最初の2つをちょっと変えてまとめたやつ

最初の2つをちょっと変えてまとめたやつ


「あれ〜、おかしいな」

 麦わらたちによって毒ガスの治療がされた後のこと。

 ペンギンは、戦いの中で取れてしまった、ペンギン型の飾りを探し、廃墟と化した町と森の境を歩いていた。

「このへんに転がってったと思ったんだけどな〜?」

 戦いの最中で拾う余裕など無かったし、混乱の末に破れてもう使えないかも知れない。

 そんな事を考えつつも、もしかしたら、と探し続けていた。

 その飾りは、立ち寄った島の市場で、シャチの帽子とともに半ばふざけて買ったものだった。

「結構気に入ってたんだが……、無いものは仕方ねえか」

 夜が明け始め、明日時間があればまた探してみようと拠点に戻ろうとした時だった。

「あれ〜! こんなところにペンギンのぬいぐるみが落ちてるれす〜!」

 視界の端で何かが転がり、どこからか誰かの声が上がった。

 拾いあげてみると、それは何かの端切れに模様を描いただけの、不格好なぬいぐるみだった。

「なんだこれ」

 材質から違うので全くの別物だとは直ぐに分かったが、大きさや見た目の特徴は大体合っていたので、本物を知っている人が作っただろうことは何となく想像がついた。

(下の方から聞こえたな……)

 声の主を探すそうと、辺りを見回す。

 すると、瓦礫の僅かな隙間からふわふわした物がはみ出ているのを見つけた。

(しっぽ? ミンク族か?)

 つまんで引っ張り出すと、それは想像もしないものだった。

「わ〜っ! 見つかったれす!」

「こ、小人族か!?」

 小さいが、確かに人間と同じ顔かたちをしている。

 小人族がこのゾウにいるなんて話は聞いていない。ここで、何をしていたんだ?

「えーん、説明するので離して欲しいれす」

「あ、ああごめんな」

 しっぽを掴んでぶら下げる形になってしまっていたので、慌てて持ち直した。

 身長は俺の手のひらと同じか少し小さいくらい。鼻がツンととんがっているのが特徴的だ。頭の両側で束ねられた髪は、あのぬいぐるみと同じ青い色をしていた。

 空が明るさを増してきている。害は無さそうだし、とりあえず、拠点に戻りながら話を聞くことにした。

「なんで偽物のぬいぐるみをおれに渡そうとしたんだ? というかそもそも誰なんだ? 会ったことは無いよな?」

「わたしは、ココポ族のチーオというものれす。その、信じてもらえるかは分からないれすけど……。実は、わたしがあのぬいぐるみだったのれす!」

 チーオと名乗った小人族は、おれの目を真っ直ぐ見つめ、そう言い切った。

「あれが!? じゃあ、この二年弱ずっと一緒にいたのか!?」

 にわかには信じ難いが、嘘を言う理由も無い……よな?

「そうなのれす。ドンキホーテファミリーの、シュガーという能力者によって、動けも話せもしないオモチャのぬいぐるみに変えられていたのれす」

 ん? ドンキホーテファミリーって……。

「それ、キャプテンたちが戦ってる相手じゃねェか!?」

「えーっ! そうだったんれすね!? 急に戻れたので、何があったんだろうと思っていたんれすが……」

 チーオは、何やらブツブツと呟いている。

 能力が解除されたということは、そのシュガーという能力者を倒した可能性がある。

 キャプテンは無事だろうか。勿論キャプテンを信じてはいるが、相手も七武海。難敵なことは確かだった。

 というか、なんでそんな戦いに参加させてくれねェんだ?

 一度は納得したが、やっぱり……。

「あっ、そのぬいぐるみは、代わりが要るかと思って作ったのれす。急いだのでこんなれすけど……。後でちゃんと作り直すれす」

 つられて考え込みかけたおれは、チーオの声にハッと我に返った。

「いや、それは別にいいよ、無くなったのはあんたのせいじゃねェだろ?」

「でも……!」

 なんてことを話しているうちに、拠点に着いた。

「あっペンギン。ペンギン見つかった?」

おれに気づいたベポが、声を掛けてきた。

「その事なんだが……」

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