母性という感情

母性という感情


夜中のサニー号仮眠室に、一人の女がベッドで寝転がり、難しそうな本を読みながらウタの持ち歌である風のゆくえを口笛で吹いていた。

その女トトは、船長であるルフィから定期的に『あること』を頼まれてはこうして仮眠室を使っていた。

ガチャッ

「ふーッ!仕事終わった終わったー!待たせたなトトー!」

「ノックぐらいしたらどうじゃルフィ?」

ノックをせずに入ってきたルフィに軽く小言を入れた後、トトは仰向けに向きを変える。

「ほれ、俺は準備できておる。こい。」

「おう!(バフン)柔らけ〜!おやすみトト〜!…むにゃあ…」

トトが誘うとルフィは迷うことなくトトの豊満すぎる胸に顔を埋め、その温もりと柔らかな感触を感じながら深い眠りについた。

ルフィは寝つきが悪い時はいつもこうしてトトと一緒に添い寝していた。ルフィが言うにはトトの胸は柔らかくてあったかいから安心できると言われたが人の感情が未だ理解できていないトトには分からないことだった。

冬島に近いせいか、外気が冷たく感じる環境なのもありトトにとってはありがたくここ最近頻度が多くなっていた。

「むにゃ…はむ…」

「ん?またか…」

胸に感じた感触でトトは、胸元のルフィを見るとルフィがトトの胸を服越しに吸っていた。トトから指摘されたことがないルフィは知らなかったが、ルフィは眠ると必ずというくらいトトの胸を吸う癖があった。人ではないトトは感触は感じても感覚はなかったので快楽を感じることも痛みを感じることもなかったため、特に指摘する必要はないと判断していたからだ。初めてそれをされた次の日、気になったトトが本で調べた結果、よく分からなかったがどうやら母性というものを無意識に求めてるのでは?という結論に達した。

「よいしょ…」

トトはパジャマ代わりにしてるTシャツを首元まで脱いで胸を露出させるとそのままルフィに吸わせさせた。服を汚すと面倒だからだ。

ルフィは、直に感じるトトの柔らかな胸と体温に反応し、眠ったままより顔と手をトトの胸に埋め胸を吸い続けた。

トトはその様子を見つつ、起こさないように注意しながら優しくルフィの頭を撫でる。最初はなんとも思わず、見続けるだけだったトトだったが、やがて心の中でそんなルフィに対してモヤモヤしたよく分からない感情が芽生え出し、頭を撫でるという行為をするようになった。

「ルフィ…」

彼の安心しきった寝顔を見て胸の内に温かいものが宿るような気持ちになる。この気持ちはいまだに理解できず最初は困惑していたが、嫌ではなかった。

やがて、トトは安心感を得ながら眠りにつき次の朝先に起きて普段着に着替えたトトがルフィを起こすのだった。

「…ということがあってな?このよく分からない感情はなんだろうなナミよ?」

「そっかぁ…もっと詳しく聞かせてくれない?」

最近謎の感情が気になると相談され話を聞いた笑顔のナミがその後ルフィをシバいたのは言うまでもない。



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