後日談
【研乃家】「……?」
一人の男が、封筒を持って部屋に戻る。封筒の中身は写真と紙だと理解しており、中身はなにかを見る
「………なるほどな」
封筒の中身は息子───名捨から送られた手書きのメッセージと、集合写真
メッセージは所々気になるところはあるが、わざわざ気にするほどでもない。ひとしきり読んだら写真に移り───
「あぁ、これは────」
一言、呟く
「───良い顔を、している」
それは、この家にいるときは一度も見たことのない表情。失われていたと思っていた表情。すなわち、"笑顔"
「あぁ、実に、良い。この家に、いたとき、とは、比べものに、ならない」
男───名捨の父親である、研乃 写は【思い出】と書かれたファイルを取り出すとそこに保管する
「………今度、撮りに、行くと、しようか。許可も、取って、おこう。……少し、写れば、いいが」
男はその日を夢見ながら、いつものように撮影をする