最期

最期

初代デボラさん概念


「何だあれ…?ッ!!」


あの形は……そうだ、確か歴史の授業で聞いたことが…!御伽話じゃなかったのか!?


バリバリバリドォン!!


街が焼かれてる。悲鳴が聞こえる。逃げなきゃ。早くここから。


「……!!!」




「ウタ〜〜〜!!!」


足を止めるな。探し出して一緒に逃げるんだ。


「どこだ〜〜〜!!!」


たくさん人が血を流して倒れてる。まさかこの中にウタが……。やめろ、そんな怖いこと考えるな。


「お〜〜〜い!!!」


あれは魔王だ。トットムジカだ。言い伝えが本当なら封印してあるはずなのに何で……。


「あ」




「くゥ……」


頭に瓦礫が当たったのか。ものすごい血だ。


「う……」


なのにあまり痛くない。身体が興奮してるのか、それとももう私は……。


「あ……」


手に当たったのは日記か。さっき書いたばかりだけど、書きたくなってきたな。そうしよう。


【 くそ、身体がうごかない。声も出ない。気持ちを書き殴ることしか出来ない。『アレ』が出てきてすぐに私はそこへ向かって走った。あの子が心配だったから。そしたら飛んできた瓦礫に当たってこの有様だ。血もすごいし、もう助からないだろう。相棒をもう連れ歩けないなんて残念だ。】


書いてて悲しくなってきた。私はもう死ぬ。足にもう力が入らないし、腕もだんだん言うことを聞かなくなってる気がする。


「……ッ」


魔王は暴れ続けている。誰があれを歌ったんだ。エレジアの国民ならば、知らない人なんているわけが無いのに。


「この映像を見ている者、聞こえるか!?」


映像?魔王を撮ってるのか?


「ウタという少女は危険だ!!」


「え……」


「あの子の歌声は!!世界を滅ぼす!!!」


「な……!?」


何だと?ウタが歌った?じゃあウタは魔王の…。


ドォンッ!!


「うわァアアアア!!」


「きゅうッ!」ぼてッ


映像電伝虫…。


「……ッ!!」ゾクッ


まさか、今の声がこれに?…もしこれに音声が、記録されていたら!!


「うゥ…くうッ…!」ズズッ


「きゅ?」


消さなくちゃ…!今の記録をこの電伝虫から消さなくては…!!


「んゥ……!あァアア…!!」ズリ...ズリ...


「きゅう!」ビクッ


あの野郎ふざけやがって…!何が『あの子の歌声は』だ!あの子の歌声は世界を滅ぼすモノなんかじゃない!誰かが魔王の楽譜を持ってきやがったんだ、あの子のところに!


「きゅうッ」ソソクサ


「うあァア…!」


待て…!そっちへ行くな…!


「あァ……」


ダメだ。這いずる体力も残ってない。電伝虫にすら追いつけない。


「くッ…」


くそ、あんなのを見たら誰だってウタのせいだって…。


「うおおおお!!!」


「!」


あれは赤髪海賊団?魔王と戦ってるのか?


「…!」


まさかウタを?まだ助けられるのか?


「は…は…」


本当に良い家族を持ったねウタ。君のためにこんなに必死になってくれる人がいるなんて羨ましいよ。


「ん…!」


さっきから今までにないぐらい筆が進む。もう何て書いてあるか見えないけど、手が止まらない。大丈夫だウタ。君には家族がいる。どんな時でも味方でいてくれる人たちが。絶対に独りぼっちにはならないから、大丈夫。エレジアのことは、どうか気にしないでくれると良いな。




【あの怪物は言い伝えにあった魔王だ 間違いない。ウタはあの楽譜を 歌ってしまったんだ。楽譜は封印されてたはずな のに、誰があの 子のところ に。せっかく歌を 楽しんでたのに台 無しだ 。こんなことをいうやつが いた。 あの子の歌声が世界を滅ぼす ってな。 ふざけるなよお前。 彼女にも 歌声にも 罪は無い。 それをあの 子が聞いて みろ。歌うの

 をやめ たら こころが こわれた らどうする。 あの歌ごえはみ みんな をしあ わせに できるんだ。 あんたに は あ んた を おもって くれて る父 おや たちがいる ど うか しあわ せに なってくれ。こん なことで とまらないでく れ きにするな うんが

 わるかっただけ だか(ここで文章は止まった)  】






「これは……彼女の遺品か。これも保管しておこう」


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