打ち切り
「お前は生きてはならないモノだ」
襤褸を纏った子は少女と思えない低い声でアーシャに短剣を突きつける。
その子の側には一緒に悪い王様をやっつけたはずの輝きがいて。
あの時みたいに楽しそうな様子でこちらを見ていた。
「どうして?話せば分かるわ!だからそれを」
降ろしてと伝える前に痛みが襲う。
「お前は生きてはならない」
赤い
「言葉を話すのも許さない」
痛い
「苦しみなく死なせてもやらない」
辛い
「気持ちが悪い」
やめて
もういやだ
「こんなものか」
顔など見られたくもなかったから隠していた。
薄汚れた白い肌。濁った緑の目。
ふわふわとしていた筈の金の髪は乱雑に切られていた。
こんなものを気にする余裕などない。
星が何か言っている。うるさい。
信用もできないお前になど頼らない。
剣の手入れをする。汚れたから。
いつもなら身ぐるみを剥いでいるが今回はやめた。