日誌2

日誌2

蒼森ミネ

…見てしまった、セリナがナース服に着替えている時に、明らかに自分でつけてしまったであろう、あの傷痕を。

私は何も言えなかった、私はそれをやろうとした、あと少し思慮が至らなければ、そうしていたのだろう

…セリナのことを言えない、私は…

…セリナは先生とずっとトランプで遊んでいるらしい、羨ましいと思ったけど、先生が元気になるのなら、それでいいと思った

泣きながら廊下を歩いているセリナと出会った、事情を書いたら、逃げ出そうとした先生に手をあげてしまったと

何も言えなかった、先生のケアに行こうとしたけど、セリナの目が酷く恐ろしく、躊躇って、やめてしまった

私はどちらを助ければいいのだろう



とうとう先生はトイレすら行けなくなったらしい

私は朝食の用意も体拭きもできなかった、全てセリナがやると言っていた

…先生の体調面が不安なので、私にやらせてほしいと言ったら、セリナは見た事のない笑顔で断ってきた

私の先生でもあるのに

洗濯を頼まれた、先生はどうやら、おまるを使わせてもらえなかったらしい

きっと、心はズタズタになっていただろう

先生を助けてあげられるのは私だけ、私が助けてあげなきゃいけない

だけど先生に理解してもらわないと…

今はセリナと衝突するわけにはいかない

でも、私は…先生を救護できるのは私だけだから、私が先生のお世話をするべきだ



先生のメンタルケアの為に無理やり会いに行った

会って最初に助けを求められた、私を頼ってくれるのは嬉しいけど、手錠や体につけられた痕がセリナのものである証のように感じ、つい辛い態度をとってしまった

でも、その後に優しい態度をとったときの反応は…なんというか、庇護欲を掻き立てる物があった

やはり、私が救護しなければならない

先生は私が守ればいい、セリナを説得すると伝えたけど、その必要はない

とにかく今は私が先生の希望にならなくては





セリナはやってはいけないことをやった

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