旅立ち前夜
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「マキノー、こっちのテーブル終わったぞ!」
「ありがとうルフィ、こっちも終わったわ。」
ゴア王国の外れにある村、フーシャ村の酒場で深夜にルフィとマキノ二人の男女が店の片付けを行っていた。
ルフィは不器用なため床掃除やテーブルの片付けをしており、食器の片付けはマキノが担当していた。
「でもよかったのルフィ?明日は旗揚げでしょ?船も買ったんだからもう手伝いせずにゆっくり休めばいいのに?」
「いいって、好きにやってんだ!もう金はいいから手伝わせてくれ!」
「フフ、ありがとう。なら今日の分は宝払いの分の支払いに回してあげるわ!」
17歳になった村の少年ルフィは、明日海賊としてこの村を旅立つ予定だ。
兄たちとの約束、そしてある少女と約束した自分の夢とその果てを目指すために…
海を生き抜くための特訓は何年もしてきた(航海術は難解すぎて諦めたが…)が、ある日困ったことが発覚した。自分の貯金では小さな小舟を買う予算が足りないことが分かったことだ。
その日姉代わりでダダンと同じく母のように世話を焼いてくれるマキノが経営してる酒場で昼飯を(宝払いで)食べながらマキノに相談した際に、マキノから住み込みで店の手伝いをすることを持ちかけられ、その日からマキノの家兼酒場で住み込みで店の手伝いをしながら金を稼ぐ日々を過ごしていた。最初は自宅から通うと言ったが、閉店後の作業が夜遅くになるから住み込みの方が『都合が良い』。それに朝昼晩のまかないも用意できると言われ、ルフィは二つ返事でマキノと同居生活を過ごしていた。
最初はお皿を割ったり客商売だからと毎日風呂に入れられたりマキノに無理やり言いよる柄の悪い客の山賊と揉めたりなどもあったが、マキノは優しく仕事を教えてくれ、力仕事で頑張ったルフィに感謝してくれた。マキノとの生活は寂しがり屋な面があるルフィにはとても楽しく、朝昼晩の美味しいまかないのご飯が楽しみだった。
「明日から旅立ちかぁ…寂しくなるわね…」
マキノはルフィを見ながら、この村を去っていった3人の子供たちを思い出しながらルフィとの思い出に浸る。
「おーい!全部終わったぞマキノー?」
「え⁉︎そうねじゃあ食事にしましょう!」
ルフィの言葉に少し慌てて返事をしたマキノはルフィと共にリビングに向かいこの生活最後の食事を楽しんだ。
カポーン…
「マキノ〜…別に風呂なんていいじゃねえか〜?」
「ダメよ、明日は大事な日なんだから心も体も綺麗にしないと。」
食事を終えた二人は、いつものように『二人』で風呂に浸かっていた。
昔から風呂に入りたがらないルフィをいつも一緒に入ってあげていたマキノは湯船と共に今までの思い出に浸りながら後ろからルフィをやさしくだし抱きしめる。
ギュムッムニュッ…
湯船に浮かんだ二つの膨らみがルフィの頭の両端を包み込む。
「へへ…あったけぇ〜!」
「フフ…これが好きよねルフィ?」
子供の頃、湯船で嫌がるルフィを抑えるつもりでやって以来習慣になっていた。これをやると、落ち着くからとルフィが大人しくなるからだ。能力者になってからは湯船で溺れないようにするのに便利だからと毎回行なっている。
最初は少し恥ずかしかったが、母性本能と保護欲が刺激されてからはクセになり、ルフィと共に自分の体も女として成長し、より包み込めるようになってルフィが満足するのがマキノは嬉しかった。
親子のようにそして恋人同士や夫婦のようにも感じた彼との生活も間も無く終わるのを感じ、能力者である彼を身体を密着させて支えながら、彼の顔に自分の胸の深まりを押し付ける。下腹部に感じる熱が強くなるのを感じながら…
「わぶっ⁉︎マキノ苦しい…⁉︎」
突然顔全体に温もりある膨らみで覆われて視界を遮られ、息苦しさからルフィが軽く抗議の声を上げる。
「ん…!無事に旅立ちできる…ように、ハァッん…⁉︎おまじないよ…!」
このまま彼と一線を…
心のどこかで引き止めたい自分の中の女の欲望と独占欲が湧き上がるも、それを振り払うかのようにマキノは胸の膨らみをルフィに押し付け視界を奪いながら空いた片手を湯船の中に入れ自身の下腹部の欲望をかき混ぜながら発散するまでこの状態を続けた。
「ごめんねルフィ、のぼせさせちゃったかしら…?」
「んー?大丈夫だ!今まで風呂入れてくれてありがとな!しししし!」
いつもより長い風呂から上がった二人はパジャマとネグリジェに着替えベッドに入り抱き合っていた。これも幼少期からの習慣だ。マキノはルフィの頭を自分の胸元に埋めさせ撫でながら長めに風呂に浸かってた事を軽く謝る。そうするうちにルフィも温かな感触に眠気が襲ってくる。
「マキノぉ…今までありがと…なぁ…」
この安心できる温もりと甘い匂いをもう味わえなくなることを心残りに思いながら、ルフィは家族同然に世話をしてくれたマキノにお礼を言いながら眠りについた。
「フフ…おやすみなさいルフィ…あんッ⁉︎またぁ…♡」
マキノは、眠りながら寝ぼけて埋めている胸の先端を吸い出すルフィの頭を撫で再び下腹部の疼きと熱を感じながら彼の旅立ちの無事を祈るのだった…
「へぇ〜ルフィ?随分とお熱い関係だったのねぇ…?」
「フフフ…まだまだ甘えたい年頃なのね?」
「な、なんだおめぇら?俺なんかしたか?」
『麦わらのルフィその男を知る謎の女性M独占インタビュー!』というタイトルの新聞の記事を読んでいたナミから嫉妬の気が溢れロビンがその横でルフィの後頭部を自分の胸に押し付けながらその頭を撫でて茶化していた。
目元が黒塗りされた写真の容姿からマキノと気づいたルフィから故郷の彼女との思い出を聴きながらインタビューを読んだ後、二人はこの調子でルフィは困惑するしかなかった。
「ルフィ?今日は一緒にお風呂入るしベッドで一緒に寝るわよ!」
「えぇ⁉︎やだよ俺の番まだ大丈夫じゃねぇか…?」
「ダメよ!とにかく今決めたわ!いつもよりしっかり洗ってあげる!」
「そう、ならわたしも一緒に…?」
「ロビン!」
「フフフ…ちょっと言いすぎたかしら?」
フーシャ村の酒場のテーブルで、マキノは新聞を読みながら立派になったルフィの無事と村への帰還を祈りながら微笑ましく今の彼の笑顔を向ける写真も掲載されてるその記事を読むのだった。