意外すぎる出会い
ひょんなことから世界最大のエンタテイメントシティと呼ばれるグラン・テゾーロにやって来たルフィ達麦わらの一味。到着早々VIP専用コンシェルジュを名乗るバカラという女性に案内され、カジノを満喫していた一行だったが、彼女からVIPルームで特別なカジノをしないかと誘われ、導かれるままVIPルームへ向かう。
そこで彼らは、これがこのグラン・テゾーロの支配者、ギルド・テゾーロの仕組んだ罠であることを知る。テゾーロに嵌められ、仲間の一人であるゾロを人質にとられてしまった一味は、彼を救うために3億2千万もの大金を、明日の夜12時までに用意しなければならなくなってしまうのであった。払えなければ、ゾロは客の前でショーとして公開処刑されてしまう。
一旦解放された麦わらの一味は、ルフィの提案でまずは腹ごしらえをするということになる。
そんな中、一味の航海士にして船長ルフィの幼馴染であるナミは先ほどのテゾーロ達との会話で、奴らが気になることを言っていたことを思い返していた。
「お仲間のために頑張って金を用意することね。できなかったらあなた達はもうひとつ大事なものを失うことになるから…」
「どういう意味よ!?」
悪い笑みを浮かべるバカラにナミが問うが、今にわかるとだけ言って彼女はテゾーロ達と共にその場から去ってしまった。
あのバカラって女が言っていたことは一体…?
そんなことを考えながら、飯屋を探しに行くルフィ達の後について行こうとすると、若い女がナミにぶつかって来た。
「アラ、ごめんなさい…」
一言謝ってその場を去ろうとする女の手を、すかさずナミが掴む。
「待って!」
「アラ、腕は落ちてないみたいね。泥棒猫」
ナミが掴んだ女の手には、ぶつかった時にすられた財布が握られていた。
「あんたこそ腕が落ちたんじゃない女狐?」
そういうナミの手には、いつの間にやら女の財布が握られていた。
「ああっ!!もう!!」
女がナミから慌てて財布を奪い返す。
「やっぱりあんただったのねカリーナ…」
「ウシシ!久しぶり、ナミ!」
「お前ら知り合いなのか?」
ルフィの問いに、カリーナがナミとは腐れ縁の泥棒仲間だと説明する。
「あなたがナミの幼馴染のルフィ君ね!」
「おれのこと知ってんのか?」
「東の海で泥棒やってた時にナミからあなたの話をよく聞かされてたの!へェ~実際近くで見ると中々格好いいわね。どう、今度一緒に食事でも行かない?勿論二人っきりで…」」
いたずらっぽく言うカリーナに対し、ルフィは飯という言葉に目を輝かせる。それを見たナミがムッとした表情になりながら、間に割って入る。
「おあいにくさま。私達は航海で忙しいからそんな暇ないの!」
「いいじゃねェか食事ぐらい」
「あんたは余計なこと言わない!!」
ルフィとナミのやり取りを見てウシシ…!と悪巧みが成功したように笑うカリーナ。
結局この後麦わらの一味はカリーナと一緒にステーキハウス"WILD COW"という店に入り、奥の広いスペースで食事をしながら今後について話し合うことになった。
聞けば、カリーナはテゾーロの手下として潜り込み、この町にあるテゾーロマネーと呼ばれる莫大な
金を狙っているらしい。彼女から手を組まないかと誘われる麦わらの一味。
金が納められた金庫の鍵は、カリーナが既に入手している。
テゾーロマネーを盗んで手に入れることができれば、ゾロを救えると言われ、カリーナの提案に乗ることになった。
「ただし、取り分はこっち7であんたが3で…」
「はっ!?冗談じゃないわよ、鍵は私が用意したのよ!!」
「こっちは仲間の数が多いでしょうが!!」
「私がいなきゃ、何にもできないくせに!!」
ナミとカリーナが言い争いをしていると、辺りに物が割れる大きな音が響く。
見ると、店で働いている幼い女の子が食事を運んでいる最中に、数人でやって来ていた客の内の一人とぶつかったようで、トラブルになっていた。
ルフィ達は、その女の子と横にいる男の子とは面識があった。
カリーナによると、この町の子供達は家族の借金を背負わされ働いているらしく、一生テゾーロの奴隷なのだという。
女の子、リッカの兄、テンポがすぐに謝るが、男達はテゾーロの部下のようで、ぶつかった男が床に散乱した食べ物を踏みつけると共に、兄妹の借金を二万ベリー追加すると言い放つ。
その言葉に思わず苦い顔をするテンポの態度が癇に触った男は、彼を殴り付けようとする。
ナミが思わずあっと驚くが、拳がテンポに届く前に店主の男がそれを掌で受け止め、子供達を庇うように前に立つ。
店主の体格の大きさに一瞬たじろぐ男だったが、すぐにまた文句を言い始め、店主はその場で土下座して謝罪する。
ここではテゾーロ達に歯向かうことは許されないのだ。
図に乗る男は、土下座する店主、ダブルダウンの頭を踏みつけようと足をあげる。
このまま誰もこの男の狼藉を止めることはできないのか、そう思われた矢先のことであった。
一人のバニーガールの衣装を着た女性が颯爽と現れ、店主の頭を踏みつけようとする足を掴み、そのまま捻って男を転倒させた。
「こ…こいつ!俺達を誰だと思って…!」
テゾーロの部下達が色めき立つが、女はどこ吹く風。
「あーらまだ足りなかった?だったらたっぷりお相手してあげるわよ?」
と女が威圧するような態度をとると、男達は逃げるように店から出て行った。
「やるな~あいつ」
様子を見ていたルフィが、感心したように言う。
テゾーロの部下達を撃退した女の後ろでは、別のバニーガール衣装の女が、泣いているリッカのことを慰めていた。
この町には、まだテゾーロの支配に屈しない芯の強い人がいるんだ。
バニーガール達の活躍を見たナミの中に好意的な感情が湧く。
それにしてもあの人の髪型、まるでベルメールさんにそっく…り…?
後ろ姿で顔が見えないバニーガール達を眺めていたナミであったが、段々とその表情が驚愕の色に染まる。
えっ…はぁ!?な…なんであの人達がこんな所に!?
ナミが混乱している横で、ルフィもバニーガールの人物達が誰なのか気づいたようで、驚いた様子で奥の部屋から飛び出して、大きな声をあげた。
「ああっ!!ベルメール!!それにマキノじゃねェか!!」