【未開拓深海領域調査部門:総長】/群青の双剣 ディルムッド

【未開拓深海領域調査部門:総長】/群青の双剣 ディルムッド


《概要》

 未開拓深海領域調査部門のリーダーを務める男性。フィクサー協会から”色”を送られた特色フィクサーの一人である【群青の双剣】。

 トレードマークとも言える青い双剣の示す通り白兵戦特化のフィクサーであり、特色として認定されてからそう長くはないとはいえその戦闘経験値は”とある事情”によって同世代フィクサーどころかフィクサー全体を見渡しても上位に食い込むレベルであり、若輩者と舐めてかかればもれなく膾切りになるだろう戦闘力を持つ。

 性格は至って普通の青年、といった風であり、実際突飛な思考回路や理解不能な思想を抱きがちな都市の住人としては極めて常識的と言える部類である。が、五術する異常性により他者との関係構築をあまり重要視しておらず、また生きる事そのものにかなりくたびれている様子を常に見せている。それでも尚生き続けようと思える辺り、彼もまた異常な精神の持ち主と言える。

 彼を象徴する双剣であるが、此方は「工房」や「翼」によって作られたものではなく、”外郭”から偶々都市内に迷いこんできた一品。ディルムッドがとある依頼を遂行した際の報酬として受け取った(もとい、厄介払いされたとも言う)代物であり、それ以外この双剣を使用して様々な危機を乗り越えている。しかしこれが中々の厄物であり、使用者を”侵食”することでその身体能力を次元違いに跳ね上げる恩恵を与えるが、代償として精神をも取り込もうとする危険性がある。精神力次第で十分抵抗は可能であるが、双剣に宿る意思は持ち主を常に乗っ取ろうと画策しているため、酷く弱った瞬間を突かれた場合そのまま飲み込まれかねないためディルムッドは必然的に瀕死状態になろうが死ぬまで精神の強さを保たなければならないという制約を背負っている。

 そんな彼の精神を形作ってきた”呪い”であり”祝福”とも言えるのが『不運』。詳細不明であるが彼は”海”の意思から寵愛を受けているのか一日に最低一度は「試練」という形で無理難題の打破を強いられている。「試練」は周囲の被害など知ったことでは無く、大抵の場合極めて危険な脅威との戦闘が主。手加減などは無く、死ねばそこまでと言わんばかりの難易度であるが、ディルムッドが全力を出せばどうにか出来るくらいではある(彼が強くなればなる程災害の規模が拡大するということでもあるが)。

 そういった事情もあり、彼は周囲に友人や知人などは存在しない(したところで「試練」に巻き込まれて去るか死ぬかのどっちかしかない)。そのためほぼ一人で特色フィクサーまで上り詰めた実績の逆説的証明でもあるため、彼の能力の高さは目を見張るものがある。事実、彼は黒い沈黙に叩き折られた中指の残党を殲滅した上で残響楽団の襲撃に遭いながらもギリギリで生還できている(最もその後に双剣に乗っ取られて大事故を起こしているが)。

 因みにこの”祝福”は”海”に一番造詣の深いCa社でもどうにもならないのか、現在も社内では一日一回は爆発する爆発物扱いされているため特色フィクサー並の戦闘力を持つ者以外との交流はあまり行っていないようである。


《保有E.G.O.》

 発現したE.G.O.は双剣による侵食を緩和したような外見の、怪物的な特徴と群青色の軍服と外套。

 双剣と長い時を過ごし過ぎたのか、あるいは彼の精神への侵食の影響か双剣とE.G.O.が深く同期しており、性能も”海”の祝福により更なる身体能力の向上と何処からか抽出されたエネルギーを剣を媒介として放射するというものとなっている。

 その性質上双剣の侵食を否応なく受けなければならないため、正規に発現したE.G.O.にしては極めてハイリスクハイリターン。ディルムッドにとっては最後まで使いたくないとっておきの切り札となっている。


【未開拓深海領域調査部門】

《概要》

 Ca社に置ける”海”の謎を解明するに当たって最重要とも言える部門。”海”の内部を蠢く怪物たちや異常現象の起こる区域、”海水”による存在の改変と希釈に抵抗しながら通常の無人機器では探査不可能な”深海領域”を調査し、開拓する。

 たださえ危険な”海”の更に奥底と言う事もあり危険度は文句無しのMAX。気を抜いた瞬間に怪物に襲われることももちろんだが、観測も認識も不可能な不可解現象により存在そのものが”消失”する可能性があるため、存在固定化により物理に対して無敵になった職員であろうとも死の危険が常に付きまとっている。

 そのため所属する職員はほぼ例外なく危険を危険だと認識した上で目的のためならば己を顧みず飛び込むことのできる精神の持ち主(冒険がしたいだけ、スリルを味わいたいだけといったイカレ野郎もいるが)。あらゆる状況に対応するため戦闘力含めて多彩なスキルを高度な領域まで磨き上げており、こと職員の質だけで言えばCa社の中でも最上位に位置する。最も、殉職率も最高なのだが。

 余談であるが、Ca社の中では危険度がトップという事もあり、部署としては一般職員からの人気アンケートでは毎年最下位を不動の座としているらしい。

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