応答してよ、其の体温感じたいの

応答してよ、其の体温感じたいの



「またな裏梅」

千年ぶりの再会はその言葉で締めくくられた。

嬉しかった。すぐに受肉で容姿が変わった私のことをわかってくれたことが。

嬉しかった。またな、と私の名を呼んでくれたことが。

けれど、物足りない。もっと、もっと欲しくなる。

あのお方の言葉が。側にいられる喜びが。

もっと欲しいと、私は私を慰める。

「宿儺様...」

身体が火照る。『凍星』の通り名が滑稽に思えるほどに、熱く、熱く身体が、魂が求め始める。

「んっ」

己の胸を揉みしだく。あの方に抱かれたい。

「あっ……あぁ」

乳房を鷲掴みにし、乳首を摘まむ。それでは足らずに爪を立てる。痛みは感じない。ただ、あの方の手が触れるところを想像するだけで達してしまいそうになる。

「ふぅ……う、うぅ」

下腹部に手を伸ばす。本来なら女の身体には生えていない、ソレ。男の性器。かつては他者から忌み嫌われていたこの身体に宿る二つの性も、あの方だけは受け入れてくださった。男としても女としても、あのお方に尽くせるならと私も誇りに思えた。今もそう。

女としても男としても劣情を向けられる悦びに私の身体は打ち震えている。そっと、己の分身に手を添える。先端の刺激に思わず声が漏れる。

「あっ!あぁっ!」

待ち望んでいた快楽に歓喜の声を上げる。

あの方はどんな風に私を抱いてくれるのか?どんな声で鳴かせてくれるのか?そんなことを考えながら、私は絶頂へと駆け上がっていく。

「っう、ふうっ!」

ビクビクと身体が痙攣する。頭の中が真っ白になるほどの快感が全身を走り抜ける。その余韻に浸りながらも、手の動きは止まらない。

「ふーっ!」

誰も聞いていないというのに、思わず袖を噛み声を殺してしまう。それほどまでに、先程よりも強い快楽だったのだ。

「ああ、すく、な、様……」

何度も頭の中であの方に抱かれる。犯される。壊される。

その度に私の手つきが激しくなっていく。

「ん、ぐっ!!」

精を放つ。欲が満たされる。

「はぁ……はぁ……」

荒くなった息を整える。少しやり過ぎたかと後悔するが、一度燃え上がった炎はまだ消えず。満たされた器がまた足りなくなって。私は何度も、己の分身を握り、胸に爪を立て、ただただ己を慰める。程なく訪れる主人との邂逅を夢見て。

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