改造パーツのせいで性欲全振り人格になっちゃうダンテ

改造パーツのせいで性欲全振り人格になっちゃうダンテ


「────だ、ずらかるぞ!」

「記録が楽しみだな」

「俺たちで楽しめないのがもったいねえや」

(………?)

聞き覚えのない声が遠ざかっていく。完全に物音がしなくなったのを見計らって視界を開き身体を起こすと、ごちゃごちゃといろんな機械が置かれた部屋の中心の手術台で寝かされていたみたいだ。

《ここ、は》

クラクラする頭に手を当てる。休憩時間でみんなはそれぞれ出かけていって、ずっとバスの中にこもってるのも暇だから外で帰りを待っていて。そしたら、誰かに声を…。

(だめだ、これ以上思い出せない)

とりあえず外に出ようと手術台を降り、扉を開ける。電気が消されていて廊下は真っ暗だ。明かりを持ち出すか、あるいは手探りで進むべきか。迷っていると、暗闇の奥から幾筋かの光が向かってきた。

「…!見つけましたぞ管理人殿おおお!!!」

「あっ、まっておチビちゃん走らないで!?」

「やっとかよ…」

「思ったより早く見つかりましたね…!」

《うおあっ!?》

猛然と突進してきたドンキホーテに体当たりされて尻もちをつく。管理人殿おとぐりぐり頭を押しつけてくる彼女を撫でていると、どこか、妙な気持ちになってくる。

「見たところお怪我はなさそうですね、管理人様」

《うん。みんなは大丈夫?》

「ここを見つけたときはもうもぬけの殻だったからな」

「念のため中のほうも検査しておいたほうがよくないですか?義体に関係してそうな資料や実験道具もたくさんありましたし」

「そうですね。一度中を開いてみましょうか」

《えぇ、ちょっと怖いんだけど…》

「ファウスト嬢の手腕なれば、さほど心配することもあるまじ」

《…そうだね。むしろネジ一本持ってかれたりしてるほうが怖いし》

というわけで、いつぞやのように頭を開いてメンテナンスもどきをすることになった。見つけた椅子に座った私の後ろでカチャカチャと金属音がする。痛みはないけどどうにも背中がゾクゾクして落ち着かない。

《んッ……あ、ぅ…》

「……?」

「あら、どうかした?」

「…本来不要なはずのパーツが取りつけられています」

《えっ》

「取り外せねえのか?」

「かなり深い箇所、しかも構造的に重要な部品と隣接していますね。固定措置も複雑かつ入念です。部品自体も、おそらくはこれを取りつけた者が開発した一点物でしょう。確実かつ安全に取り除くためにはデータの入手が必須です」

「それまではダンテさんはこのままってことですか?」

「さらに言えば巻き戻しによる蘇生も控えるべきでしょう」

「そりゃそうだよなあ」

《わ、私がなにしたって言うんだ…!》

「バスのすぐそばとはいえ一人で無防備に外に出たのが悪いんじゃないですかね」

イシュメールの淡々とした指摘にぐうの音も出ない。がっくりと肩を落とす。

「ヴェルギリウスと本社には私から報告しておきます。身体や精神になにか変化が起こったらすぐに報告してください」

《はい…》

こうして無事に救出された私は、帰ってからヴェルギリウスにねちねちと叱られて、さらにしょぼくれながら自室に引っ込んだのだった。

────異変が起きたのは、そのすぐあとだ。

《ふうっ、ふうっ…!なんでッ、なんで止まんないんだよお…!?》

腫れ上がった性器をしごく手が止まらない。ヘコっヘコっと無様に腰を振る。先走りと精液でなにもかもぐちゃぐちゃになってしまっている。

《あっイクッ、またイッ…ちゃあ…!!あああ゛ッ!?》

何度も出したはずなのに未だに固さを保ったままの性器から白濁がどぷりとあふれる。射精直後の倦怠などお構いなしにまた手が勝手に竿を擦りあげる。

それだけじゃなくて。

(おまんこっ、おまんこ入れたい、びゅーって中に出したいぃ…!絶対気持ちいい、ウーティスとかお尻むちむちですっごくえっちで、ああでもロージャのおっぱいも吸いたいッ、じゅーって乳首甘えたい…!ファウストも、胸おっきいし肌真っ白で、おかすっ、おかしたいッ、ぐちゃぐちゃにして……ッ!?)

今までそんなこと考えたこともなかったのに、囚人たちにドロドロとした性欲を向けてしまう。恋人たちが睦むような優しいものではなくて、どこまでも自分本位な獣欲。こんなこと思ってはいけない、なにかがおかしい。

(なのに、なのにィッ…!)

《はあっ、はあっ…!まんこ犯す、孕ますっ、ぐっちゃぐちゃにして中に出す!メス奴隷にしたい…!うぅ、ちんぽもほし、ほしい、お腹あついっ、なんでぇ…!?》

口、いや、針が無意識に言葉を紡ぐ。無理やり植えつけられた下品な願望が暴き立てられて、そのせいで羞恥心が煽られて、それがまた興奮につながって。最悪な無限ループから抜け出せず、どうすることもできず私は快楽にもがくしかない。

異常があればすぐ言うように、と告げたファウストを思い出す。

(こんなのッ、言えるわけない…!)

《我慢、しなきゃ、ちゃんとがまん、が、ま、無理ぃッ♡ちんぽ我慢むりぃ♡ちゃんと、みんなの前ではちゃんとするから今だけっ、今日だけイク、いっぱいイ゛ッッ……お゛っっ!!♡♡》

足をピンッ♡と伸ばして、全身で絶頂を受け止める。間違っても、みんなに危害を加えないように。そのために今のうちに性欲を解消するだけ。そんな言い訳を並べ立て、結局日が昇るまで自慰にふけってしまった。


翌日以降も、異常な性欲と思考はまるで治まらなかった。調子がよくないと誤魔化して部屋にこもって、ギリギリまで自ら身体を嬲って欲を吐き出して、それでようやく平然を装って仕事に赴けるという有様だ。おまけに快楽を貪る箇所はもうペニスだけには留まらなくなってしまった。

(良秀の胸は小ぶりだと思ってたけど実は結構ありそうだなあ。ドンキホーテの中は締めつけがよさそうで…あ、どうしよ、貞操帯付けたチンポ大きくなれなくて痛いッ♡痛いの気持ちいい…!お腹、奥も疼く…♡ムルソーのでガン掘りされたいっ、ヒースクリフの絶対でっかい、ホンルにぐっちゃんぐっちゃんに種付けされたいぃ♡あはっ、グレゴールなら押し倒せば流されてくれるかなあ…?♡)

「いつまでぼーっとしているのですか」

《わッ!?》

少し休んでから戻ると言って残ったバスの中で悶々と妄想に耽っていれば、地を這うような声に咎められる。肩を縮めて見上げれば、我らが案内人様が不機嫌そうに睨んでいた。

「調子が悪いなら早く部屋に行ったほうがよろしいかと。管理人なら、自分の体調管理くらいしっかりしてほしいものですが」

《う、うん。ごめん……》

謝りかけて、ふと気づく。ヴェルギリウスに私の言葉はわからない。ここには、ほかの囚人もいない。

────今なら、私がなにを言っても。目の前の男が理解することはない。

《……ちん、ぽ》

「まあ、先日のパーツの件という可能性もある。あなたの責ではないかもしれませんが、それでも最近は迂闊すぎだ」

《私、ヴェルギリウスのおちんぽ、ほしい…!奥、おしりまんこいっぱいほじって、全部突っ込んで、壊してぇ…!は、ははっ、私、なに言ってんだろ…♡》

「自分が無力な存在だということはもう少し自覚してもらいたいものだな」

《おしりだけじゃなくてチンポも苦しいんだっ、ねえ、ヴェルギリウスの口貸してよッ!そのよく回る口にチンポねじ込んで喉ちんこ使って扱いてよお!♡胃に全部注いであげるから…!》

「あの工房から回収したデータも今日中には解析できるでしょう。そうとなればファウストさんのことだ、すぐ作業に取りかかるでしょうから心構えはしておいてください」

《ほしいっ、寄越せ、ちんぽも口まんこも尻も全部!♡私にザーメンぶっかけろ、中出ししろ♡キツキツまんこ私専用のオナホにしてやるっ、ちんぽも私だけの肉ディルドなんだからな…!♡》

「…ところで、さっきからカチカチとなにを言ってる?なにか不満がおありですか、ダンテ?」

《はひっ!?》

聞こえないのをいいことに淫猥な言葉をぶつけ続けていれば、さすがに怪しまれたのかその目に剣呑な光が宿る。なんでもないというように必死にジェスチャーをして、殴られたりする前に廊下に入って部屋に駆け込んだ。後ろ手に扉を閉め、しっかりと施錠する。

《はあっ、はあっ…!あっはあ…♡いっ…ちゃ、ったあ…♡》

震える手でトランクスごとズボンを下ろす。貞操帯でギチギチに締め付けられたペニスの先端から、とろとろと白い液体が漏れる。不機嫌なヴェルギリウスに興奮して、そのまま犯されちゃうかもなんて頭に過ぎって、そしたら、勝手に。

《もっとお♡もーっと、気持ちよくなる…♡》

服を脱ぎ捨て、貞操帯を外しながらベッドに近づく。下の空間を漁って引きずり出したのは、オナホールとディルドだ。ここ数週間で何度も買い換えた結果たどり着いた、自分にとっては極上とも言える逸品である。

《うひひっ…♡まんこにっ、ちんぽ入れる…♡おしり、ぐちゃぐちゃにするぅ…♡》

一旦ちぎれた理性の糸はもう見失って、自分でもなにを言ってるのやらわからない。性具とローションを抱えて浴室に入り、温かいシャワーを出しっぱなしにしながらディルドを床に張りつける。

《はーっ、はーっ…!》

興奮して、すごい勢いで針が回る。ローションをたっぷり手に取って、指をまとめて自分の尻穴に。ぐぽっ、じゅぽっとやらしい音をたてながらほぐしている間にディルドと、ついでにオナホの中にもローションをぶちまける。テラテラと光るペニスを模したそれにしゃぶりつけないのがもどかしい。

ほどなくして十分に広がったので、ディルドの上に跨る。

《ちんぽっ、ちんぽ入れる、奥…♡いただき、まぁす…♡あ、あ゛、ああ゛ッ…!♡お゛ぅ゛ッ…!♡》

前立腺をゴリゴリに刺激し、一番奥まで到達して、入れた直後なのに極まる。不健全な星が視界で散って、尿道を精液が駆け上ってくるのすらありありと感じさせられる。

《は、あ゛…♡オス子宮、すごぉ…!♡はらんじゃう…♡えへへ、チンポも気持ちよくなろーねえ…♡》

入口からだらしなくローションを漏らすオナホにも、ズブズブ自分の性器を埋め込んでいく。しっかりとキツいが、よく絡みついてくる。使いこむうちに程よく耕されたそれは、優しくチンポを包み込んでくれる。

《はああ…♡あぇ、力抜けちゃ…♡》

ぐぽんっ!♡

《ッ〜〜〜!!♡》

腰が抜けた拍子に結腸をぶち抜かれ、背を反らして喉をさらす。オナホの中にびゅくりと無様に出してしまう自分にすら欲情して、なりふり構わずヨガりながら快楽を貪った。

《はへっ、あお゛ッ!♡いぐいぐいぐちんぽもまんこもイクぅッ♡奥もっとぐちゅぐちゅう、まんこちゃんと締めろッ♡あぇ、なんらっけ、えへへぇ♡きもちよければどーでもいいやあ♡あーイクっ、まらイク、くるっ♡ぇ゛ッ、あ〜…♡》

ディルドで最奥を貫かれて、オナホに自分のちんぽも全部収めて、身体が硬直する。動かしてもいないのにずっと、ずーっとイキっぱなしで、きもちいい。ふわふわして、あたまばかに、ううんっ、とっくにこわれちゃったあ…♡

「────だからやめろ、マジでやめとけって!!」

「いい加減にそこをどけ。これ以上黄金の枝を捜索を滞らせるわけにもいかない」

「事は管理人様の沽券に関わる!貴様といえど通すわけには、っあ!?」

バァンッ!というすごい音に振り返る。無理やり蹴り開けたんだろう、ヒビが入ったガラス戸を踏みつけたヴェルギリウスが、ぽかんとした顔で私を見つめている。見られてる。えっちなの、ぜんぶ、みられ、ゔぇるの、おっきいの、おく、ほし、

《…ゔぇるぅ♡》

「なに、して、っ!?」

《えへへっ、ちんぽっおちんぽぉ♡》

力が入らない身体を立たせて彼の腰に取りつく。手が震えてお湯で滑って、うまくベルトが外せない。もどかしくて必死に股間に文字盤を擦りつける。

《おちんぽくらしゃいっ、淫乱時計頭のけつまんこにデカチンポぶっ込んでぇ♡頑張ってご奉仕するからぁ…♡》

「か、管理人様しっかりなさってください!」

《ウーティス、ウーティスかわいい♡ねえちゅーしよ、いっぱいきもちよくなろ?服脱いでおまんこ見せてよお、はーやーくー!》

「装置の排除を試みます、取り押さえてください!」

「くっ、おいっ暴れんなよ…!」

《んぇ?あれ、なんれみんないるっけえ?んー…いーや!それよりえっちしよ、きもちいいのいっぱいほしいからあ♡》

「うおあっ!?」

背後から羽交い締めにしてきたヒースクリフの股間を手の甲で撫でる。予想外の刺激で悲鳴をあげるのがかわいくてクスクス笑った。

《おっきくなあれ、がんばれっ、がんばれぇ♡ちんぽイライラしろっ、おしりゆるめろー♡ぜんぶ犯して搾りとって精液まみれにしゃうぞー!んぇへへ♡》

「…ダンテ。よろしいですか?」

《んー…?》

いつの間にか目の前に立っていたファウストが、心なしか揺れる目で私を見下ろしてくる。それだけで射精しそうだ。

「これからあなたに対して、少し作業をする必要があります。その間はなるべくじっとしていてください。自慰もしてはいけません」

《やだあ!我慢むりなのっ!》

「終わったら思う存分お付き合いしますから」

《ほんとっ!?》

「はい、本当ですよ」

《わかった、動かないっ!約束ねえ…♡》

「ありがとうございます。では、後ろを向いて」

「おい待て、いまのこいつと正面から向き合うなんざ俺はごめんだぞ!?」

「…ムルソーさん、お願いできますか」

「問題ない」

《ん゛っ、あ…♡》

拘束が解かれたかと思うとくるりと反転させられ、厚い胸板に倒れこむ。服にチンポの先端が擦れて腰が揺れる。

《んぅ゛、あー…♡》

「動いてはいけません、管理人様」

《わか、わかってるよお…でも、きもちっ…♡》

「………」

《ぅぐッ!?♡》

腰の辺りに足を回され、そのまま引き寄せられる。自分と彼の腹の間でチンポが押しつぶされる。衝撃で息が詰まり、私は必死にムルソーの肩にしがみついた。

《ォ゛ッ、オ゛ああ゛ッ!?♡い゛ッ、だ、ぎぼぢっ、ひっ!?♡っグ、い゛、ぢゃ、あ、あ゛〜♡》

「っ……」

「始めます」

ガチャンッ。頭の後ろで、なにかが開く。這い回る、中、かちゃかちゃ。いじら、れ、もち、きもち、これ、しゅき、あ、あ、あ、あ。

《あ…あー…♡んひっ、ひぃん…♡》

「ウーティスさん、工具を。はい、それです。…これを、こうっ、すれば…!」

ガチャンッ!!すごいおと。ぷつんって、まっくらに、なった。



「…眠った、か?」

「気絶したと言ったほうが適切でしょう。精神を歪ませるほどの影響を受けていましたから、外した際の衝撃もそのぶん大きいはずです」

「これでもとの管理人様に戻るのだな?」

「精神的な歪みは。しかし、開発してしまった身体までは戻りませんし、場合によってはメンタルケアも必要でしょう」

「開発言うなよ、生々しいから…」

「…なあ、終わったか?旦那大丈夫そうか?」

「おチビちゃんたちは念のため部屋に…あ、あらら…」

「うわあ、ひどい状態ですね。一朝一夕じゃこんな身体になりませんよ」

「それだけ私たちに見せないように我慢してたってことでしょうね…」

「…今ほどこいつの言葉がわからなくてよかったと思ったことはないな」

「熱烈に求められていましたね」

「やめてくれ、夢に出る」

「い・あ」

「意外とありじゃねえか、と言っている」

「なしだ」

「…結構乱暴に外してたけどよお、運よくここ最近の記憶ごと吹っ飛んだりしてねえか?」

「それはそれで問題じゃない?」

「その点も計算して取り外しましたが、起きたあとは念のため検査をしたほうがよさそうですね。…さて、ダンテが起きる前に諸々の後処理をしてしまいましょう」

※記憶は吹っ飛ばなかったし、性欲は治まったものの身体の疼きは治らなかったし、定期的に抱いたり抱かれたりしなきゃならなくなった

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