料理の腕がそこそこでオカンなサンジから原作サンジへ

料理の腕がそこそこでオカンなサンジから原作サンジへ



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(そこそこサンジの言動は料理の腕は半人前だけどルフィが「お前の飯がいい」と言ったため原作よりも自己肯定感が高い、そしてちょっとドジ、というレスなどから膨らませました)

(オールブルーを見つける事よりもまず、海賊王のクルーにふさわしい料理人になる事を第一の目標にしてそうな気もします)




プルルルル……プルルルル……


麦わらの一味のコックであるサンジは、昼食の準備をしていた。

包丁さばきから火加減はもちろんの事、味付けも一味の1人1人に合わせる。元バラティエの副料理長(スーシェフ)であった彼は、食べる者全てを満足させる完璧な料理を作ることができた。

ある日、サニー号のキッチンに響く食材を調理する音に混じって電伝虫が鳴っている事に気がついたのは、鍋に火をかけフライパンに油をしいた時だった。

そもそもキッチンに電伝虫を置いた記憶はない、とサンジは今日一日を振り返った。しかし急に現れた見慣れない電伝虫をなぜか無視する気持ちにはなれず、仕方がなく受話器を取った。


ガチャ…

「あっ!! もしもし〜♡♡ 

んナミさァ〜〜〜〜ん♡♡♡」

受話器を取っていたサンジはその声を聞いて固まってしまった。



ありえない。



ナミさんの名前を気軽に呼んだ事にも怒りが沸いてきたが、相手が誰かと間違い電話をしている事や名を名乗る事もなく話し始めたことよりも

自分の声に似ている、

その事が衝撃的だった。


まるで、トーンダイアルを再生したかのようだ。しかしこんな声を録音した記憶はない。電伝虫から聞こえる声の主はいったい誰なのか。もし自分ではないのなら、“クローン”でもないかぎり声が全く同じなど絶対に、ありえないはずなのだ。


問いただそうと口を開いたが間髪入れず相手は話し始めてしまっていた。

「今日の世経の広告見ましたか〜〜♡♡今回、そこに載ってた料理グッズがお買い得でェ〜〜〜♡♡」

こちらの気持ちも考えず呑気に話す。1つ何か言うかどうしようかと考えていると、気になる事を口にした。

「この前買ってもらったみじん切り機がフランキーに勝手に改造されちまって、キッチンのドアを切り刻んだあとクソマリモ剣士に破壊された……!! だから今回は特に予算を多めに〜〜♡……」



みじん切り機……サンジはそのような物に心当たりはなかった。それに、世界経済新聞の広告にキッチン用品が出ている事など見た事も聞いた事もなかった。しかもコイツはまるで、毎回新聞をとっているかのような口ぶりをしている。

もしかするとこれは最近よく聞く新手の詐欺電話か何かかもしれない。そうだったなら、あとでナミさんやロビンちゃんに気をつけるように言っておかなくては。

しかし調理道具の広告が実際出ていたとしても買う事はないだろう。もし改めて道具を選ぶなら自分の目で見て買った物の方が安心できる。それに、レディたちに出す料理は最高に美味しいものにしたい。

「……いや、おれは紐を引っ張っただけなんだ……間違えてスイッチを押したとかじゃなくて……」

こちらが何も話さないからか、相手は弁明を始めた。


ふと、聞こえてくる相手の声に、何か別の音が混じっているような違和感を感じた。



「おいお前、ところで何か……

料理してるのか?」



すると声の主は驚きの声を上げた。

「えっ? あっ!やべっ!! 熱っ! うわっ焦げてるーー!!!」

相手は料理していたものを焦がしてしまったらしく大袈裟に驚くと、連続して慌ただしくキッチンを駆け回るような音が聞こえてきた。


……どうやらこのこの声の持ち主は、あまり料理が得意ではないらしい。

「失敗したこれはおれの分だな……」

独り言であろう言葉を電伝虫が拾う。

「ホッ……ってその声は男ォ!!!? 誰だてめェ!!! ナミさんをどこにやった!!!」

先ほどとは声の調子が180度変わったのを聞いて、相手がようやく違う人間と話していることに気がついたらしい、とサンジは苦笑した。

「焦げ付きを防ぐためには、まずちゃんと油をまんべんなくしく事だな レディたちの事を考えてヘルシーにしたいのなら植物性油を使うべきだ あと炒め物をする時は弱火は鉄則だぞ そして……そっちのナミさんにはあとでかけなおしておけよ」

「ちょ……ちょっと待て! フライパンに油、そして弱火…メモ!! メモはどこだ!!? ペンもどこだ!? ここにさっきあったんだけどな……!!」

電伝虫から、キッチンを駆け回っているであろう騒々しい音が再び聞こえるようになった。

なんだか無言で切るのも忍びないので、最後に一声だけかけて受話器を置くことにした。


「ーーーーーー」


ガチャリ…




キン…シュボッ


フー……


「新しい調理器具か……フランキーやウソップに言ってみてもいいかもな いやまずはナミさんに予算を……」

そんな事を考えながら、サンジは料理を待っているであろう仲間たちの笑顔を思い浮かべ、油の馴染んだ熱いフライパンに肉をのせた。








(普通電伝虫は環境音なんて拾わないって……!?)

(特別製なんですよ……! たぶん)

(元スレめちゃくちゃオカンに電話したくなるのでぜひ)

("みじん切り機" オカンはそう言わないが名称はフードプロフェッサーと聞く……)



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