想いは花に

想いは花に



「レース勝利おめでとうグルーヴ、これ良かったら」

「ふっ、今回もまた綺麗な花束だな…受け取ろう」

俺の担当である女帝エアグルーヴ。大きく言えない話だが俺は彼女に惚れた。いや、最初の時から一目惚れだった。しかし学生である上に彼女にそんな事を伝えれば問題になってしまうし距離を置かれてしまうだろう。この下心は胸の内に秘めなければならない。だがこの想いは抑えきれない。

だからこそこの花束を贈るのだ。だが花の世話が好きな彼女ならとっくに気付いているだろう…。

それでも内なる想いをこの花束に込めて贈る。そして自分は女帝の杖としての責務を全うする…それだけだ。


たわけ…最初に貰ったあの時、様々な花だけではなく11本の赤いバラ…それに込められた貴様の想い…私が気付かないとでも思ったか?

それにレースに優勝する度に贈られれば…常に11本のバラが入っていれば…誰もがその意味を知ろうとするだろう。

いつも私の意見を尊重し、私の為に杖として支えてくれる…そんな貴様の姿と心に、私も惹かれているのだぞ?

私もこの花束へ込められた想いに今すぐにでも応えたい……

だが今答えれば貴様の事だ。この事に萎縮してしまうだろう。

だから知らないふりをする。貴様のその想いがあの域に達するその時まで…その時、私も……

「優勝おめでとう。……何度もしつこいかな?」

「これで、"99本目"だな」

「え?……まさか最初から…?」

「ふっ、花を育てるのが好きな私だぞ?」

「ごめん…軽蔑するよね、こんな事…」

「たわけ、まだ私の話は終わってないぞ?」

そう言って彼女はトレーナーに2本の花を手渡す。

「これは……!」

「これで"100本目"…そしてもう一つは私の想いだ」

手渡されたのは1本の赤いバラと白いアザレアの花。

その意味を知ったトレーナーは思わず涙ぐむ。

「だが、この意味を互いに言葉にするのはまだ早い…その時が来たら伝え合おう。だから今はこの言葉を贈らせてくれ…ありがとう、トレーナー」


そして卒業式———

「卒業おめでとうグルーヴ…これを」

そう言って手渡された8本の赤いバラ。周囲からはそう見えるだろう。

しかし2人にとっては…

「ふふっ…これで"108本目"か…」

今まで積み重ねてきた想い、その花に込め続けてきた想い、それが今、花開く———

「エアグルーヴさん。どうかこれからずっと私の側に居て下さい……!」

「はい……はいっ!喜んで!……ずっと…ずっとこの言葉を待っていたんだぞたわけぇ……もう、離さない…っ!」

そう言って彼女から渡されるシザンサスの花。

そして2人は互いの想いを分かち合うように抱きしめ合ったのであった…



「ねえねえお母さんお父さん。どうして"108本"のバラとシザンサスの花なの?」

「ふふっ…そうね、じゃあ教えてあげましょ、あなた?」

「ああ、それはな———」


108本のバラ 「結婚してください」

シザンサスの花言葉 「いつまでも一緒に」







8本のバラ 「あなたに感謝しています」

11本のバラ 「最も愛おしい人」

99本のバラ 「永遠の愛」

100本のバラ 「100%の愛」

白いアザレアの花言葉 「あなたに愛されて幸せ」

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