死への逸脱
『絶望するのですね、貴方も』
「チャチな話はいらないからさ。その詰まった脳の味噌は飾りかな?捨てろよ、無駄をさ」
『凡愚の尺度にわざわざ合わせるとは貴方も大概、非合理的な博愛主義者でしょう』
「あ?」
『貴方と同じく、我々は死なない』
「ハッハァ!!虚弱!!キミとボクが同じ?生きてすらない人形風情がよく言えました!褒めてやるよ、ァア!嘘だよ褒めるか莫迦者!!このボクがどうして、ただの壺如きに賞賛をするって??」
『一千年生きていると視力が下がるのですね』
「オマエこそ身の程を知れよ。所詮はこの世に生まれて百年と持たなかった病弱者が」
『それは前の我々の話です。先人へのリスペクトはないのですか?』
「無いね!オマエには!むしろボクを見習え。この崇高なる存在たるボクを。礼讃できるだけ有り難いと思えよ!!」
『圧倒的唯一性は、再現ができない。貴方が10世紀と跨いで思い知った事実だ。』
「知恵者のふりは見苦しい!!」
『死は平等に訪れるが、それを克服する術が、必ずしも全員にあるとは限らない』
「………。ハッ、言えよ! 許可する。オマエの目的をさ」
『管理する。この世界を。あらゆる生命が死を超克し、永遠を廻る』
「甘すぎる!ぁあ、甘すぎて、腹が腐り落ちるほど気色が悪い!甘味は毒だ!ボクはボクが必要な時にしか摂らないんだ!!クソがクソがクソが!!
あまり舐めるなよ。命を。刹那の輝きは永遠すら殺す」
『貴方の自己矛盾に付き合うのも疲れる』
「なら去れよ、ボクの気が変わらないうちに」
『祝福。生命よ幸あれ。この素晴らしい世界をこそカミサマと呼ぼう。我々と共に。どうですか?』
「ハッハハ………
オマエはさァ!!!さっきっから、ゴチャゴチャ1度に同じことを何千回ッ!!一人で喋れ、耳障りが!!
鴉の囀りを聞いている方が幾分かマシだね!!それともその喉に詰まった鉄のゴミは潰そうか!?えぇ!!
ボクはさ?回りくどい話は嫌いなんだ。どうしてかわかるか?ァア!?わかるわけねえだろ!!わかったつもりになる方が烏滸がましい!!!キミはボクじゃあないんだからなぁ!!!!
魂で喋れよッ!!!誠実さに欠けた品性の無い獣に、交渉の余地はどこにあるッ!!!
ぁあ、素面で語り合えない、悲しきかな悲しきかな…。管理者?随分見窄らしい名前になったもんだね…。」
『カミサマと呼んでください。はぁ、回りくどいのはどちらでしょう。わかりました。それじゃあ────』
「ニルヴァーナ。僕の手下になれ。どうせ暇だろ?」
「死ね。そして殺されてろ」
『ご自由に、生憎我々は不死でして。義体はまだあるので』