拓海の嫁決定戦!
モテパニ作者あまね「第一回!品田拓海の嫁決定戦!みんな!品田の嫁になりたいかー!?」
『おー!』
拓海「なんだこれ…」
いつものあまねの思いつきによる呼びかけによりプリキュア達が集まった。
拓海「俺の嫁決定戦って、それになんでこんなに参加者がいるんだよ…」
ソラ「あまねさんからお誘いがあったんです。ウエディングフォト?というものでドレスを着て拓海さんと写真を撮らないかと」
のどか「うん。せっかくだからドレス着て写真撮ってみたいな〜って思って」
拓海「そういうことか」
ようは拓海に新郎役をやれということだ。
本命はあくまでドレスということだろう。
拓海「でも相手が俺でもいいのか?」
ここね「拓海先輩以外頼みたい相手がいませんから」
さあや「うん。頼みたいのは拓海だけだよね」
ローラ「このわたしの相手役をさせてあげるんだからもっと喜びなさい!」
という感じでみんな拓海が相手なのに異論は無いようだった。
拓海としてもそういった信頼が嬉しくはあった。
拓海「…てか、ゆいも参加するのか?」
ゆい「うん。拓海応援してくれる?」
そして想い人までこのイベントに参加してくれるという拓海には嬉しいサプライズ。
そんなの応援するに決まって…
あまね「おっとゆい、いくらきみでも今回ばかりは品田には中立を保ってくれなければ困る。よって品田も決して誰も応援しないように」
ゆい「そっかー、じゃあ仕方ないや」
拓海「………俺が誰にも寄らないなら誰が決めるんだ?」
拓海の相手を決めるのに拓海は誰の肩を持つなという割と無茶を言うあまね。
では誰が判断するのか…?
あまね「ふっ、それは彼女たちに決めてもらおうじゃないか」
拓海「彼女たち…?」
あまねがそう言うと3人の女性が現れる。
ダークドリーム「拓海の嫁決定戦の審査員を務めます。小姑1号ダークドリームです」
みなみ「えっと…同じく小姑2号のみなみです」
カイゼリン「小姑3号のカイゼリンだ」
ダークドリーム「さあ!私たちを認めさせられるかしら!?」
拓海「なにやってんだ…みなみと姉さんまで…」
ダークドリーム「あまねに頼まれてね。今度パフェを奢るからやってくれって」
みなみ「私は部屋で勉強していたらダークドリームに来てくれって誘われて」
カイゼリン「拓海が嫁をとるならば姉としてしっかり見極めねばな」
拓海「(姉さんなんか勘違いしてる?)」
あくまで新郎役というだけなのだが、どうもほんとに結婚すると思われていそうだ。
あまね「というわけでこれから審査員の3人がそれぞれ課題を出しそれを3人が点数制の10点満点で評価していく。三つの課題の合計点が一番高かった者が品田の嫁としてタキシードを着た品田とドレスを着て写真を撮れるぞ。品田も異存は無いな?」
拓海「まあ、みんながいいなら俺も別にいいよ」
ダークドリーム「さあ!まずは私からお題をだすわ!お題は料理!私たちに美味しい料理を食べさせてみなさい!」
拓海「(料理か、ダークドリームは食べるのが好きだし、みなみは良いもの食べて育ってきてる。姉さんは評価厳しそうだし、シビアな対決になりそうだ)」
すっかり観客気分で対決の行く末を見守る拓海。
はたしてどうなるのか…
〜〜〜
拓海「すげえ…なんというか、審査員が全員判定が甘い…」
厳しい戦いになると予想していた料理対決は審査員が軒並み高評価を降し、最大で29点最低でも25点という団子状態で終わる。
ダークドリーム「全部美味しかったから」
みなみ「ええまあ、ケチを付けるような物はなかったわ」
カイゼリン「なんという物を食わせてくれる…これらに比べればアンダーグ帝国での食事などカスでは無いか…!」
若干一名闇が見える事を言っている。
そもそも拓海が難しく考えすぎていたようだ。
ダークドリームは食べるのが好きといっても大してこだわりの無いタイプだし、みなみも舌が多少肥えていても別に偏食の気は無い。
みんな低評価を付ける理由が無かったのだ。
みなみ「じゃあ次は私ね」
しかしそれは料理対決での話、次の対決からはおそらく点差が動く…
みなみ「では私が出す課題はコミュニケーション能力。やはり私たちの立場なら付き合いやすさは重要な評価ポイントよ。これから私たちと簡単な会話をしてその印象で点数を付ける。それでいい?」
みなみの確認に何名かが息を呑む。
拓海「………」
〜〜〜
結果は、またしてもほぼ横並びの高得点だった。
拓海「まあこうなる気はしてた」
不特定多数への対人スキルならともかく、審査員三人からの印象などすでに確認するまでも無い。
気に入らない相手とこんなイベントを一緒にやれるものか。
あまね「ふむ、私が想定していた以上にダンゴ状態だな。一位と最下位の差が5点も無いとは」
ララ「まだ取り戻せるルン!」
決着をつけるカイゼリンのお題は…?
カイゼリン「最後は私だな、私が課すのは一つ。皆己の言の葉に乗せて拓海への想いを語ってみせよ」
ことは「言の葉!?」
モフルン「はーちゃんは参加してないから大人しくみらいとリコを応援するモフ」
ここに来てシンプルなお題。
しかし難しいお題だ。
拓海「(みんなあくまでドレスでの写真が目当てなんだろうし、姉さんが納得するような答えを言えるか?)」
というのはあくまで拓海へ好意を悟られない言い訳であるが、その言い訳があるが故に根っこの本心を言えないのは手痛いハンデと言えた。
ゆい「じゃああたしから」
しかしそのハンデを背負っていない者が一人。
僅かな差ながら現在一位のゆいがいく。
ゆい「それではこほん。あたし拓海がいてくれるとすごく安心できるんだ。小さな頃からず〜っと近くにいてくれて、これからもそれが続いて欲しいなって思うんだ」
拓海「(優勝)」
ゆいの真っ直ぐな思いの丈、彼女を想う拓海からしたらたまらなかった。
もう彼の中でゆいは優勝していた。
それに対して審査員たちの判定は…
9点、8点、5点、合計22点。
拓海「い、今までで最低点だと…!」
ゆい「そんな〜!」
先程までMAXに近い点数を取っていたゆいの点数が陰りを見せる。
理由は明白、カイゼリンの点数が低いのだ。
カイゼリン「悪いとは言わん。だが、ただ側にいるだけが伴侶の形とは私は思わんな」
拓海「(スキアヘッドのこと言ってんのか…?)」
数百年の間偽りの愛を語りただただ側に居続けただけの男を愛していたカイゼリンにとってゆいの答えはあまり気にいるものではなかったようだ。
そう。このお題の正解は拓海が気にいるかではなく審査員の三人が気にいるかが重要なのだ。
残された者達に緊張感が走る。
本命のゆいがこの結果なのだから気を引き締めねばと…
〜〜〜
他のプリキュア達もどんどん拓海への想いを綴ろうとするが、心根を全て曝け出せないハンデはやはり大きく、みんな点数が伸びなかった。
拓海「(結果的に一番高いのはゆいか)」
全員が伸びなかった故に僅かでもリードしていたゆいが逃げきれそうな位置にいた。
拓海としては嬉しいが…
カイゼリン「………」
カイゼリンは不満そうだ。
それもそのはず、見極めるためにこの立場を引き受けたのにこのままではなし崩しで勝者が決まってしまう。
さらにいうならこのままなら勝ちを拾えそうなゆいも浮かない顔をしていた。
ゆいからしてもあまり面白くない勝ち方なのだろう。
そんな中、最後の挑戦者が挑む。
みらい「よろしくお願いします!」
最後に残ったのは朝比奈みらい。
この集まりに入ってから比較的日が浅い少女だ。
カイゼリン「では言ってみろ、お前の拓海への想いを」
みらい「はい。わたしが拓海くんをどう想ってるか…正直まだ全然わかりません」
『!?』
答えを求められたのにわからない。
まさかの回答放棄?いやみらいはそんな様子ではない。
みらい「わたしが拓海くんとお近づきになったきっかけははーちゃんでした。はーちゃんがこの前あった騒動をきっかけにゆいちゃん達と仲良くなって、そこからわたしもその繋がりで」
この前あった騒動、シュプリームの事件の事だ。
はーちゃんが本格的に輪に入るまではそれなりに時間がかかったが、やはりきっかけはあの一件が大きい。
みらい「でもはーちゃんはもちろんリコもすぐみんなと仲良くなる中わたしはあんまり馴染めなくて、近い時期にテレビに出る事になっちゃったのもありますけど」
カイゼリン「ああ、そういえばお前はバッタモンダーとテレビ番組とやらに出ているのだったな」
ダークドリーム「ワクワクちゃんの番組大好き」
みらい「まあそれは置いておいて、そんなわけでわたしはみんなとも拓海くんともあまり付き合いが無かったんですけど、それが変わったのはこの前のバレンタインです」
拓海「(朝比奈とバレンタインに何かあったか?)」
みらいのスピーチを横で聞く拓海だが、バレンタインにみらいと何か特別な事があったような覚えが無かった。
みらい「モフルンおいで」
モフルン「モフ?」
突然呼ばれる疑問を浮かべるモフルン。
疑問はあったものの素直にみらいの元へ駆けつける。
みらいはモフルンを抱きかかえる。
みらい「拓海くんバレンタインにモフルンにもチョコをくれたよね?」
拓海「ん?まあな」
みらい「わたし嬉しかったんだ。まだ付き合いの浅いわたしの大事な友達、家族のモフルンを当たり前の存在として扱ってた事が。それからまだ日は浅いけど、拓海くんと会うのがワクワクするようになった。だから今どう想ってるかじゃなくて、これから仲良くなってどう想うかを知りたいの!もちろんモフルンやリコ、はーちゃんとも一緒に」
カイゼリン「………そうか」
みらいのスピーチが終わる。
そしてその結果は…
9点、10点、10点、合計29点。
二時審査終了時点で点差は最大4、二時審査時点でトップだったゆいが22点で暫定トップだった。つまり…!
あまね「優勝は…みらいだ」
みらい「やったー!」
まさかのダークホース。みらいが優勝を決めた。
あまね「おめでとう。それではみらいはドレスに着替えて品田と写真を…」
みらい「待って、それならリコとはーちゃんとモフルンも一緒に撮ろうよ!」
リコ「え!?」
ことは「はー!面白そう!」
モフルン「いい考えモフー!」
あまね「待て待て、ドレスは一人分しか借りられないんだ。つまりみらいしか…」
ことは「任せて!キュアップラパパ!ドレス姿になりなさい!」
はーちゃんが魔法を唱えるとみらいもリコもはーちゃんもモフルンもドレス姿に変わっていく。
それだけではなく…
らん「はにゃ!?らんらん達も!?」
ダークドリーム「私たちの方もみたいね」
その場全員がドレス姿になっていく。
拓海「おい花海!俺までなってるぞ!」
その場全員なら当然拓海も。
ましろ(まし拓)「拓のドレス姿ー!」
さあや「!」カシャカシャカシャカシャカシャ!
拓海「おい薬師寺!撮るな!」
さあや「あ、ごめんつい」
ことは「ごめんごめん、キュアップラパパ!拓海はタキシード!」
はーちゃんが再度唱えると拓海はタキシード姿に変わる。
みらい「よーし!せっかくみんな綺麗なドレスに着替えたんだからみんなで写真撮っちゃおう!」
ソラ「え!いいんですか!?」
あまね「勝者が許可したんだ。当然許されるはずさ。もっとも品田が反対なら許されないかもしれないがどうする?」
拓海「構わねえよ、朝比奈がそれでいいなら。それに…」
ゆいもカイゼリンも先程の浮かない顔が晴れている。
みらいがそれを晴らしたのだ。
ダークドリーム「みんなって私たちも?」
みなみ「ふふっ、たまにはいいじゃない」
カイゼリン「戯れだ、付き合ってやろう」
これで拓海はその場全員とのウエディングフォトが決まる。
みらい「でもまずはわたしたちから!リコ!はーちゃん!モフルン!」
リコ「わ、私は別に…って!はーちゃん押さないで!」
ことは「はー!みんなで撮ろー!」
モフルン「せっかくだから拓海に抱っこして欲しいモフー」
リコ達が拓海とみらいの元へ辿りつき、五人で並ぶ。
さあや「はーい、じゃあ笑ってー」
カシャリ。とシャッター音が響く。
拓海とみらい、そこにリコ達三人が加わり当初の予定のツーショットでは無くなったしまったが、その写真はとても素晴らしい一枚になった。
〜〜〜
そしてしばらくして撮影会となったイベントが終わると。
拓海「なあダークドリーム」
ダークドリーム「なに?」
拓海「一つ聞きたいんだけど、お前なんで一度も10点を出さなかったんだ?」
そう、今回の三つの審査、いずれも最高点は29点。
その最後の1点を出さなかったのはみなみでもカイゼリンでもなくダークドリームであった。
けっして彼女の評価は厳しくは無かった。
ほとんどが9点、低くても8点を出すという高得点連発で今回評価した得点を合計するとダークドリームが一番高いまである。
なのに10点だけは何故出さなかったのか。
ダークドリーム「………内緒よ」
拓海「…そうか」
正直そこまで深刻でもない理由が返ってくるかと思いきや、答えは返ってこなかった…