桜宮家の兄妹喧嘩
「ねぇ・・・私の期間限定プリン食べたの・・・だぁれ・・・?」
そう空のケースを手にダイニングから出てきたのは雪乃。
「・・・・・(ビクゥッ)」
そんな彼女に明らかに過剰反応を示したのは・・・・
「食ったの・・・お前じゃろ・・・千寿!!!!!!」
「ごめんって!!!ごめんって!!!」
「あのね、私はこれを食べるために今日も部活を頑張って、宿題も学校で終わらせて。なのに家に帰ったらその楽しみがなくなってるんだよ?????どうしてくれるのかな????ん?????」
「いや、だからごめんって!!!それ言ったら姉ちゃんだってこないだ俺のゼリー食ったろ!!!」
「ゼリーはいつでも買えるでしょうが!!!私のは『期 間 限 定』!!!来年はもう出ないんだよ???」
「だったら後から買いに行きゃぁいいじゃんか!!」
「人気なんだよ、もう売り切れてるわ!!!!」
ぎゃいぎゃい、罵り合う2人・・・手が出そうな勢いだが、悲しきかな止めるものは誰もいない。(むしろ楽しんでるまでいる人がいる)
「あ〜・・・もう私はキレました。オラァ!!!」
そう言って唐突に繰り出される蹴りに千寿は
「危ねぇなぁ?!?!?急にけってくんなよこのクソ姉貴!!!」
まさかの反撃。殴り合いに発展してしまった。
「あ゛あ゛ん?!誰に向かってんな口聞いてんだゴラ。オラくらえ!!」
と、とうとう呪力のこもったクッションを投げてきた。
「当たんねぇよ、バ〜〜〜〜カ!!!!」
それを手ではたき落とす千寿。しかし、これは雪乃の策略。
「バカはそっちだろうが。私の術式忘れたんかぁ???『華麗色世』!!!!!」
雪乃の術式は彼女の呪力が籠った物に触れることで視界がゲーミングカラーになると言うとんでもない目潰し特化の術式である。つまりこれに触れた千寿は・・・・
「は???ああああ!!!!ちょい待ってちょい待って!!痛い痛い痛い!!!!!目が、目が壊れる!!!ちょ、まじで、たんまたんまたんま!!!痛い痛い痛い痛い!!!!」
大パニックである。そんな大惨事の千寿の横で雪乃はコロンブスポーズをしていた。
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小話
「なあ、また雪乃と千寿が喧嘩してんだけど」
「え、ちょ、賭けませんか?負けた方が明日のおやつ作ってください。」
「乗った。アタシは雪乃が勝つと思うね。」
「あ、なら俺千寿。」
「そうですか・・・私も雪乃ですね。多分術式使いますよあの子。」
「いやいやいや・・・まさかぁ。」
「でも使いそうなんだよなぁ。」「それはそう。」
「あ、てかもう決着ついたっぽいぞ。」
「ほらやっぱ術式使ってますね。祗恩、明日のおやつはお願いしますね。では執筆の方に戻ります。」
「うわ〜〜〜・・・負けたぁ・・・・」
兄妹喧嘩で賭けをするとんでもない兄と姉(なお成人済み)でした。