教会の思索
かつて、宗教というものは真に光であった。けれども……その光に寄り付いたのは、聖職者と名のついた虫ばかり。 虫がつき、腐敗したそれは、異端狩りをするようになった。 異端は獣であると、そう信じ、ただ金儲けのための戦争や虐殺を行った。 けれども魔女狩りは儲けどころか教会の名声を穢す原因にもなった。
……その責任を、誰かに負わせなければならない。 そうだ、適任がいるじゃないか。 教会に居る狼が、都合良く。 狼は羊を子羊を食う。 迷える子羊を、食べてしまうのだ。 そうだ、悪いのは教会に潜む狼であったのだ。そうに違いない。 奴こそが異端だ!我々はその獰猛な狼に脅されていただけだ。狼狩りを行え! ついでに、あの嘘つきの魔女も神の下に送ってしまえばいいじゃないか。 あの少女の特異性と危険度を"少し誇張"して伝えれば、皆我々の魔女裁判が的当であったということを認めるはず。 狼と魔女、子羊を脅かすそれらを終わらせる我々は間違いなく聖なる神の信徒だ。 それに仇なすは神に仇なすのと同じ、 異端である。