映画SS
※無自覚両片思いな距離感のバグった親友です
※ペパアオは至高!という気持ちで書きました。いつもより想像で書いた部分が多い為解釈違いが怖いです。解釈違いがありましたら申し訳ありません。
※感想を下さる皆さま、いつもありがとうございます!少しでも楽しんでいただけると幸いです。
※あの世界の映画の想像がつきませんでした。サメハダーに風評被害を負わせてしまいました事、この場を借りてお詫び申し上げます。
※ペパーのリュックはオカルト雑誌とのコラボ製品らしいので、オカルトは結構好きだろうと想定しています。加えて部屋に漫画が沢山あるのでアクション系も好きなのかな?と考えてます。
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アオイは最高のダチである。今までこんな風に心を許せた存在はマフィティフくらいのもので、アイツに出会ってからはダチの素晴らしさを噛み締める日々だ。
そして今日は待ちに待った休み。
天気が良ければアオイとピクニックの予定だったがあいにくの雨。悪天候でピクニックなんて出来ねえから、急遽アオイがボタンから借りてきたらしい映画の鑑賞会をオレの巣で行う事となった………開催地がオレの巣な理由?プレイヤーがあってかつ昼飯が作りやすいからだ。ピクニックは無しになったからサンドウィッチ以外の昼飯もアリだよな!アオイが好きな甘めの味付けにしてやろう。
「ペパー、これね………何だか凄いんだって………」
アオイが差し出した一本のテープ。そのパッケージには頭が3つあるサメハダーというポケモンモチーフの何かしらが竜巻の中で浮いている場面が描かれている。どうやらこの生き物?が暴れる話らしい。UMAってヤツか?オカルトは嫌いじゃないぜ。
「パッケージからして凄そうちゃんだな?!よーし、見てみようぜ!」
「そうだね!……あんまり怖くないといいなぁ」
「ん?アオイは怖いの苦手なのか?」
「ポケモンは大丈夫なんだけどね。よく分からないものはちょっと………」
「ほかのにするか?オレは何でもいいぞ?」
「大丈夫!本当にサメハダーってポケモンが空を飛ぶならこの映画を見た方が実際にバトルする時に対策できると思うから!」
「オマエ、やっぱりちょっとネモいな」
「…………それにこの映画、ペパーは好きそうだし」ボソッ
アオイが何か呟いたけど、小声で聞こえなかった。
「どうした?」
「な、なんでもないよ!?それより見てみよう!」
そう言ったアオイの表情は硬い。無理してまで見て欲しくないのだが彼女が頑なにこの映画を見ようとするので、最終的にはオレが折れた。
「しょうがないちゃんだなー。分かったよ、ホラ」
プレイヤーに映画をセットしてベッドに座り、腕を広げるとアオイがキョトンとする。
「ペパー?」
「怖い時は誰がが一緒だと安心するって言うだろ?一緒に映画見ようぜ」
「うん!」
ぱぁぁと顔を明るくしたアオイがオレの足の間に座る。ハグには落ち着く効果があると聞いた事がある。少しでもアオイを安心させたくて、彼女を後ろからゆるく抱きしめた。アオイは無事リラックスできたらしくオレに重心を預けてくれている。
そうしてオレ達は映画を見始めた。映画はボタンおすすめなだけあり、ハラハラドキドキな面白いものだった。アクションシーンは前のめりで手を握り合って食い入るように見たし、驚くシーンはオレが驚くのと同時に腕の中のアオイの肩も跳ねて2人で笑い合ったりした。
「面白かったな!」
「うん!まさか最後あんな事になるなんてね」
オレ達は興奮冷めやまぬまま映画の感想を語り合った。
「ペパー、ありがとね!ずっと後ろにいてくれたからびっくりするシーンもいつもより怖くなかったよ」
「オレもいつもより楽しく映画が見れた。やっぱオマエは最高だな!」
お互い居心地が良かった事もあり、この姿勢はテレビを見る際のオレ達のスタンダードになった。ほかのヤツにはこんな事しないけど、アオイはダチだからな!アオイと居るとなんだっていつもより楽しくなる。オレは今日もダチの素晴らしさを噛み締めたのだった。