新時代・逆光・ウタカタララバイ

新時代・逆光・ウタカタララバイ


新時代


フーシャ村 出港前夜

ウタ「………」カキカキ

ルフィ「おーいウター!ここ来てたんだな!」

ウタ「ん?ルフィ、明日朝早いのに寝なくていいの?」

ルフィ「大丈夫だ!懐かしいなぁここ!」

ウタ「そうねぇ…昔あんたに連れられてここに来たっけ」

ルフィ「そうそう!…で、なにやってたんだ?」

ウタ「……これ。」

ルフィ「?なんだこれ、歌か?」

ウタ「そ、せっかくの船出なんだし、記念して何か歌いたいなって!もうすぐ完成するよ!」

ルフィ「へー、楽しみだなぁ!」

ウタ「ふふん…あと、これ。覚えてる?」

ルフィ「ん?…あ、それおれの描いた!」

ウタ「そ、私達の「新時代」のマーク…いつかシャンクスと会ったらそこから先は分かれることになるけど、そのときはどっちが新時代を作れるかの勝負よ!」

ルフィ「勝負か!おもしれぇ!また俺が勝つぞ!」

ウタ「残念、勝つのは私よ。昼間のチキンレースに続いて連勝してやるんだから!」

ルフィ「お前あれはズルだったろ!」

ウタ「出たー!負け惜しみ〜!…さて。これでよしっと。」

ルフィ「お、出来たのか?」

ウタ「うん!私達の「新時代」の曲!…せっかくだし、リハーサル付き合ってよ!」

ルフィ「いいのか!?やったー!」

ウタ「ふふっ…それじゃ…」


『新時代はこの未来だ

世界中全部変えてしまえば 変えてしまえば

果てしない音楽がもっと届くように

夢は見ないわ キミが話した』


『ボクを信じて』


『東の海の辺境にてひっそりと生まれたその歌は、後に大海賊として世界に名をはせる二人の少年と少女を象徴する曲、

「新時代」として世界に広まることになる』



なお翌日意気揚々と歌った結果船出してすぐ

ルフィ「ウタ、アレ歌ってくれよ!俺たちの航海を祝ってよ!」

ウタ「海賊になってから記念すべき最初に歌う曲ね!新時代は〜♪この未来だ〜♪」

ルフィ、ウタ「zzz…」

となる模様




逆光


オレンジの町出港後

ウタ「………」ブツブツチクチク

ゾロ「おい、こいつはどうしたんだ?」

ルフィ「バギーのやつが帽子思いきり傷つけやがったからな」

ウタ「もう最低!信じらんないあの赤っ鼻!」

ナミ「こりゃ相当キレてるわね……」

ルフィ「まぁあいつにそんなキレてもしょうがないからよ、メシ食って歌って気持ちよくなろう!な!」

ウタ「そうねぇ…」

ゾロ「いっそのことそのブチギレでも歌に残せばいいじゃねぇか面倒くせぇ」

ナミ「あんたねぇ…」

ウタ「………ありかも」

ナミ「え?」

ウタ「ちょっと待って!…えーと紙ないから船でいいや」

ナミ「ちょ、私の船にまで落書きしないでよ!」

ルフィ「ウタが曲作り出したらもう止まんねぇよ!またすげぇの作るぞ!」

ウタ「よぉし…これでどうよ!」

ナミ「わ、ほんとに早い」


『そう怒りよ今 赤鼻蹴り飛ばして

そりゃあ愛への罰だ

もう眠くはないなないなないな

もう寂しくないさないさ

アホよ』


ゾロ「…………なんか」

ナミ「…………えぇ」

((ガチの怒り恨みを感じる…))

ルフィ「アヒャヒャヒャヒャ!赤鼻って!」

ウタ「うーん…流石に私怨過ぎて没かしらね…」

ナミ「あー待ってウタ!それ一応とっておいて!」

ウタ「え?なんで?」

ナミ「もう少し落ち着いてから歌詞だけ考え直しましょ!ね?」

ウタ「うーん……まぁそうするかぁ」

ナミ(歌詞はともかく歌はほんとに凄かった…!これは金になるわよ!)

ゾロ(こりゃろくなこと考えてないな…)


『後に数々の冒険を乗り越えたウタが、その時の激情を思い浮かべながらリメイクした曲「逆光」が生まれることになるが、それはまたべつの話』




ウタカタララバイ



ーココヤシ村

ウソップ『キャプテンウソップ、歌います!』

ウタ「いいぞいいぞ〜アハハ!」

村人1「お嬢ちゃん行けるじゃねぇか!もっと飲め飲め!」

村人2「ちょっと、まだ若いのにあんまり飲ませちゃ…」

ウタ「ん〜?らいじょーぶらいじょーぶ…」

村人2「ほらもう…あんた休んだほうが」

ウタ「ルフィ〜チキンレース…あれ?ルヒィ?」

サンジ「ルフィなら生ハムメロン探しに行っちまったぜ?」

ウタ「え〜?しょうがないなぁ…そうだ、私歌います!」

村人3「お、あんたも歌うのか?」

ウタ「えへへ〜ちょっと待ってね…誰かペンと紙貸して!」

村人3「ん?おお、ほれ。」

ウタ「えーと……」カキカキカキカキ

村人4「すげぇ!滅茶苦茶スラスラ書いてるぞ!」

サンジ「おお!……おぉ?」

ウタ「よぉしれきた!それじゃあうたいまーす!」

ウソップ「お?歌姫が歌うぞお前らー!」

ウタ「よろしくー!みんなで歌ってもりあがろー!」

村人『おお!』

ウタ「すう………」


『直に脳を揺らすベース!鼓膜ぶち破るドラム!

心の臓撫でるブラス!ピアノ!マカフェリ!!

五月雨な譜割りでShout out! Doo wop wop waaah!』

村人『いや無理!!』

サンジ「あちゃー…」


翌日

ウタ「私こんなの書いちゃってたんだ…」

ウソップ「すげぇ怖かったぞこの歌歌ってたときのお前」

ウタ「うーん、宴には向かなそうだけど…どうしよう」

ルフィ「えー俺聞きそびれた!あとでもっかい歌ってくれよー!」

ウタ「そう?それならまぁ…あとで清書するかぁ」


『これが後に敵の鼓膜をぶち破るウタの一曲、「ウタカタララバイ」の生まれた瞬間だった…』

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