教えてあげるSS
・えっちなことはしてないけど閲覧注意
・無知なアオイちゃんがクラスの子にもらったゴムが何かわからなくてペパ先に聞く話です
・ペパ先の理性ははがねタイプ
アオち、カレシいたよね?これあげる。
アオちのカレシ、アオちのメロメロにいつも当たってるみたいだけどさー、やっぱ盛り上がったときのお守りって必要じゃん?
って、クラスの子に言われて渡されたんだけど、ペパー、コレ知ってる?
彼氏なんてアオイにはいないけれど、よく間違えられる相手なら心当たりがあった。
親友のペパーだ。
なので、ピクニック中、手持ちのポケモンたちがはしゃぐ傍ら、アオイは出かける前に寮のエントランスでクラスメイトに渡されたそれをペパーに見せた。
アオイの知識にはないもの。
ペパーと盛り上がったときに使うものなら、アオイは知らなくても、ペパーなら知っているんじゃないかと思ったのだ。
「……、……ソレ……、……、ソイツ、男?」
顔をこわばらせたペパーが、ひどく言いにくそうに、低い声で尋ねてくる。
「ううん、女の子だよ。どうして?」
「なら、いい……、いや、よくはねーけど、まだいい……」
はー……、と肺が空になりそうなほどペパーが深くため息を吐く。
答えになっていない。
「まずはソレしまえ、な?」
「使わないの?」
「つかっ、わ、ねえ……!」
まだ早い、とうめくようなペパーの呟きを、アオイはよく聞き取れなかった。
「あ、やっぱりペパー使い方知ってるんだ。どうやって使うの?」
「……!ソレ、他のヤツには絶対聞くなよ……!」
「じゃあ、ペパーが教えてくれるの?ありがとう!」
パッと笑ったアオイに、ペパーはぎゅっと眉を寄せた。う、と喉奥でうめいて、ペパーは諦めたように目を伏せた。
ペパーの反応の意味をわかったのは、すっかりと説明を受けてからだった。
気づけばてのひらにぎゅっと握り込んで、ペパーからも自分からも隠すようにしながら、アオイは顔をうつむけていた。
顔も、耳も、首も、指先まで熱い。手汗でぬるりとパッケージが湿るのがわかって、それでまた背中に汗が浮かぶ。じわっと羞恥に涙がにじんだ。
「……わかったか?」
「うん……」
アオイはかすかにうなずく。とんでもないことを聞いてしまった。
それも、よりにもよってペパーになんて。
「……こんなこと説明させてごめんね、ペパー。わたし……、本当に知らなくて」
あー、とペパーが息を吐く。
「ま、まあ、知らねえもんは仕方ねえって。気にすんなよ、な?」
気にするに決まっている。けれど、ぎこちなく励まそうとしてくれているペパーの気づかいに、アオイはこくんと頷いた。
「──なあ、アオイ」
呼びかけられて、おそるおそる顔を上げれば、ペパーの顔もまだ真っ赤なままだった。
伸びてきたペパーの掌がアオイの手を包み込んできて、その中に隠したものをさらに意識させられる。
「……また、わかんねえことがあったらオレに聞けよ」
「……」
「他のヤツじゃなくて。……オレが、教えるから」
歯切れの悪いペパーの言葉。
どうして?とは聞けなかった。
ペパーの掌が燃えるように熱くて、碧い瞳が熱に揺らめいているのがわかる。
炎は温度が高ければ高いほど青みを帯びる、という話を思い出しながら、アオイはこくり、とうなずいた。
アオイの手の中におさまっているものの使い方を実地で教えてもらう日がいつ来るのかは、アルセウスのみぞ知る。