成果

成果


「…入金を確認した、持ってけ。」


ブラックマーケットの薄暗い路地にて。

暗めの赤を基調とした制服に身を包んだ少女、ムツキ。

彼女は小窓越しに怪しげな男と交渉していた。


「この情報…確かなんだよね?」


「裏取りもしてない様じゃ、情報屋として食っていけねぇよ。」


「…爆破されなくて良かったね。」


「はっ…言ってろ。」


(やっと…やっと…!)


ムツキは飛び跳ねそうな心を何とか押さえつけ、ポーカーフェイスのままにその場を去る。

アルとハルカの二人から静かに離れ、一人で裏社会の暗部を探る行為は危険を極めた。

当然、公に事故死で片付けられている人物に関する情報など無い。

故に、彼女はカヨコが死亡した場所を手配し、事故を装える人物を虱潰しに調べたのだ。

あまりにも無謀な行為。だがそれも遂に報われた。

犯人候補の中で唯一アリバイが偽装されている男がいたのだ。

そいつはカヨコが以前捕まえた男であり、事故時には秘密裏に釈放されていた。

その上、男を逮捕したヴァルキューレ生達はその釈放後に部署ごと”何故か”更迭され、各々が辞職後に失踪している。

保護された娼婦達も書類上ではいるはずの場所におらず、移転と書類不備でこれまた所在不明。

男をクロと断定する情報はどうやっても掴めなかった。

相当警戒心が強いのか表には立たず、顔写真も約15年程前のものしか手に入らなかった。

周りを固める情報も念入りにもみ消されていたため、間違いないだろう。

そして、今手に入れたものはムツキが自らの手で事実を確認できる物だった。


「裏の重鎮ばかり集めたパーティ…必ず会場には現れるはず…!」


男が主催のパーティ。その日時や参加方法、そして不可欠な本物の招待状だ。

この招待状は重鎮達の同伴者用だが、余ったものを参加者から情報屋が買い取ったらしい。

その招待状を更にムツキが買い取ったため、これまで稼いだ金の殆どをつぎ込むハメになった。

だが、これで会場に潜り込める。求め始めた当初はそのハズだった。


「ふ、ふふ…どう料理しちゃおっかなぁ…!!」


ムツキにとって、男が犯人であるという真偽は最早どうでも良くなっていた。

長い間死線を潜り抜け、命がけの綱渡りを続けてきた彼女は狂気に呑まれていたのだ。

彼女は躍起になりすぎて何度か誤って一線を越えてしまっていた。

そして気がつけば連邦生徒会から指名手配され、ゲヘナからも退学処分を下されていたという始末。

もう、後に退くことは出来ない。

今はただ”カヨコの仇”を討ち、鬱憤を晴らしてアル達の下に帰りたい一心。

いつまでも続くとすら思えるこの地獄を早く終わらせたかった。


・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


「…おい、嬢ちゃん…………センサーも、反応無し…よし、行ったな。」

「…もしもし旦那?指示通り売ったぜ。」


『ご苦労だった。お前への報酬は既に支払い済みだ、確認しろ。』


「顔まで知ってる俺にも非通知通話のボイチェンか…筋金入りだよ、アンタ。」

「毎度あり、今後ともご贔屓に。」

「…ふう。”情報は確かか?”、ねぇ…ああ、確かだとも。」


故に、情報屋が不穏なやり取りをしていた事にも気づけなかった。


──────────────────


「どうでしたか、ご主人?」


006番は若干見上げる形で背後の男の顔を見遣る。

人の心を理解できない彼女が唯一気を遣う場面が今だった。

417番の上映会は主観的には非常に面白かったが、男もそうだとは限らない。

彼からの顰蹙を買うなら、417番は八つ裂きにしても構わないとすら考えていた。

故にその内心は期待半分、恐れ半分といったところだ。

そして男は───


「く…く、ははははは…!!」


堪えきれず、笑っていた。

一方で006番は目を白黒させる。

彼がここまで笑う姿を見たのは初めてだったからだ。


「ご、ご主人…?」


恐る恐る006番は男に尋ねる。

すると男は酷く楽しそうに彼女に問い始めた。


「お前、ワシの行動をどこかで見ていたか?」


「い、いえ…」


「では、417番に仲間がいたことは?」


「…そういえば社長だとか言ってたような…?」

「…私…何かやらかしましたか…!?」


普段とは明らかに異なる主人の様子に、006番の恐れは限界を越える。

そして、自身のどこに過失があったのかを震える声で尋ねた。

彼女がこの世で最も恐れているものは、男に見捨てられることだったからだ。

だが、男にそんなつもりは一切無かった。


「いや…むしろ良くやったと褒めてやろう…しかし…」

「本当に知らないのか!く、くく…!嗤わずにはおれんよ…!」


「良かった…では、何でそんなに笑ってるんです?」


「くく…!これを見よ。」


胸を撫で下ろした彼女はいつもの調子を取り戻す。

そして、男の差し出した資料を見て絶句した。

こんな偶然があるものなのかと、その目を見開く。


「パーティは来週だ…そこに合わせられるか?」

「いや、お前ならできる。…そうだろう?」


「っ…!はい、もちろんです…!だって、この私がやるんですから!」


「そうと決まれば検品だな、いつものあそこでやるぞ。」


「はい!では準備してきますので、15分後にお越しください!」


006番は満面の笑みを以て主人の期待に是と答える。

二人は来るべきその日に思いを馳せていた。


──────────────────


「ふぅぅ…!ふぅぅ…!んんっ…!んふぅ…!」


ああ、身体が熱い。火照って堪らない。

今すぐおまんこを硬くて逞しいおチンポ様に掻き回されたい。

お客様方のおチンポ様で穴ぼこだらけの身体を埋めてもらいたい。

膣内にこってりとしたザーメンを流し込まれたい。

口枷の下のロングディルドは、動く度にゴリゴリと擦れて破壊的な快楽を与えてくれていた。

これだけでもイキそう。でもダメ、堪えなきゃ。

イクことは赦されてない。許可されてないのにイッたから。

だから私は、生殺し状態でランニングマシン上でひたすらに歩き続ける。

手足は折り畳んで拘束され、クッションの付いた肘と膝が私の足代わりだ。

拘束自体も厳しく締め付けられ、どれだけ動いても緩む気配すら見せない。

故に、私は犬の様に歩く。…いや、”御犬様のマネをさせて頂いている”のだ。

この私、417番は、あらゆる生物よりも下なのだから。


(私は、卑しいゴミ雌…!殿方にザーメンを恵んで頂かないと生きていけない、畜生以下の存在…!)

(あぁ…!考えるだけで気持ち良い…!イキそう…!顔も身体も…ギチギチってぇ…!)


顔を這うフェイスクラッチハーネスや全身の拘束が、支配して頂いていることを実感させてくれる。

この生活にもすっかり慣れた。今となっては、以前の自分が全く理解できない。

罵られることは気持ちよくて、おチンポ様に肉を耕してもらうことは最高で、ザーメンは至福の味。

逆らう事は論外で、淫乱であるのは当然で、使って頂けるのはとても光栄な事。

こんな当然の事が何故わからず、否定までしていたのか。

ましてや、人として扱ってもらおうだなんて、何と畏れ多い事を考えていたのだろう。


(…本当に、あの頃の私は廃棄されても何の文句も言えなかったなぁ…)

(廃棄しないで頂けたのは、偏に私を変えて下さった006番さんと主様の半身のおかげ…)


心の底から以前の自分の愚鈍さ、無能さ、傲慢さを嫌悪する。

そして同時に私を調教してくれた方と、愛しい主様から授かったその半身に感謝していた。

そんな時、扉が開く音とほぼ同時に声が聞こえる。


「417番、こっちに来て?」


間違いなく私の名前が呼ばれた。早く行かなければ。

目隠しをされていてその姿を見ることは叶わないが、そこにいることはわかる。

私はジタバタと手足を動かし、その声の下に辿り着く。

すると、喉元でカチンという音が鳴った。

これはリードの音だ。どこかに私を連れて行くのだろう。

引かれるがままに、私は全力で着いていく。


「んふぅ…!お”う”っ!ふぅぅ…!んんっ…!」


喉壁は動いた事でディルドに抉られ、凄まじい快楽が走っていた。

その他にも、髪と結ばれたアナルフックが引かれてアナルがメリメリと音を上げる。

放り出されてるおっぱいとボテ腹がだぷん、だぽん、と揺れながら地面と擦れ、ピアスがチャリチャリと床で跳ねると快楽が脳を焼き焦がす。

感度を高めて頂いた私の身体に与えられるそれらの刺激は強烈だった。

それこそ、改良して頂く前の身体で本気のオナニーをしていた時と大差無いと思う程に。

早くイキたい。だけど堪えなきゃ。研修でイッた時のお仕置きは既に37回目だ。

次に許可無くイッたら、また絶頂禁止期間が伸びてしまう。

そう考えていると、扉の開閉音の後に静止した。

どうやら目的地に着いたようだ。


「うふふっ、いい娘ですね~♪」


褒めて頂けた。こんな私を褒めて頂けた。

嬉しい。とても嬉しい。その上、頭まで撫でて頂けるなんて。

本当に私は幸せ者だ。


「下の穴も良好ですね。黄色い方なら後で本気のお仕置きでしたが。」


股間からボタボタと汁が垂れている。

内股を伝う感覚でわかる。これは私の愛液だ。

ミルク色で、ベトベトしていて、それでいて甘い匂いがするそれ。

喜ぶ時には反射的に出る様にして頂いた、最早自分でも止めようの無いものだ。

少し前まではこんなのじゃなかったけど、そっちの方が良いと言われた。


「んむぅぅ…!ふぅぅ…!」


「お仕置きは…まあ、今日は大目に見てあげましょう。」

「では、今から貴女に用事があるのでお着替えしましょうか?」


006番さんに口元の金具がパチンと外され、肌が空気に触れる。

金具はディルドとの間に媚薬に変えて頂いた唾液で、銀色の橋を作りながら離れる。

次いで、ディルドを固定する為の舌ピアスとの連結用留め具も外された。

そして、私を貫くディルドが掴まれる。


「お、お”ぉぉぉ…!え”ぅぅぅぅ…!」


ズ、ズズ、ズリュ、ゴリュ、と私の上の穴を貫くディルドが引き出されていく。

喉は勿論、口内から舌まで性感帯に変えられている私には、常人なら発狂する程の快楽が流れていた。

だが、私に怠惰である事は赦されていない。

必死に口を窄め、ディルドが纏っていた粘性のあるモノを啜り続ける。

ディルド内部に残っているものも、全て。


「お”う”っ!じゅぞぞ、じゅぅ、ずずずぅ…!」


粘性のあるモノの正体はザーメン。

数多のお客様から私の調教用に提供して頂いたものだ。

一滴たりとも零すことは赦されない。


「じゅずっ…ぞぞぞ…じゅっ…んっ…はぁっ!」


そして、あまりにも長いディルドは遂に抜き切られる。

目の前でブラブラと揺れるそれは、私の唾液だけを纏ってホカホカと湯気を立てていた。


「はぁむ…んむぅ…ぐちゅぐちゅ、ごくん…」


口の中でザーメンを転がし、しっかりと味わって呑み込む。

最後に、これで〆。


「…ぅ、げぇぇぇふっ…!ごぶっ、げぇぇぇっっっぷ…!!」


ゲップの振動でイクのを我慢しながら、最大限に音を出して胃の中の空気を吐き出す。

鼻にはザーメンの香りと共に黄ばんだ白の気泡ができ、パチンと弾ける。

お客様方に出来るようになるまで躾て頂いた作法も、自分的には完璧だ。

後は言い渡される指示を完璧に理解し、その意図を汲み、最高の結果を出せるように努力する。

そうすることで初めて、私は”使われる価値”を示す事ができる。

だが、自由になった舌は不敬にも指示を待たず、堪らずに言葉を紡いでいた。


「っぷぁっ!?イ、イっても!?イってもよろしいでしょうか!?」


それは私の溜めに溜め込んだ切なる願い。

自分勝手な願いだが、今この瞬間はお仕置の終わりを宣言されている。

いつもの流れではこの後思う存分イカせてもらえるのだ。


「えー?どうしようかなー?」


だが、006番さんは答えを出し渋る。

私はそれに対し、姿勢を低くする為に両手両脚を限界まで広げた。

そして額とおっぱい、そしてボテ腹を床に擦りつけながら乞い願う。


「お願いじまずっ!もう、おまんこグズグズで、おっぱいも張っててぇ…!!」


その姿勢もまた、この上なく無様だ。ボテ腹は見た目に反してパツパツで硬い。

故に私は、ケツを上げた状態で這いつくばっていた。実に私にお似合いだった。

ビチャビチャと私のおまんこから溢れ出た愛液が、床を水溜まりに変えていく。

後で舐めてキレイにしなきゃダメだけど、今はそんなのどうでもいい。

口内や喉と同様に性感帯にして頂いた子宮内壁はジンジンと疼きを訴え続けている。

今回のお仕置きを受ける事になった最大の理由もこれだ。

もういつ産まれてもおかしくない程に育ったボテ腹。

その中にいる主様の半身は、その胎動で私に甘い快楽を与えてくれる。

だが、この子はそんな私の子宮に蹴りを入れたのだった。

接客中で絶頂許可が無く、我慢している状態にそれは非常によく効いた。

傍から見れば、突如矯正を上げてミルクと潮を吹きながらイキ果てた私。

お仕置きを受けないはずは無かった。


「おおー…予想はしてましたが、おっぱいもここまで育てるとこうなるんですねぇ…」


006番さんが感嘆する私のおっぱい。

その大きさも以前はリンゴ程だったが、今では比ぶべくもない。

さながら、丸々と熟れたスイカに思える程に肥大化していた。

このサイズになってからは嬉しいことに、お客様方の食いつきも良く、クレームも減った。

おまけにミルクもたっぷり出る様にして頂き、販売もしている。

私のミルクにはお客様方を喜ばせるために調整がされている。

お腹が弱いお客様に配慮して栄養成分を通常より薄くしたり、薄めた分は多くの量を生成できる様にし、味や香りは別途改良したり、と様々だ。

その対応を4日で済ませたのは流石006番さんと言ったところだろう。

だが、困り事や代償もあった。

私のミルクは栄養が薄い上にお客様向けなため、赤ちゃんには飲ませられないのだ。

他にも今回の様に射乳を禁止されるとおっぱいが破裂しそうな程に張り、中でグツグツ煮えてる様に熱く感じ、犯され過ぎて気絶しないと眠れない。

また、生成に栄養が不可欠なのでザーメンもより多く恵んで頂く必要がある。

そして最大の難点が、床との間におっぱいという非常に大きなつっかえができた事で、額が床に付け難い事だ。

漸く額を付けるには、射乳を堪えながら全力でおっぱいを身体で圧し潰す必要がある。

今も正にそうだ。自分で自分を責め、複雑な思考は快楽と我慢に塗りつぶされていく。

そして、イキたい、射乳したい、という思いだけが残って私を支配していた。


「うーん…ダメです♪」


しかし、突きつけられたのはNO。

私は思わず泣きそうになる。だが、言葉は続いた。


「で・す・がぁ…この後の用事をちゃんと出来たら…」

「なんと!来週の日曜まで、イキ放題の射乳し放題にしちゃいます!」


「へ…?」


一瞬で脳がフリーズする。

006番さんの言ってる事が理解の範疇を超えていたからだ。

そんな私を置き去りに、006番さんは次々と私に優しい事を挙げていく。


「お仕置きももちろんありませんし、仕事の方も好きな時に出て良いです。」

「一日中お客様に可愛がってもらっても、ずっと寝てても良いですよ。」


「ぇ…あ、あの…」


「? どうしました?」


不思議そうに首を傾げる006番さんに、私は震えながら尋ねる。


「わ、私…もう、廃棄されるんですか…!?」


「んえっ!?」


「わ、私まだ一人も産んでません!」

「確かに私みたいなゴミメスは、生かしておくのも腹立たしいかもしれません…」

「ですが、このボテ腹マンコの奥にいらっしゃるのは、主様の半身です!ですからどうか…!」

「どうか…どうか産むまで、待ってください…!お願いしますぅ…!」


私の巻き添えを食らって主様の半身が死ぬ。

ああ、考えるだけでも恐ろしい…!


(ダメ…!こんなゴミメスが廃棄されるだけなら喜んで廃棄されるけど、それだけはダメ…!)

(どうしようどうしようどうしよう…!?どうすれば御身を助けられる…!?)

(ゴミ以下の私がする事に価値なんて無い…じゃあ私でできる事で交渉を…!)

(…ダメだ、麻酔無しの帝王切開くらいしか提案できる事が無い…!他に思いつくのは全部やったし…)


必死に考えるも、何もいい案は浮かばなかった。

恐怖のあまり、涙と堪えていたミルクが限界を超えて溢れだす。

おっぱいはぶぴっ、という小さな破裂音を上げ、ミルクが出始めてしまった。

こうなると自分では止められない。

ミルク溜まりはチョロロ…という水音を立てながら広がっていく。


「やっば!?”射乳ストップ”!!あちゃー…さっき私も通った道じゃん…」

「いやぁ…ごめんね?まだ全然廃棄しないから安心して?」


首輪の制御のおかげで、私の射乳はなんとか停止した。

すると、006番さんは主様の半身に心底申し訳なさそうに頭を下げる。

その謝意は私にも向いている様にも見えたが、そんなはずは無いから勘違いだろう。


「ふぅ…勘違いしないようにちゃんと話します…」

「実は、来週にご主人主催の結構大きなパーティがあるんです。」


そうして私は説明を受け始めた。

どうにも自分は、主様からそのパーティの余興として選ばれたらしい。

その為に調整が必要で、私の寝床(培養槽)に入っている時間を毎日4時間程延長して欲しいと。

そして、私にベストコンディションで挑んで欲しい為に自由にするという事だった。

今から廃棄されるのではないと知った私は、心から安堵した。



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