死神代行三人目
「竹田ツカサさん、初めまして鹿上涼音さんのお仕事に巻き込んでしまい申し訳ないです。」
私はそう言いながら、目の前の彼に頭を下げる。愛しい生徒が虚により霊子に還るか虚に取り込まれるのは………正直にいえば、日常茶飯事で身近な人は悲しむことあれど隊の中でも遠いものが騒ぐ程のことではないのが通常だ。
けれどもどのような手段を持っても、生き残りそして目の前の彼が助けてくれる選択を引きずり出した事はとても私個人としても幸運で嬉しいことだと思いますし。
「いや、そんなこと無いですよ。俺も死神になっていろいろ知りたいことが出てきましたし。」
「ふふ、知りたいことならば教えられる範囲で教えますよ?」
少し照れ臭そうに、目の前の彼は頭をかきながら死神になっていろいろ知りたいことが見つかったと話す。………さて、知りたいことといっても私で対応できるのかどうか。まぁ分からなくても分からないというだけですしね。
「あぁすいません自己紹介遅れてましたね。私の名前は芦原伊邪那、真央霊術院にて教鞭を握らせてもらっています。現世風にいえば、死神の先生ですね。」
しばらく話したとき、私自身の紹介をせずに進めてしまったとうっかりしていたのでコンっと一つ咳払いをして真央霊術院の教員として働かせてもらっていることとそして名前を彼に告げた。
「死神の先生!?」
「死神は、生まれついての素質もありますがある程度訓練をした上で名乗れる職業的な意味合いも強いんですよ。現世でいうならば、死神と人の関係は、犬と魚ではなく軍人と一般人のような感覚ですね。」
人が神を名乗る以上、まぁそこら辺の違和感は現世よりであればあるほど出るだろう。西洋の死神文化の方が多くの人間の知識として根深くなってますし………東洋としても日本刀のような獲物を持ち人型であるというイメージの死の象徴は無いですもんね。
そう思いながら私は、簡単にssでの死神の感覚を言い表す。私個人としての感覚ですので……まぁ間違っていたら他の方が訂正してくれるでしょうそこら辺はニュアンスです。
「へー成る程………芦原さんは、死神になるための訓練のお仕事をしているのか………」
そう言えば、彼も一護さんと同じく浅打を奪ったわけでもなく斬魂刀を発現させ使えているのですよね………。一体どこから来たのやら。死神代行さんは謎が多くなる定めなのでしょうか?
まぁ考えすぎれば頭がいたくなります、ある程度可能性をまとめるぐらいすれば十分でしょう。心構えというやつです。
ふむ、一護さん同じくまだ経験は少ない………むしろここまで経験など無く虚と剣を交わらせる事が出来るのは才能か、異常でしょうね。
「竹田さんも学ぶのであれば、私はいつでも扉は開いていますよ。私が見れる範囲なら、い」
私は目の前の彼を見ながら、口元を隠して目を細めた。部外者とはいえど、教えを乞われればそれを答えるのが私の常と言うものですしね。
「なら………すこし稽古をつけてほしいです。この先のためにも力をつけなければいけないと思うんです。
勿論、手加減は抜きでお」
彼は私が言いきる前に、斬魂刀を引き抜き……
それと同時に、私はトンっと歩みを進め無言で彼の首に最光を突き立てようとした。
あぁ、凶禍さんは乗り気ですかね?どうですかね?最光はすこし突然なので、機嫌がちょっと悪いですね………
さて私なりの手加減抜きでやっていきましょう、最光頑張りましょうね。お互い死なないように。