______彼へのたより

______彼へのたより

闇堕ち軸・礼佳の術師引退後

拝啓  

       石川 紫苑様


だんだんと暖かくなり、春の足音も近づいてくる頃となりました。

そちらはいかがお過ごしでしょうか?

私は術師こそやめたものの、家族と仲良く過ごしております。

先日やっと姉とのポッキーorプリッツ論争に

どっちもいい所があるということで決着がつきました。


さて、お話は変わりますが、約2月前。

私が呪詛師に堕ちたあの期間に多くの方々、

特に紫苑様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを

この場をお借りして深く謝罪いたします。


私自身、大切に思っていた兄を亡くし、その兄と同じ道を辿ろうとしていたことは

今となってはとても愚かしいことだと思っております。


言い訳にはなりますが、

あの時感情が昂っていたり、精神状態が不安定な状態だったのもあり

正常な判断ができる状態ではありませんでした。


ですが、それは多くの命を奪ったことへの弁明にはなりません。

事実、私は呪詛師として本来死刑になるはずだったところでした。

私が殺してしまった方々の命、夢、そしてこれから生きるはずだった人生。

その重みを胸にしっかりと刻み、これからも罪を償って参ります。


最後にはなりますが、お体に気をつけてこれからもお元気でいてください。

それが私の唯一望む幸福です。

またお会いできる日が来ることを楽しみにしております。

敬具



追伸

本文の方で書き忘れていたのですが・・・・


私の腕を斬りあまつさえ目をはめ込もうとしてきたあの害獣のことです。


あの後また私の元にいらっしゃってくださいまして

(なんで住所を知っていらっしゃったのでしょう?)


あの眼は姉である凛々華のものだということが判明しました。

とある方にお願いされた、とのことです。


憶測にはなりますが姉の眼を持っていたということは

そのとある方が私の姉を殺したのでしょう。妄想被害かもしれませんがね。

私もなんとなく見当はつきますが・・・・ちゃんと探して自分で決着をつけます。

一度闇に堕ちた身です。慈悲は無い。あの人は私が消します。


・・・失礼いたしました。とにかくそういうことです。

またお便り出しますね。

20××年 3月14日 

                                桜宮 礼佳 















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