本日は都合により臨時休業と致します

本日は都合により臨時休業と致します

お茶目なアートに振り回されるステゴ


閲覧注意!!!しっぽあります

最後にちょっとだけ子供達出てきます


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光る栗色の髪を靡かせて突然現れた愛妻は

「こんにちは。スーツ姿もお似合いね♪

突然だけれど、マッサージをお願い出来るかしら?」

俺の顔を見るなりそう言い放った。


「…んだよ、いきなり」

あまりにも突飛な提案をするものだから

タバコが落ちるかと思ったじゃねえか

「お暇そうだったから、お仕事を与えようと思って」

「確かに閑古鳥は鳴いてるが、生憎ウチはそういうサービスやってないんで。明るい内にとっとと帰れ」

面倒な予感がするので追い出そうとする。


「あら、そんな寂しいこと言わないで?」

が、目を離した隙に妻はカウンターの中に入ってきていた。

「いいの?追い出さそうとしても…可愛い奥様が何処かに行ってしまうかもしれないわよ?」

「おまっ…!いつの間に!!」

座っていた俺に有無を言わさず跨りだす

頬を緩やかに、艶めかしく細指が撫でる


キイキイと背もたれが軋む音だけが響く。

「…乗られるのは、お嫌いかしら?」

息子によく似た、けれどどこかあどけなく映る瞳に煽られて腹が立った。


「気が変わった。やってやるよ」

俺はお前に乗る方が好きなんでね


仕方ない、今日は臨時休業だ。

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あくまで「マッサージ」なので従業員用の休憩室に入ることにした…職権乱用だろうがどうせ清掃するんだから関係無い

近頃は掃除していなかったのであちこちが埃まみれで、おまけにカビ臭い。

「…ここでお仕事をなさっているの?」

顔を見ずともわかる。引いている声色だ

「うるせぇ、部外者連れ込む事なんざ想定してねえんだよ!…ちょっと待ってろ、今片付ける」

流石にこのままやる訳にはいかないので、埃をひと払いし、その辺にあったシーツを引き、硬いベッドに寝そべらせる。


マッサージなんぞ当然ながらした事が無く勝手がわからんので、とりあえず身体全体たまに腰や脚を揉みしだくことにした

…どこ触ってもやわらけぇなコイツ。

「こりゃかなり凝ってますねお客さん」

「でしょう?大家族で毎日大変なんです」

バカみたいなやり取りをしながら作業する

どうせすぐに飽きるだろ。

あてもなく暫くふにふにと触っていると

明らかに様子が変わり始めた

潤んだ瞳でこっちを見ている。


「ふぅっ…あなたぁ…」

なんだその吐息は もの欲しげな顔すんな

太ももを擦り合わせるな

その気になんだろ

「んっ…ぁっ そこ、気持ちいぃ」

誤解を招く単語を言うな

顔を赤らめて尻尾を俺の腕に巻き付けんな

妙な声を出すな

俺がその声に弱いの知ってて煽ってんな?

そういやこの仕事に就いて以降ご無沙汰だったな…ムラムラしてきた。


「アートお前、わざとやってんだろ」

そう問い詰めるとけろっとした声で応えた

「まぁすごい!お見通しなのね♪」


お前のことなら何でも知ってんだよ。

どこ弄ればイイ声出して悦ぶのか

どんな声出すのか、どの体勢が好きか

煽って誘い受けすんのが上手ってことも

お前以上に俺は知ってんだぞ?


「そっちがそのつもりなら話は別だ。

こんなカビ臭い場所じゃなくちゃんとした場所で相手してやる」

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「ここ、お部屋だけど…よろしいの?」

「なに特権だ。気にすんな…その代わり、本来なら利用出来ないサービスまでしてやるんだ。タダ働きは御免だね 」


そう言うと少しの間考える素振りをした後、長い栗毛を揺らしながら俺の顔を覗きこんできた。

「じゃあ明日のお夕飯に好物を追加するのと…私を好き放題に出来る。それが条件。ダメかしら?あなた♡」

惚れた弱みだ。その条件で飲んでやるよ

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部屋に入ると妻は鞄から電話を取り出す

「まって、お家に連絡しないと…もしもしオル君?あっ!」

ムードもへったくれもありゃしねえな……電話を取り、何かを察したのか不機嫌そうな声をもらす息子に向け話す。

「おうオル、母さん今日帰れねえから晩飯お前が作っとけ。じゃあな」


余計な邪魔が入ったら困るし電源切るか。

ベッドに電話を放り投げネクタイを解き、のしかかりながら唇を奪う。

しかし嬉しそうな顔しやがって…

「もうっ…相変わらず強引なんだから!

そんなとこも好きよ」

「そんなに俺の事好きか?変わり者め」

お互い様だがな


「タバコの匂い…もっと嗅いでもいい?」

「身体に悪ぃだろ。やめとけ」

他愛もない話をしつつ上着を脱がせると、陶器のような白い腹が目に映る。

初めて見た時から何も変わっちゃいない

何度も交わって俺の子を孕んだ胎。

…もう1人ぐらい作ってもいいかもな


そう思いつつ、なだらかな腹に触れる。

「ひゃっ!?ビックリした…突然何?!」

「 『マッサージ』だから触るに決まってんだろ。それに、旦那の仕事中に誘ってくる悪い奥様にはオシオキが必要だよな?」


「こんな明るい内からおしおきだなんて…悪い人」

「何を今更。誘ってきた上、好き放題して良いって言ったのはそっちだろ」

ネクタイで両腕を縛りスカートを脱がす。

外出用ではないだろうと一目でわかる程に透けた下着が現れた。随分と用意周到で…触るまでも無いほど喰われる準備万端か

ならお望み通り喰ってやる


「痛いのはイヤだけど…おしおきの後はいっぱい愛してくれるわよね?旦那様♡」

「当然。一晩じゃ終わらせてやらねえよ…覚悟しとけ」


スーツを脱ぎ捨て覆いかぶさる

どうやら長い1日になりそうだ。



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「オルにぃ、電話何だったのー?」「んー…父ちゃんと母ちゃん、今日晩メシいらないってよ」

「いい加減にしろよあのバカ親父!!」「兄貴うっさい。親が仲良いのはいい事じゃん…献立、何にするかな」

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