日誌3
蒼森ミネセリナを問い詰めた、最初こそシラを切られたがあっさりと白状した、いや、それとも違う
むしろ知ってほしいと誇らしげに語られた、私に自慢をしているのだろうか
直接的には答えなかったが、肯定された、そして私の中の劣情を肯定された
私自身が否定したそれを肯定された、私は勝てなかった、その一言から、セリナに負けた
セリナのあの手が触れたのは…
私は、羨ましいと思った、そして、憎いとも
だけどそれ以上に、愛しい何かを見てしまった
セリナにとっては私なんてなんの障害にもならないのだろう
…先生はこのままだとうつ病になると言っていた
それは的を射ている、人は仕事が上手くいかないとうつ病になる傾向にある
障害に道を閉ざされた時こそ心を病む、本来の職責を取り上げられた今こそその時なのだろう、そして心を病んだ先生を依存させる
……その方が健全だと言っていた、それに私は肯定した
してしまった…
受け取ってしまった
ごめんなさい、弱い私をどうかお許しください
ごめんなさい、このような形でしか愛を伝えられずごめんなさい
私の心は、常にあなたに向いているので、どうか許してください
先生が廊下を走って逃げ出そうとしていたのを、取り押さえてしまった
先生を見逃すことだってできたのに、そうしなかった
私の手元から先生を逃したくなかった
セリナと2人で話し、先生の心を受け入れ、先生の気持ちを引き止めることにした
先生は終始怯えの色を見せたが、私たちが努力すると伝えると困惑していた
……私は、これでよかったのだろうか
ハナエに睡眠薬を多めに溶いた薬液を希釈したものを渡した
これは、先生のためのもの、きっと今も怯えている、今日はせめて心地の良い夢を見てもらう為…
それだけだから、それ以上の意味はない
先生は飲んでくれなかった
それは、安心して眠ってくれたという意味なのだろうか
喜ぶべきことなのに、私は分からない
…お昼ご飯は、私が作る
先生に、薬を食べさせた
食事中から様子がおかしくなった、飲ませ過ぎたのかもしれない
私は、間違えている、でも、飲ませてしまった、だからもう止まれない
先生と何を喋ったか分からない、私は、今日こそ…
ごめんなさい、私が悪かったってわかっています、だから、許してください
私がこんなことしなければ、あの時部屋に行かない事を選択すればいいとわかっていたのに
どうして起きてしまったんだろう、先生はなんで起きてしまったのか、わからない
どうして私の時だけ、なんで、ずるい
おかしい、こんなのおかしい、そんなわけない、なんで…
私だって、欲しかっただけなのに…
私は、どこに行けば…