライブをやってもらって満足して寝てもらうつもりだ。
何故なら、このウタが寝ない限りウタワールドから開放されないのだから。
「そんな事ない!!なんでルフィは…2人とも私から去ろうとするの!?」
ウタから見れば、赤髪海賊団の様にルフィに置いて行かれるようであった。
せっかく再会したのに彼らは自分の元から去っていく。
今まで誰にも縋れなかった彼女が最後に人に縋れるチャンスだった。
袖にされてもなお、彼女が放ったSOSは、事情を知らないルフィたちに届かなかった。
「そうだな、船長が帰るならおれらも帰るとするか」
「なんで…?」
「だってよ!おれたち海賊なんだ。プリンセス・ウタに迷惑をかける前に…」
「私のライブは平等なんだよ?海賊を辞めてみんなで楽しもうよ?」
「そりゃあ、無理な注文だな」
ルフィの真意をくみ取ったゾロも空き瓶を回収して帰り支度を始めた。
ウソップもライブを楽しんだが、これ以上参加するのは諦めた。
誰もが『海賊である』自分達のせいで彼女に迷惑をかけると思ったからだ。
それはウタに備え付けられた爆弾の導火線にガソリンを撒いて火を放つ行為だった。
『二度と行かせない!!逃がさない!!みんな、私と一緒に居るべきなの!!』
ウタは死んでもこの世界を守るために生き続ける。
でも、孤独になりたくない彼女は唯一張り合えるライバルを逃がす気はなかった。
その友達も!観客も!!上空に捕えた海賊ですらも現世に帰す気はない。
彼女は世界一の歌姫らしくない笑みを浮かべて帰ろうとする集団に見せつけた。
海兵ルウタとREDの世界線との邂逅7に続く