思いもよらない展開
前スレPart6の177のやつ なんかコネコネしてたらえらい方向に進んじゃったの巻「―――ハ?」
王下七武海、砂漠の王、サー・クロコダイル…錚々たる呼び名を持ってして恐れられてきた男は、目の前の光景に彼らしくもなく声を上擦らせた。
「んっ♡ んぅ、…っぷはァ、ン、んん…っ♡」
「……ッふ…」
ぐちゅぐちゅと音が聞こえてくるほど深い口付けの途中で、甘えた嬌声が混じる。
喘いでいるのは青髪の―千両道化のバギー、まさしく道化染みた経緯でクロスギルドの代表の座を掠め取った男。
応えているのは黒髪の―鷹の目のミホーク、世界一の大剣豪とその名を世界に知らしめている男。
その2人が、クロコダイルの目の前でまるで恋人同士の睦み合いのように繋がり合っている。
(何だこれは)
部屋に踏み込んだ姿勢のまま固まってしまったクロコダイルに、ミホークの視線が向けられた。
存外冷静さを宿した瞳に見据えられ、正気が戻る。
数歩、ベッドへ近付くと、キスを切り上げたミホークが上体を起こす。
そうするとクロコダイルからも組み敷かれたままのバギーがよく見えた。
「ンあ、はっ…♡ ふ…っ♡」
うっとりと目を細め余韻に浸っているバギーの口元から一筋涎が垂れていく。
追いかけるようにでろりとはみ出た赤い舌がそれを舐めとる仕草に思わず目が止まった。
(赤い、長い舌、本人の言質を取っておれの靴も舐めさせた―――)
「見ての通り取り込み中だ」
普段とほとんど変わらない声音で呼びかけられてバギーからミホークへ目を移すと、微かに顰められた眉がいきなりの訪れに中断を余儀なくされたのが不服だと伝えてくる。
「ああ…たいした用じゃない。後で出直して」
「見ながら待っていても構わん」
「何だと?」
声を張り上げたクロコダイルを無視し、ミホークはバギーに向き直った。
不本意な中断がクールダウンになってしまったのか、今のバギーは眠気を帯びた様子でくてんと体を投げ出している。
はぁ、と息を吐いたミホークはバギーの下腹部に手の平を押し当て、そのままグッと力を込めた。
「オ゙ッ♡ ァ? ゥあ゙ぁッ?!」
「ッふ…」
中に咥えたモノごと腹を潰され無理に覚醒させられた体が跳ね上がるも、それを上から押さえ込み、ミホークは尚もグッグッと手の平に力を込めた。
余程感じるのかその度にバギーの体が跳ね、キツく収縮する中にミホークの息も少し乱れる。
「あ゙、ぅゃ、ア゙ア♡ オ゙ァ…アッ、あぁッ♡」
泣きが混じった悲鳴を上げながら、強烈な快楽を連続して浴びせられたバギーは髪を振り乱して身悶え、更には無意識に逃げたがるのか体がバラリと解けていく。
(あんな声も、反応も、見たことがない…)
クロコダイルが初めて見るバギーの痴態に目を見張るも、ミホークは慣れているのか腹から手を離すと繋がった箇所を基点に体を押し込み、ふよふよと浮かび出した腕は自らの首に回させ、また唇を重ね合わせた。
ミホークがそのままゆっくり腰を使い始めると、バラバラに散っていたパーツもじわじわと集まり始め、人間の形に戻っていく。
「んぁ♡ ぁは、はッ♡ あ゙、ぁあ、あ゙ッ♡」
そのままバギーは全身でミホークへとしがみ付き、段々と速まる律動に背を仰け反らせながら善がった。
バギーの反応を見ながら、ミホークは額に、目尻に、頬に、とキスを落としていく。
鼻に触れた所でむずがったバギーがミホークの顔を手でグイと押し退けると、それを怒るでもなく逆に手を取り指を絡ませベッドに押さえつけた。
それが合図になったようにバギーの脚が更に開いてミホークを深く咥え込み、2人の顔が近付いたかと思うと飽きもせずまた深い口付けが始まる。
「―――ッッ♡」
一際大きい律動と同時にビクン!とバギーの体が大きく撓り、その後一気に脱力していった。
少し遅れてミホークも動きを止めて軽く息を吐き、体を離して自分の服を整えつつも、微かに震えるバギーを見下ろして顔にかかった髪を払い除けてやる。
意識を飛ばしたのか反応が返ってこない相手を数秒見つめ、待たせていた客人の方に振り向く。
客人―クロコダイルは、食い入るような目付きでバギーを眺め回していた。
(こいつ今…鷹の目に突っ込まれた刺激だけで達したのか?)
その事実はクロコダイルに大きな衝撃を持って受け止められた。
これまでの彼とバギーの関わりにおいて、『快楽』という言葉ほど遠いものはなかったからだ。
ミホークの提案によりバギーを御輿として表立たせる方針は決定したが、それでも自身の計画をぐちゃぐちゃにされた腹立たしさが収まる訳ではない。
『何でもする』『クツも舐める』『殺さないで』
殴りつけられボロボロになったバギーが繰り返した命乞いの言葉を盾に、お前はどこまで出来るんだと甚振ることで多少の溜飲は下がった。
床に蹴倒し靴を舐めさせた、灰皿代わりに肌に葉巻を押し当てた、首を絞めて体の水分を少し抜いた、それに飽きたら鉤爪を引っかけてわざと体を裂いて遊んだ。
最初に声は出すなと脅した教えを守ってか、呼び付けるとバギーは普段の道化姿から考えられないほど大人しくクロコダイルの暴虐に耐えた。
緊張した体は縮こまり、痛みや衝撃に息が乱れても声は出さない。
そうなると逆にどれほど我慢が出来るのかを試してみたくなり、クロコダイルの行為は徐々に過激さを増していった。
なんとかやり過ごしていたバギーだったが、とうとう下だけ服をずり下ろされ、後ろからのし掛かられた時には我慢が出来ず悲鳴染みた声を上げた。
『ハァ!? なに…、嫌だ無理だそんなのッ』
『声は出すなと言わなかったか?』
右手でグッと首を絞めつけ、呼吸が止まった瞬間にクロコダイルが押し入る。
何度か動いてから手を離すと、バギーは激しく咳き込み胃液を吐き出す。
『ごめん゙なざぃっ! ごめ、なさ…っ…ゅるじでくだざい゙っ…』
ツンと立った吐瀉物の臭いと無理矢理な交合で結合部から滴る血の臭いの中、自分を犯している相手に赦しを乞うしかないバギーの惨めさに、思わずクロコダイルは嗤った。
クロコダイルはバギーの懇願が泣き声に代わり、すすり泣きすら聞こえなくなるまで蹂躙したが、この行為自体に快楽は感じなかった。
自分に屈辱を与えた男に最大の辱めを与えることに気は昂ぶったが、強張った体はぎちぎちと軋み、抱き心地の悪さは相当だった。
そもそも、男が男と交わったとして、快楽を得られるとも思えなかった。
―――だから、どろどろに蕩け奔放に乱れてミホークに抱かれるバギーを見て心底驚いたのだ。
「随分…熱烈だったな? 鷹の目」
「どうでもいいことだ。それで、お前の用は何だ?」
バギーから目を離し、クロコダイルが先程の交わりを揶揄すると、ミホークの眉間に皺が寄る。
(こいつを怒らせるのは得策じゃねえ)
クロコダイルは刺激しないよう話は蒸し返さず、元々の用件を話す。
言葉を返していたミホークは、対面するクロコダイルの目線がチラチラと逸れ、いまだベッドで気をやっているバギーを見ていることに気が付いた。
「道化がそんなに気になるのか」
「…何を…」
呆れたようなミホークの言い方に今度はクロコダイルの顔が顰められ、否定の言葉を口にしかけるも語気が弱くなっていく。
最中であると知ったにも関わらず引き返さなかったのも、つぶさにバギーの様子を目で追っていたのも事実で、クロコダイルには否定のしようが無かった。
「…ああして抱いてやるとイイらしい。反応が明らかに違う」
「は…たかが道化にお前がそこまでしてやるとは…」
「おれも気持ちが良いからな」
(気持ちが良い? 男を抱いて? …"バギー"を抱いて?)
さらりと返された言葉に、クロコダイルの息が一瞬止まる。
それを見逃す訳もないミホークは、らしくもなく動揺を見せる男を揶揄うように僅かに笑みを浮かべた。
「道化の身体はなかなかのものだ。なあ?」
「………」
クロコダイルがバギーを犯したのは嗜虐心ゆえで、性的な興味は一切無かった。
だが、2人の交わりを見て、鷹の目の言葉を受けて、思わず想像してしまった。
(あの身体、男に抱かれて悶えていたあの身体に…)
(おれが入り込んで、揺さぶって、吐き出せたら…)
バギーを目に入れて生唾を飲み込んだクロコダイルを見て、ミホークは念のため釘を刺しておくことにした。
「クロコダイル。おれはベッドを片付けたい。やりたいなら道化はお前の部屋に連れて行け」
おわり
🐊:このあと性欲に負けて自分の部屋に連れ込んで抱いた。男の尻の良さを知ってしまった。
🤡:途中から見られてたことも第2ラウンドが鰐になってたことも全く気付かなかった。名前を呼び間違えて地獄を見た。
🦅:寝る前の運動に満足出来たしベッドを綺麗にして快眠した。畑は朝早くから面倒見ないといけないからね…。