戴冠式

戴冠式

(米国ダート女王×怠惰な労働者)

(BL/GL/NLで区分するならNL 伝わる表現が名前欄しか思い浮かばなかったので許して)

(初テレグラフ初擬人化チャレンジ、ラブホエアプなのでいろいろと許して欲しい)



「あーストップストップ!ちょっと待て。」

ひとりを見送り、もうひとり目の前を通り過ぎようとした時、思わず声が出てしまった。

「おい、ウシュバ、お前何考えてんだ?」

「何って作戦会議するだけだけど。」

「本当か?本当にそうか?」

作戦会議ならうちじゃないところでやってほしい。

「そうだよ。じいちゃんがやってるでしょ、ここ。スパイ的なやつ気にしないでいいし。だから合理的だよ。」

「合理的判断ができるやつは二人きりでラブホ入んないんだよ、わかれよ。」

状況を整理出来ずに発した言葉はただ聞いただけではわからない論理を展開する。

そもそもの話、ウチを使うことは正直全くもって問題ない。ただどう考えても相手がまずいのだ。

「ちょっとまっててくれ、部屋、片付けてくる。」

「いや、心配するのはわかるけど。」

「パソコンだってでっかいスクリーンだってなんだってあるものは貸してやる。作戦会議に必要ないものを」

「……別になくたってできるじゃん」

……今なんと?

老婆心なんざ吹き飛んでしまうほどのその発言で、なるべく顔を見てやりたくなかった相手を見てしまう。

作戦会議は、という話ではなさそうな、バツが悪そうに目を逸らし頬を紅潮させた彼女。米国ダート攻略のため、教えを乞うとしたら、彼女以上の適任は日本には存在しないのは間違いないのだが。

女王を連れ出してこんなところで休日を満喫するなんて。確かにそこらのセキュリティの薄そうなアパートよりかはちゃんとしているつもりではあるが、見つかっても泳がせてもらえるほど広くもないだろう。

「ねぇ、おじいちゃん。大丈夫だよ。先生と、生徒。それ以上、なんでもない。」

「マルシュもこう言ってるんだしさ。だから行かせて欲しい。」

「……協力はしてやる。その先は知らないぞ。」

    〈 ア ド リ ブ 〉

彼はただ、気の向くままで。真実の口は女王を誑かすようなワルいオトコに、何を授けるのだろうか。

     〈 ア ド リ ブ 〉

彼女もまた、気の向くままで。栄誉を獲った自由なひとりのオンナとして、それを与えるのだろうか。

永遠に忘れられない思い出をうちに秘めたなら。

永遠に忘れられない栄光を二人で掴み取ったなら。

彼らは、『女王』と『労働者』に

戻れるのだろうか?


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「ねぇ」

彼女は無邪気に笑っている。

「あんなに強気になれるんだね、ウシュバも。ちょっとびっくりしちゃった。」

「まぁそうだな…俺が呼ばれたし、話はつけておかないと。」

「私との時は弱気のくせに。そんなにご褒美、欲しかったの?」








以下言い訳のような何か&元ネタタイム



ローマの休日テイストチックなナニカを描きたくなった

2×2でコロネーション(=英語で戴冠式)だね(知らない人はコロネーションという競走馬を調べてもらえれば)

ギルティな話が書きたくなった(初書き)

約3年ぶりの創作。

(最後のやりとり入れるかをかなり悩んだけど書きたくなっちゃったので入れた)

(推敲が足りない気がするけどどこ直すべきかわからないブランク故の悩み)

これらをごった混ぜにして出力されたものが新たな概念を植え付けれたなら幸いです。

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