棚からぼたもち

棚からぼたもち


ルフィには可愛い女の子の知り合いが沢山いる。

天気予報士の女の子や、考古学者のお姉さん、世界で最も美しいと言われる社長さん、とある国のお姫様等々……

何はともかく、みんな魅力的な美人ばかりなのだ。

まぁ?僕も顔立ちは相当整っている方だし?スタイルも抜群、歌も上手い、ファッションセンスも良い……ハズ

他に引けを取っていないとは思ってるけど……

如何せん僕は『ボク』だ。女の人が自分を僕って呼んでいるのは僕の知る限りだとあの背の高い雪のような髪に水色のコントラストが美しい女性しか知らない。それに僕は割と男勝り……

そう、僕は女の子らしく無いのだ。

もしかしたらルフィに女の子の知り合いが多いのは…僕で満たせない女性的欲求を満たしたいが為に……?


「私……って変えた方がいいのか、急に変えたらファンは……ルフィは驚くかな?まぁいいや。ものは試しさ、ちょっと様子を見てみよう。」

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「ウタ─来たぞー」

ガチャ

「やぁルフィ、今日も悪いね。」

「気にすんな、こっちは任せとけ!風呂も飯も準備しとくから」

「ありがと。じゃ、配信してくるね」

「おう!!にしし!!」

────────

「待たせちゃったかな?ちょっと色々準備があってね……“私”も色々大変なんだ~レコーディングとか打ち合わせとか…」

『私!?』『え?僕…え?』『私って呼んでる!!』『あ"ッすき』『ギャップいいぞ~』『敵わぬ……ポロッ』

『最高だと教える』『ウォロロロロ、息子も見てます』『配信で何言ってるんだこの馬鹿お……ウター!!見てるよー♡』『なんだよウタまーた何かに影響されたのかァ?弟と似て…』『個人情報をネットで喋んじゃねェアホンダラァ』『ママの煩いが収まるんだ、助かる』『はーアイツんとこの娘がこんな派手になっちまって……おじちゃんはもう……』

想像以上に反響が大きい!!何人か見知った人達も来てるけどこういうのは触れないのが華だよねえ……

「アハハ!やっぱり驚くよね、ちょっと皆の反応を見てみたかったんだ。でもまぁ…やっぱり私より僕の方が落ち着くなあ、昔からこんな感じだし……でも、やっぱり変わってるのかな」

『ウタはウタだ。文句を言う奴がいるならおれ達がやる』『おれの娘も自分を僕って呼んでるぞ?今どき流行らんぞ性差別なんざ……』『そうさ!キミはキミのままで良いんだよ、誰にも迷惑なんてかけてないんだし。またLIVE行くからね!!』

身内からの言葉が身に染みる、そうだ、何を悩んでいたんだろう。僕は僕だ。自信を持って自分を表現していけば良い、ただそれだけの事じゃないか……ルフィとの事だって、気にする事なんて無かったんだ


「みんな、ありがとう!!私呼びは気分転換にこれからもやっていこっかな、これからも僕を信じてね?」


────────

「ふー終わったー……」

今日はいつになく喋りすぎて疲れてしまった、けど気分もスッキリしたしこれはこれで良かったと思う事にしよう。

ガチャ

「ルフィ、配信終わったよ?」

「………」

「…おーい“僕”が呼んでるんだぞー返事したまえ彼氏君~」

「……私って言わねェのか?」

「………へ?……あ、あぁ…もしかして…配信見てた?」

「あァ」

「や、アレはちょっとしたファンサービスと言いますか……おふざけだよ?『キミの前で言う訳ないじゃん』」

「あっ、そ」ドサッ

「へ?」

僕はベッドに押し倒されてしまった。え、何、何で急にいつも僕から誘うばっかりではこんな事あんまりしない癖にどういう風の吹き回し……ッ!?か、噛まれた……め、目が据わってるよ……

「……除け者にされてるみたいでムカつく。隠し事か?」

「じょ、冗談はここまでにし…ムグッ」

口を塞がれてしまった。こ、こんな激しく求めてくるなんて……あ…脳がクラクラして……ボーッとしてきた……

「……ぷはぁ……る、ルフィのヘンタイ…!?っ…ひゃぁ……」

「……お前はおれのだ。覚悟しろよウタ」

僕の耳元でルフィが囁く。普段の姿からは想像もつかない。雌を服従させる雄の姿だ、怒りと欲望に満ち溢れたルフィのソレが激しく僕の秘部に擦り付けられる。ダメ、駄目だ……僕の身体も出来上がってしまった。彼が欲しい、ルフィにこの生意気な雌を躾て欲しい、欲望を乱暴にぶちまけて欲しい、キミの色に染め上げて?

僕は挑発的に笑う。

「……ふん、“私”を好きにできるものならやってみるんだね。でなきゃ他の誰かに取られちゃうよ……?」


こういう誘いも、ありかもしれない。


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