敵意の矛先

敵意の矛先



「話とは 何だ?」

「せっかちだね まだ余裕あるだろう。 何飲む?」

「コーヒー 砂糖2とミルク」


にっ この依代子供舌か 追加で砂糖を入れる


「体にはまだ慣れてないみたいだね」

「まだ数日だからな。 俺の話からで良いか?」

「良いよ」

「俺の身体の事だ。 マステマ お前が関与しているんだろう。 悪魔でありながら神に仕えた者」

「よく分かったね」

「記憶を探る際に嫌な気を少し感じてな。 俺より上位の悪魔でかつ神に近しいとなれば限られる。 何故こんなことをした?」

「力だけを渡して無反動で使えないかの実験。 今の状態は俗に言うバグだね。 ザミエルが力を渡す。 要は必中の魔弾をエルに7発渡している状態でもある。 普段使いは威力の高い銃弾だけど、必中効果は無いからソコは成功、問題は必中の魔弾には制限がかかってしまった。 そして物語をある程度なぞってしまったのだろう。

戻れない2日は恐らく友達が彼を売り、そして次の日魔弾を作った、要は作るまで2日ほどかかったからだと思われる 推察だけれどね」

「面倒な」

「僕の出す条件を飲んでくれるなら解放してあげても良いよ?」

「何か良い方法があるのか?」

「うん 死んで欲しい」

「それは又何故?」


動揺する事なくコーヒーを飲む 


「君の依代が死ぬと強くなってくれそうな人を見つけてね。 バリアンとの戦闘で死んでくれ」

「断る 俺はあそこが気に入っている」

「配属されるようにするよ」

「そう言う問題では無い」

「仕方ない じゃあ君の魔弾を売ってくれ」

「どうやって?」

「最後の弾丸を撃つ際、その時だけは体を乗っ取れる筈だ。 君が狙いを定める弾丸だからね。 ソレで僕が万一生き残ったら殺してくれ」

「仮に引き受けた。 としよう。 魔弾を撃つタイミングで乗っ取るならその際に使ってしまう」

「僕が銃を弾こう 銃を取りに行く時乗っ取ってくれれば良い」

「俺たちと戦う気か。 どの程度なんだ」

「自己認識は災害級。 けど単体では殺戮級位だ。 今僕の本気を知る者は居ないから問題は無い」

「昔本気を出したなら記録は残っているだろう」

「確かに一部残ってはいる。 けど、物語の中でだ 誰も信じない」

「最後に本気を出したのは、いつだ?」

「どれだけ昔かは忘れたけど、ノアの方舟の時くらいだね 懐かしいな」

「大洪水の話か」

「その後に僕が出てくる。 ざっくり言うと、終末級が複数体降りてきた。 数は覚えていない その際全戦力を使い。 負けに近い引き分けまで持ち込んだ。 一番人口が残ったのはノア君のシェルターだ。 ノア君の所の終末は水を使ったから、そこから大洪水となったのだろう」

「そうか」

「その終末が水を使ったかは覚えてないけど」

「どっちだ」

「任せるよ 僕は後詰めで弱った終末級を二体封印まで持ち込んだ 火力無くてね僕」

「規格外だな」

「僕の力じゃ無い みんなが諦めなかったから何とか出来た。 百折不撓の意思のおかげだ。 そこから僕は魂集めを始めた。 バリアン含め使えそうな魂を回収してきた。 他にも仲間が居たが、何をしているかは本部の極秘情報だから話せない。

話を戻すとそろそろマズいなと思ってね。

君の事死んで欲しいと言ったでしょう。 あれ本心。 君が死ぬ事でバリアンに強い憎悪を持ってくれる子がウチにいてね。 けど、間違って本部に向けられたら困るからバリアンを利用して、要はバリアンと繋がってる。 独断で本部にあらぬ疑いを向けさせるわけにはいかないから、僕は手段の選び方がもう仲間のソレか疑わしい。 情報は選んでいるつもりだけど、このままでは取り返しのつかない事になる」

紅茶を飲む

「味方を殺してるならもう取り返しはつかないと思うぞ」

「正論だね。 君本当に悪魔かい?」

「悪魔だ」


「そう言う訳だ。 今度、よろしくね」

「はぁ…… 対価は先の情報でいいか」

「ソレとこの話は内密に」

「努力しよう」

「そうそう タイミングとしては大規模な奪還作戦の所に僕がバリアンと繋がってる証拠がある だからその日に仕留めてもらいたい」

「はぁ……」

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