海のプリンセスの贈り物

海のプリンセスの贈り物

モテパニ作者

みなみ「はい兄さん、私からのバレンタインチョコ」

拓海「ありがとな、じゃあこれは俺から」

みなみからチョコを受け取ると、拓海も水色のリボンが巻かれたチョコの包みをみなみに渡す。

みなみ「私この日に男の人からチョコレートをもらったの初めて。ホワイトデーならチョコを使ったお菓子をもらったことがあるけれど」

拓海「俺にはバレンタインってどっちかというと渡す日だからなぁ」

みなみ「それは和実さんに?」

拓海「ああ、まあゆいだけじゃなくて仲良いやつとかよくしてもらってる人とか。…それにしてもゆいが苗字で呼ばれてるの慣れないなぁ」

拓海が知る限りではゆいの周りでは敬称を付ける事はあれどゆいを名前で呼ぶ者が大多数だ。

拓海がゆいと同級生であったならゆいが苗字で呼ばれるのを聞く機会はもう少し多かったのだろうが、あいにくその機会は少なかった。

なのでみなみは初めて拓海に近しい人物の中でゆいを苗字呼びする相手だった。

みなみ「ごめんなさい、以前にも言ったけれど同じ名前の友人がいて。どちらを優先するという話でもないのだけど」

拓海「いいよ、俺が慣れないってだけだ。そういえば母さんから聞いたけど家族とかにもチョコ送ってるんだっけ?」

みなみ「ええ、家族はもちろん友人にもね。さっき話したゆいさんにも」

〜〜〜

はるか「ゆいちゃーん!みなみさんからチョコレート送られてきたよー!」

七瀬ゆい「うん、嬉しいね。…わたしたちも贈ればよかったね」

はるか「…うん。それが申し訳ないよー」

一方のノーブル学園の女子寮ではみなみからのチョコが話題の元だった。

そんな二人の会話に加わる者達が。

せいら「まあ仕方ないって。みなみ最近住んでる場所変えたみたいだし」

はるか「副会長さん!」

七瀬ゆい「はるかちゃん今は会長さんだよ」

はるか「あ!ごめんなさい!」

せいら「いーって、春野さん達にとって会長はみなみなんだから」

あやか「春野さんたちもいただいたんですね。私たちいただいたんです。男子の方だと生徒会の繋がりで今川君と小芝君も貰ったそうですよ」

せいら「ま、さすがに全校生徒には配れないから学園で貰ったのはわたし達くらいみたいだけどね。それより一緒に入ってた手紙はもう読んだ?」

はるか「あ!まだです!それじゃ読んでみよゆいちゃん!」

七瀬ゆい「うん」

〜〜〜

きらら「海外のきららにもくれるなんてほんとマジメだなーみなみんは」

そして海外でモデル活動をしているきららにもチョコが届く。

届いたチョコを食べながらみなみが近況をまとめた手紙を読んでいた。

きらら「ふーん。おいしーなタウン、か」

〜〜〜

トワ「お兄様!わたくしたち今仲間外れになっている気がします!」

カナタ「女の勘ってやつかな?鋭いんだねトワは」

さすがにホープキングダムへは送れなかった。

〜〜〜

場所は再びノーブル学園の敷地に戻る。

シャット「バレンタインか、くだらぬ」

ロック「愛しのプリンセスから貰えないもんね〜」

シャット「黙れロックゥ!」

ノーブル学園の用務員となったシャット。己の身につけたマフラーに揶揄われていた。

想い人と世界を隔てているシャットにとってバレンタインはあまり愉快では無いイベント…

白金「寮母の白金です」

シャット「ふぉぉっ!?」

シャットがロックに気を取られていると、突如寮母の白金さんが現れる。

いつものことだが本当に急に出てくる。

白金「作業は順調ですか?」

シャット「あ、はい。もうすぐ終わります」

白金「なによりです。それからこちらを、本日はバレンタインですのでシャットさんにもお一つ」

シャット「あ…ありがとうございます」

白金「それでは」

そして去って行く。

ロック「よかったじゃん、チョコ貰えて」

シャット「まあ、これに関しては感謝するのみ」

〜〜〜

ダークドリーム「みなみのチョコ美味し過ぎるでしょ!?」

拓海「なんかすごいいいやつらしいな」

ダークドリーム「いいの?私があげたの一人あたりに割ったら200円もしないんだけど」

拓海「まあ…こういうのは気持ちだからな…金の話したら俺のなんて割ったら100円もしないし…金の話は辞めよう。誰も得しない」

ダークドリーム「あ、うん」

ダークドリームと拓海はホワイトデーも頑張ろうと誓うのだった。


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