推しのポケ

推しのポケ



テレビで初めてポケモン歌手を見た時の衝撃は今でも忘れない

舞台の中心に立っていたのは人ではなくポケモン。

煌びやかな光、素晴らしい音楽、そしてファンの人の声援 全てがそのポケモン歌手に注がれていた

こうなりたいと当時アシマリだった私は思った



そして現在 ガラル地方のある施設

「さぁみんなー‼︎有名なアシレーヌが歌いにきてくれたよーーー‼︎」

「「「「「「「「「「ワァーーーーーーーー」」」」」」」」」」

私は大人気歌手になった

…ただし、ポケモンに人気の

何故か私の歌声は人を魅了することはできない代わりにポケモンをめちゃくちゃ魅了することができるらしい

そのため私は立ちたかったライブステージ…ではなく主に育て屋や預かり屋で歌を歌っている

いや嬉しいよ‼︎?だって私めちゃくちゃ有名らしいもん‼︎ニュースに結構なってるもん‼︎グッズも結構売れてるらしいもん‼︎

でも‼︎でも‼︎でもさぁ‼︎贅沢な悩みかも知れないけどさぁっ

人の応援が欲しかったなーなんて思ったり思わなかったり

そんななんとも言えない思いを抱えながら今日もポケモン相手に歌を歌う

ありがたいことに今回ライブも大成功みたいだ

「本日はありがとうございました。すごいですね彼女の歌声、普段はカレーを作っても全然ポケモンたちは集まらないんですけど、彼女が歌い始めて1分足らずでほとんどのポケモンがきましたよ」

「それはよかったです」

「それとこの後握手会を行っても大丈夫ですか?どうしても会いたそうにしているポケモンたちがたくさんいるので」

「はい‼︎大丈夫ですよ(ニコニ)」

預かり屋のお姉さんとトレーナー兼マネージャーが話をしている。どうやらこの後はいつも通り握手会があるらしい

その後も特に目立った変化もなく普通に握手会をこなし(タイレーツが5体のうち一体だけしか握手できないせいで誰が握手するかで喧嘩が起きたが)エンジンシティのホテルに到着した


「俺は好きなんだけどねぇアシレーヌの歌」

トレーナーは昔から私の悩みをなんとなく理解してくれているからいつものように励ましの言葉を投げかけてくれる

「不思議だよねぇほんと、初めて公園でライブした時の衝撃は今でも忘れないよ。子供達が逃げたと思ったら、いろんなポケモンが殺到してきて最後はドヒドイデの群れがが大量にきて大騒ぎになったなぁ。おかげで有名になれたんだけどね」

そうなのだ一般的に見れば私は明らかに恵まれている側の歌手だ、方向性はともかく間違いなく有名にはなれているし、いろんな場所でいろんな人…じゃなくてポケモンが私の歌を楽しみにしてくれているのだ

不満の言葉を吐くのは間違っているのは理解しているがそれでもやっぱり…私は人に聞いて欲しかった

「でもねアシレーヌ、君は嫌かもしれないけど俺はこの状況が少し嬉しいんだよね」

???

「だってさ?少なくとも人の人気は俺が独占してるじゃん」

「君の歌のファンとしては…これ以上ない幸福だろ?」

それは独占欲か慰めの言葉か、私には判断がつかなかったが…とにかくとても嬉しかった


ホテルの一室にうたかたのアリアが鳴り響く

たった1人の…自分を支えてくれているファンに向けて








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