恐怖の楽園にて
「マエストロ。先生が99号について動き出したそうです」
「そういうこった!」
「フム、そうか。であれば、その隙にスランピアの調査をしようかな」
「そしたら、私はお供しましょうか」
「そういうこった!」
「「……」」
………………………………………
「で、何故付いてきた、二人共?」
「前々から聞いていた、複製、なる物が気になりまして……」
「しょうがないだろう、ヒルデガルト。教えたあの時に、手元に残っているのが、私の芸術性と反するユスティナの複製なんだからな」
「917号に乗っかりました……」
「そうですか。所で、そのハンチング帽は、一体?前々から気になってはいましたが」
「私のデビューの暁に、と劇団員の方から貰った物です。その時以来、ずっと大事に被っています!」
「はぁ……あの方には後でお礼を言っておきますかね」
「そういうこった!」
「……と、話しているうちに着きましたか。マエストロ、実は入り口からもう変わっていまして……」
「?どういう事だ、ゴルk「いらっしゃいませ!」うおっ!?……受付?」
「ようこそ、ユートピアへ!今夜もお楽しみください!」
「あ、ああ、ありがとう……ゴルコンダ、コレは夢か?」
「いいえ、現実です」
「そういうこったぁ!!」
「嘘だ……」
「……わっ!!いきなり『UTOPIA』のネオンが光りました!花火も……って、待ってください、マエストロ先生。ここって電気通ってます?」
「いや、通ってない」
『アハハハ!』
「もう!1920号!笑わないでくだs「いえ、私は笑っていません、917号」……えっ?って、アレ?あそこに大玉なんてありましたっけ?」
「……気を取り直すか……アレこそがこの『恐怖の楽園』スランピアの複製の一つ、ココを訪れし者達の歓声、ソレが残っていたからこそ生まれし者。アミューズドール、シロだ」
『ヨイショット!ヨウコソ、スランピアヘ!私ガ、シロ!ヨロシク!』
「「うわぁぁぁ!!!!」」
「そう驚くな」
「驚かない方が無理です、マエストロ先生!!」
「シロ、彼女達はいつからココに住んでいる?」
『ン〜〜?アア、ナルホド!アリスチャン達ノ事ダネ?二ヶ月前カラダヨ!』
「二ヶ月前!?そんなに前からか!?今、何人いるんだ!?」
『ウ~ント……ア!受付ノ子、見タ?アノ子ガ一番ノ新人サン!記念スベキ、10人目!』
「フム、成る程な」
『アア、デモネ、デモネ?後カラ来タ7人ガ、カイゾクバン?ッテ、イウヤツ!ッテ、52チャンが言ッテタ!』
「成る程、海賊版ですか。所で、その話に出てきた、52というのは?」
「どういうこった?」
『最初ニ、ココニ来タ子!ア!チョット待ッテ!オーイ、46チャン!』
「はーい!なんですか、シロさん!」
「おお!玉乗りしながら来ました!めちゃくちゃ上手いです!」
「おや?貴方達も海賊版ですか?」
「いえ!私は917号です!」
「私は1920号、よろしくお願いします」
「ああ、成る程、私と同じ正規の個体ですか。私は46号です、よろしくお願いします!」
「フム、玉乗りはお前が教えたのか、シロ?」
『ウン!慣レルノニ、2週間ハ、カカッタ!衣装ハ私ノ小サイヤツヲ、貸シタノ!』
「そうなんですね。所で、クロの所にも居るんですか?」
「そういうこった?」
『ウン!96チャンガ居ルヨ!一緒ニ行ク?』
「まだ見ぬ『クロさん』が怖いですけど……お願いします!」
………………………………………
『オーイ!クロー!』
『どうしたの、シロ?……アラ、お客さん?』
「あうう、やっぱり慣れません……」
「は、初めまして。私は1920号です。こちらは917号です」
『ふーん、久しぶりに正規の子なのね。私はクロ。シロと共に生まれた、アミューズドールの複製の1体。よろしくね』
「は、はい、よろしくです。所で、96号はどちらに?」
『ああ、96ちゃんの事ね?ちょっと待ってて。お客さんだよー、96ちゃん』
「はい、お呼びでしょうか、クロさん?」
「貴方が96号ですね?私は917号です!」
「私は1920号です」
「おお!久しぶりに海賊版じゃないアリスですか!私は96号!よろしくお願いします!」
「ゴスロリ衣装に、長いシルクハット、更には、月を形どったステッキ。完全にお前の衣装ではないか、クロ?」
『あら、お嫌い?私は似合っていると思うけど?』
「そういう事では無いんですが……所で、シロ、クロ。貴方達にお聞きします。彼女達は、貴方達の能力が使えますか?」
「そういうこった?」
『イヤ、サスガニ私ノ花火爆弾ハ、無理ダッタ!』
『私のステッキを持っただけで、ゴーカートやメリーゴーランドを操れる訳ないでしょ。でも、私のカラスとは喋れるみたい』
「分かりました。ありがとうございます」
「そういうこった!」
「……って、うわ!もうこんな時間ですか!46号、52号とゴズさんのマジックショーが始まってしまいます!早く行きましょう!」
「うぇ!もうそんな時間なんですか!分かりました、急ぎます!」
『コノ二人、52チャント、ゴズノ、マジックショーヲ、楽シミニシテルノ!』
「そうなんですか。……では、地下へ参りましょうか。ちょうど、都合が良いらしいので。そうそう、チャペック。貴方にショーを観るにあたって、私から告げるべき言葉がありました」
「?それは一体?」
「ショーは継続されるべきである……という事です」
「そういうこったぁ!!」
to be continue……
※軽く特徴を
46号
主にシロと共に居る。格好としてシロの服を着ている。(ネズミ耳と尻尾は無し)玉乗りは出来るが、花火爆弾は扱えない。
96号
主にクロと共に居る。黒いゴスロリ、長いシルクハット、月を模したステッキ、とクロの様相をしている。ゴーカートやメリーゴーランドは操れないが、クロのカラスと意思疎通可能。
52号とその他7体についてはまた後で、という事でお願いします。