殲魔アベンジャーズ
17日殲魔部隊『弑神小隊』 32人で構成される虎神を討伐する為の部隊。構成としては小隊長1名、副長1名、術師隊6名、前衛隊6名、射撃隊6名、補助隊6名、そして特殊隊6名で構成される精鋭部隊
隊のスローガンは【全ては"人"の為に】
「使命に殉じ、大義の為に身を尽くせ」
【其れは一本の鋼によって織られた刃にて、人外の悉くを葬り去る無双の剣を誇る】
【其れは絶えず思考し、人外の油断とも言えぬ隙を穿ちて隠密する術を心得ている】
【其れは諦めず、斃れず、進軍を止める事等無き不朽の闘志と信念を持つ】
【殲魔を誓った、騎士を捨てし"人"───彼こそは、静かなる刃のアレキサンダー】
「これより征伐を開始する。我らの双肩に載せられた平穏の重みを忘れるな」
小隊長
『アレキサンダー・エルメス』
レイピアを手繰る老爺。古戦場の敗残兵。ヴァサミーヤの戰いを生存者。そして、剣一本で現在の地位まで上り詰めた逸脱の技巧者
《斬霊》と呼ばれる、『幽霊や亡霊にすらも接触出来るレイピア』を扱う。その剣技は特殊で、"突き"によって繰り出される真空によって構築された不可視の魔弾を乱射される機関銃の弾幕の様に放つ
そしてそれ以上に、意識と意識の隙間に気配を消さずに当たり前の様に潜り込んでの必殺を得手とする暗殺者でもある。
彼は例えば嵐天の中のたった一粒の雨雫、砂漠の中の一粒の砂、森の中の一本の雑草にも等しいモノとして忍び寄る
性格は武人肌の仕事人気質。任務の完璧な遂行を重視し、それ以上に殲魔の理念を重視する好々爺
出身はセントラリア。騎士の息子として生まれて10歳の頃に初等教育を完了するも、妹を満月によって乱心した狼男によって撲殺された事を機にして人生が一変する
加害者は普段は人当たりも良く親切であり、狼男としての血を微塵も感じさせない様な温厚な男であったがたった一度の過ちとしてアレキサンダーの妹。タチアナを撲殺したのだ
狼男はその後悔と罪悪感から全財産をエルメス家に賠償して自死したが、この一件によって『我らは人外の心一つで容易く殺されてしまう程に脆弱である。彼らの良心にのみ頼る訳には行かない』という持論を獲得する
そのまま20歳まで騎士としての教育と修練を積み重ねて行ったが、両親が病没した事によって彼の背負う物は家名の名誉以外全て失われた為に失踪し殲魔へと加入
魔を滅殺し、人を保護するという誇りを掲げて邁進し続けて『水虎の撃破と、それに伴う河川一帯の集落の生活の安定と生贄の撤廃』や『辺境での魔女狩りの主導、及び一子相伝とされていたその薬学の普及』。『アルナの森に棲まうエルフの一族の虐殺と、その森林の開拓と田畑の拡大による三十の開拓村の餓死者の消滅』
極め付けは地獄より門を開通させて現実世界に侵攻してきた上級悪魔とその軍勢に対して九の殲魔基地と五百九十七名の殲魔構成員で以て迎え撃ち、悪魔の軍勢を残さず皆殺しにした『ヴァサミーヤの戰い』で最後に残った7人の内の1人である
血と屍によって築かれた彼の功績は、その能力の高さと『殲魔』への限りない忠誠心の証左でもある
【其れは手足を動かす様にして戦場を俯瞰して人を動かす頭脳を秘める】
【其れは作戦立案とリアルタイムでの通信によって、戦場を把握し続ける策略を持つ】
【其れは百の魔術のみを磨き上げ、実戦という一点に習熟した魔術を使う】
【魔でありながらも人となった者───麗しき同胞、アンドレナ】
「人滅かしら?死になさい」
副長
『アンドレナ・ザビローフ』
独自の魔術によって緻密且つ正確な作戦進行を補助する耳を削がれた年若いエルフの女。覚悟と忠誠を示して"人"となった者。或いは"森"を捨てた恥ずべき裏切り者
事前にマーキングした者との間に双方向での念話のリンクを構築する通信魔術という魔術を用いて情報を統括して作戦立案と臨機応変な対応を可能とする通信手であり司令塔
事実上の小隊の統率者であり、広範囲に渡る部隊の展開とタイミングの調整。其れらを一身に担う重要人物であり、小隊最強戦力である小隊長と共に行動するのが常である
……………とは言え、それが彼女の戦闘力が低いという事では断じてない。忘れる勿れ、彼女もまたヴァサミーヤの戰いの生存者なのである
性格としては冷静でありながらも激情家。狂気と怒りを隠す事なく露わにしながらも、作戦立案には何の支障も出さない
出身はグロワール。魔術の素養の高いエルフの一族に生まれながらも、両親が人滅として活動に専念した事で育児放棄され、村の人々に暖かく育てられる
その後高い魔術の素養を見込まれて都市へと移って魔術について学ぶ中でも、人滅に対する猜疑心と嫌悪感は増大の一路を辿っていった
そんな中で都市に送り出してくれた森の人々が親人間派として両親によって虐殺、魔への憎悪から殲魔入りを決意する
自らの耳を切り落として決意と覚悟を示し、両親を拷問して得た情報を手土産とした彼女は殲魔に加入して主に人滅への苛烈で合理の極みたる無慈悲で容赦の無い攻撃でその名を馳せた
【其れは大地に在る限りは地獄を顕現させ続ける異端の魔術を行使する】
【其れは気儘に振る舞いながらも、呵責なく鏖殺を決行出来る異端の精神を持つ】
【其れは恩に従い、殲魔の力にならんとする異端の境遇の痕を残す】
【理に囚われぬ、異世界に己が本性を置く異端の人───砂葬、魏梨】
「そんじゃまぁ、皆殺しっスよ〜」
術師隊長
『魏梨』
土属性に多大な適性を持ち、其れを伸ばし続けた末に『弑神部隊』の術師隊長に選出された少年のミイラと言った風貌の衝合来訪者
土を水属性や火属性との比率を変えた複合によって泥・土・砂の三形態で操作する魔術を有しており、更に発展・派生して加熱や冷却によって硝子や粘土の操作まで習得している
かつて砂漠でkm規模の蟻地獄に巣食って猛威を振るい、殲魔によって犠牲を払いながらも討伐された『坩堝』の名を冠したサンドワームの心臓の琴線を芯材に使用した《グランドセーヴァ》と呼ばれる土属性の威力と魔力燃費を向上させる杖を持つ
性格は飄々としており、殲魔に対しては其処まで真面目ではないが仕事はキッチリ熟そうとする
《大砂界》と呼ばれていた、悉くが枯渇した世界の出身。水も植物も太陽すらも枯れ果てた闇と砂に包まれた世界で、当たり前の様に枯渇死を迎える筈だった彼は衝合によって命を救われた
宛もなく放浪していた所を殲魔によって保護されて、その恩に報いるべく殲魔への加入を果たした
不気味な程の死生観の軽さは常に死と隣り合わせで希望なんて何処にも無かった世界で暮らしていたが故
更に『枯渇状態』が常であると判定されているので、魔力が足りなくなれば濃度が濃い所から薄い所に浸透する様に《大源-マナ-》より魔力が供給される
これによって魔力切れという状態が無く、常に魔法を起動させ続けられる。とは言え一度に出せる魔力の限界はあるので魔力燃費も恩恵も受けられる
【其れは真実、山にすら匹敵する一撃を無数に繰り出す恐るべき魔剣術を手繰る】
【其れは相手に警戒を抱かせずに動き続けられる埋伏の毒として機能する】
【其れは一挙一動が必殺の威力を誇る、生きた災害と同義の卓越した魔剣の奏者と嘯く】
【悉くを赤黒い滲みへと変貌させる人剣士───重躙すイネーチカ】
「対象を目視。行動を開始」
前衛隊長
『アルヴェィナ・イネーチカ』
極々平凡な好青年にしか見えない外見。謂わゆるモブ顔に己の顔を変装したバスタードソードを自由自在に操る人間
物体に仮想質量を付与して、衝突の際に判定される質量を増幅させる事が出来る固有魔法を使って砂利を蹴り飛ばすだけで砲撃並みの威力を出せる
況してや、大剣を使ったならば。それこそ神にすらも通用し得る威力の攻撃を放てるであろう
性格は真面目で完璧主義者。自他共に厳しいが、失敗の挽回を待つ、相手の事情を思い遣って酌量出来るだけの寛大さも持つ
出身は北國。極寒の地。雪の絶えぬ氷原。自らの生存の為に、他の生命を踏み台とする熾烈な生存競争が日夜行われ続ける国に生まれた絶世の美女と称せる顔面で誕生
モンスターを狩猟し解体し資源として利用して暮らしてきたが、衝合によって更に気候が寒冷化した影響で大移動
しかしながらも雪国の、其れも倫理観が生存という最優先事項によって壊滅していた地域出身の彼は当たり前の様に強盗を働いて、当たり前に社会から弾かれてしまい、そうして殲魔へと加入した
殲魔に加入した後も、獣の様な倫理観と行動で問題児として認識されながらも成果は挙げ続けていた為にギリギリ切り捨てられずに済む状態が続いていたが。ある日アレキサンダーによって素質を見込まれ叩きのめされる
そして魔法と剣術。統率について教え込まれて立派な殲魔となった。犯罪者に立派とかあるのか…………????
【其れは無限軌道の銃弾列車で以って糸を縫うかの如き緻密さを手繰る指】
【其れは途方も無き道を横断せしめる鉄道の如く大いなる大地を進む砲弾の主】
【其れは数多の砲弾と銃弾、狙撃と弾幕を一身に担うターミナル】
【砲身を站とし、射線を線路とする鉄道屋────鋼撃火車アーリ】
「しゅっぱーつ、しんこーう!」
射撃隊長
『アーリ・アレリア』
両眼に望遠鏡を装着した年端もいかぬ少女。両手に構えた二つの500mm口径の巨砲と、背中に提げた対物スナイパーライフルが印象的な活発そうな女の子
砲身を駅舎。砲弾を列車に見立てる事で、事前に演算した砲弾の辿る軌跡を線路として固定する異能を保有している
もっと簡単に言い換えれば、『射撃の有り得る可能性を引き上げる能力』である
分厚い装甲を貫通する。自由自在に銃弾を動かす。そんな芸当は不可能だが、誤差を消滅させて命中率を引き上げる事は出来る異能
誤差が大きく出る超遠距離射撃に於いて抜群の性能を有しており、更に異能の対象に取れる数は脳の処理限界に依存する為に他者への付与も可能
性格はお気楽で刹那主義。兎に角鉄道が大好きで、同時に異能を振るう事にワクワクする様な子供らしい子供
その性格と年齢から仲間内でも可愛がられており、『弑神部隊』では拠点の所有物数と質量と値段の《最大記録-レコードホルダー-》を保持している
経歴は殲魔5世。煮詰められた思想の中で生まれた子。生まれながらの生粋の殲魔。殲魔の中で生まれ育った者
【其れは数多の姿形で語られる、一個の集団とでも言うべき実体無き独歩真名】
【其れは間を挟まずに雲耀の疾さにて回復術を行使する群体】
【其らは滅私奉罪を躊躇わぬ、自己犠牲すらも笑顔で遂行する社会性生物】
【異形の精神を有する、一致団結を誇りとする個体───継ぎ咲むクチナシ】
オーバーロード
「「「「「「過重処理──────信仰こそが我々を繋ぐ鎖であり、楔です」」」」」」
補助隊長
『クチナシ』
筋骨隆々の白人男性《俺》。豪快な褐色女性《アタシ》。オリエンタルなアルビノ少年《僕》。黄色の草臥れた中年の男《私》。髪の抜け切り骨の浮き出た老婆《儂》。可憐で清楚な少女《ワタクシ》
誰か最初であったかは分からないけれど、彼らは同じ名前と同じ能力、そして同じ意識を有している
継続回復/リジェネの『オート』に強力な単体回復の『マキシマ』。範囲対象回復の『ゾーン』や魔力や体力等も効果対象に取る『・オーバーロード』を広く使い分ける回復を得手としている
人格は礼儀正しいが同時に冷酷でもある。人の為に力を尽くすが故に、仲間一人と民間人二人では民間人の方を優先する気質を持つ
異能は重複再生。或いは転写。『過重処理』と呼ばれる技能によって一度使用した術技を詠唱やクールタイムを介在させずに発動出来る
要はコピーペーストやリピートに近い原理で何度も何度も過程を省略して発動している
─────転写は人格や素質をも対象とする能力である。『魔術や妖術等の術に依らずして』『ただ己の心のみで』『相手を心の底より一片の迷いもなく』『転写を許容させる』という厳しい条件を縛りとして出力を向上させた転写は、『クチナシ』の能力や精神を他者に転写させられる
因みに飽く迄も『転写』であり、別に同じ精神を共有している訳ではないので『個体』としての境界はちゃんと存在する
【其れは巨大で強く逞しい、人を凌駕する躯体を持つ獣ですら狡賢の手練手管にて仕留める狩人】
【其れは真っ向からではなく、相手よりも先に積み重ねた数々の仕掛けを手繰る罠師】
【其れは殲魔に仕え、その信念に殉じ数多の魔を死へと手招いた使徒】
【戦場に潜み殺傷の種を蒔く二手十指の死線の巡らせ手───窮魔の轡のマトレイン】
「Meが此処でYouをKillする、これこそが─────!ディィスティィニーー!!!」
特殊隊長
『マトレイン・衣更着』
胡散臭い小太りの中年男性。脂ぎってはいないし髪も手入れされているが残念ながらその容姿はトトロに近いデブ
『条件魔術』と呼ばれる魔術式地雷を扱う事で、先遣隊として派遣された戦場にトラップを仕掛ける罠師であり。同時に戦場を見定める熟練の斥候でもある
性格はイキる・いい加減な仕事はしない・生き汚いの3Iが揃っている。徹底的にやれる事をやってから煽るタイプのクズ
『ドラゴンが半径5m以内に入る』『ゾンビに触れられる』という様な受動的な条件を縛りとして、その難易度に応じて生み出されるリソースで魔術が発動する仕組みを物体に刻む『条件魔術』を操る
発動するタイミングを自分の意思で決められない代わりに威力を担保するという原理と発動する魔術にフレンドリーファイアを防ぐ術が無いという関係で扱い辛く見えるが、本人はそれを利点へと変えている
自分の意思で決められないという事ならば、準備の為に待機する必要がなく一人で二人分の仕事が出来る
フレンドリーファイアはそもそも縛りとなる『条件』の設定に気を配り作戦に携われる立場に立つ事で、相手にのみ反応する地雷へと出来る
殲魔に加担している理由は、スカウトされた為である。元より爆発好きとして犯罪者となっていた所にスカウトを受け、後ろ楯に魅了を感じて加入
そのまま殲魔の思想に染まってしまい、その爆破欲求を趣味と仕事を両立させながら解放して解消する事に喜びを感じている