彷徨のランサー〔妖精騎士タム・リン(?)〕

彷徨のランサー〔妖精騎士タム・リン(?)〕


『ランサー、召喚に応じ参上しました。貴方が約束を違えないかぎり、わたしは貴方の矛としての"役割"を全うしましょう……真名ですか…?とりあえずは妖精騎士タム・リンと名乗っておきます』


【元ネタ】史実、アリス創作群

【クラス】ランサー

【真 名】アリス・プレザンス・リデル

【性 別】女性

【身長・体重】165cm(ヒール込み)・不明

【外 見】銀髪のハーフツインで瞳色が薄紫(大体ナーサリーと同じ)、軍服ロリータみたいな感じで(エペティスというロリータブランドのSHEFFIELD 2.0という衣装フルセットに膝下までの編み上げブーツって感じ)

【スリーサイズ】スレンダーではある

【属 性】中立・善・人

【ステータス】筋力:C 耐久:B 敏捷:A+ 魔力:B+ 幸運:D 宝具:A

【クラス別スキル】

♢対魔力:B

魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。身につけた外套礼装によるもの。

糸紡ぎをする者たちの守護者と言われる妖精ハベトロットたちによって編まれた衣服には神秘が宿っており、大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。


【固有スキル】

♢無辜の偶像:B+ 

人々による『偶像(表象)』への勝手な念・物語により、在り方や真実を変異させられてしまうスキル。ここに本人の意思は介在しない。

彼女は"アリス・プレザンス・リデル"という固有(オリジナリティ)の一人格を持つヒトでありながら、

あまたの物語から派生していく解釈などの、人々の望む『偶像(表象)』としても存在しなくてはならないという呪いを負う。


このスキルを所持するのは、後世の物語群による『無辜の怪物』+ 妖精郷において、"名前と役割"を授かりその在り方を全うしたという理由から。
 ("妖精"たちは、"生まれた時に抱いた目的"に準ずる名前を持ちそれを失うと、衰弱し息絶えるという性質ゆえ、

逆説的ではあるがランサーを"妖精として扱う"ため、妖精たちはランサーへ"生まれた目的"と"それに準ずる名前"を好意をもって与えた)


♢一方その頃:A

頼れる仲間と船に乗り、旅は始まり前途は多難。先に待つのは希望の出会いか悪意の罠か。

それはともかくあちらの事情は興味津々。他人の秘密は蜜の味。それでは、世界の裏側へご招待!


概念系のサーヴァントが持ち得るスキルの亜種であり、このスキルは物語などの創作物系サーヴァントが所持する可能性を持ちえる。

本来とるべき存在形式があり、それを侵犯しつつも別の存在形式をとっている場合、その矛盾を許容したまま存在することを可能とする。

一種の『矛盾精神』スキルのようなものであるが、このスキルの場合は存在の規格自体までも同時に取りえる部分で違っている。

例えば、ナーサリー・ライムは本来の場合、召喚したマスターに準ずる各々の姿をとるが、

このスキルによっていずれの世界・時代で結ばれたマスターの似姿を取ったままであることが可能になっている。

ランサーにとっては、『無辜の偶像』の影響下にありながら、史実での在り方に沿える。であるとか、人間でありながら妖精でもあるなど。

(複数のことが同じ時間・時期に起こることを表す意味=一方その頃)


♢精神異端(チェンジリング):EX

常人とは違う精神構造の持ち主。

生前における、妖精による神隠し(チェンジリング)がもたらした「世界への視点」がずれたことによるひずみ。

現界時に付与された『無辜の偶像』スキルによる、生前の記憶があやふやとなり、物語の出来事が混濁する精神の異常。

そのようなものが生んだ後天的な異端の所持を示すスキル。

メリットとしては、魔術の気配や魔力の流れ、実体化をしていない幻想種などを見通したり、戦闘時に有利な展開を"感じ取る"第六感のようなものが視覚化されたりする。

(比喩的に第三の目などと言ったりするが、ランサーの場合は本当に視覚として情報化される)

ある種、妖精からの祝福でもあるが、それゆえ妖精の気まぐれによって効果が左右されたりする。

だからというべきか、必ずしもおのおのの状況において、最適な恩恵が得られるとは限らない。


♢数秘術 :C+

魔術系統の一つ。数秘術といえばカバラの思想に基づくものを指すがランサーのものは少し違う毛色を持つ。具体的には戦闘に使いやすいように特化している。

数学者であり教師であり、それ以上に魔術師であったルイス・キャロルに師事したもの。

いくらかの始動キーとなるプリセット(Lancel0t、Ga1ahad、Arth2r、Mordr3d、Perciv4l、Gaheri5、6awain、Tris7anなど)があるが、

特に由来となる存在と面識があるわけではなく、しいて言えば土地柄の親和性となじみによる命名。


♢かばん語:C

魔術の詠唱を高速化させるために作った語、またはその方法論。

我流の速記法(ノタリコン)のようなもの。

ここでは、詠唱文内の複数の語それぞれの一部を組み合わせて作られた、混成語群のことを指す。

常人では語を圧縮する過程で、その語に内在する情報量を取り漏らすが(そしてそれは詠唱において致命的なエラーとなる可能性を孕む)

このスキルを持つランサーにとっては、意味を十全に保ったまま情報を圧縮するなど他愛もないことである。


♢魔力放出(光):B+

武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。槍と外套礼装によりもたらされる恩恵。

絶大な能力向上を得られる反面、魔力消費は通常の比ではないため、非常に燃費が悪くなる。

が、技量において当千の大英雄たちとは並べないランサーにとっては、このスキルと数秘術を用いた戦術にこそ勝機を見出さなければならない。

ランサーは主に機動力の向上と、ここぞというときの破壊力上昇に用いる。


【宝具】

♢『紡がれ選定するは真理の言刃(ヴォーパル・ソート=カレイドスピア)』

ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:1人

物語において、書物に記される、一片の詩に唄われた魔剣。

姿形が定まらず巧みな弁舌で人々を油断させ、鋭利な鉤爪で首を刈り取り回ったという怪物。そのモノ(ジャバウォック)を名もなき勇者が殺した際に使用した、と現代では認知されている。

ヴォーパルという名前の由来はvorpal(致命的な)という造語だとも、verbal(言葉)とgospel(真理)を組み合わせたvorpal(真理の言葉)という意味だとも。

理性のない怪物(狂化なども含む)に対して有効な武装として働く。


一方で、妖精郷にてアリスの使用していたものに名前はなく(無銘・槍)しいて言えば、後述の生まれから『千変万華なる言葉の槍(カレイドスピア)』と呼ばれていた。

強大な妖精が持つ、ひとつのルールで世界を作り替える大神秘"妖精領域"。

それによって能力を与えられた両刃槍が、物語で綴られたヴォーパルソードと呼ばれているものの原典にあたる、ということである。

槍そのものは妖精たちの使う言語で編まれており(その言語の性を槍に与えるのが"妖精領域"の能力)、その存在形式自体に大いなる神秘を収めている。

この槍を振るうことは相手自身だけでなく、世界そのものに働きかけを行うことに他ならず、

内包するただひとつの真理(ルール)によって"曖昧な存在に確固たる形"を与えたり、"隠されたものを暴く"性質を持つ。

聖杯戦争の規格においては、真名解放したこの武器によって害された場合、相手は自らのステータスと姿を隠蔽することができなくなる(スキル変化/変身また宝具『己が栄光のためでなく』などの影響を受けなくなる)という能力を持つ。


本来は低ランクの『受肉精霊』スキルに近しい効果を有し、自然のマナを汲み上げて持ち主の魔力へと一定量還元する能力も持つが、ヴォーパルソードと習合しているためかサーヴァントの身では機能していない。

(大きさはだいたい2mほど?)


sword:剣 ではなく sort:選別


♢『槍を摂れ、騎士なる乙女(プロモーション・アリス・イン・ワンダリングランサー) 』

ランク:A 種別:対人/対城宝具 レンジ:1~70 最大捕捉:1人/200人

悪妖精(アンシーリーコートや妖精亡主(ナイトコール)と戦うため、妖精たちによって与えられた乳白色の槍。

その槍と身体を『魔力放出(光)』で強化かつ後方へ噴出して加速。莫大な運動エネルギーによる突進で相手を打ち抜く一撃。

『紡がれ選定するは真理の言刃(ヴォーパル・ソート=カレイドスピア) 』に全力で魔力を注ぎ込むため、この際にだけ、真実の姿である『千変万華なる言葉の槍(カレイドスピア)』の全貌があらわになる。

(ヴォーパルソードの部分が己の内包する神秘のルールによって剝がされる +生前の妖精郷での"昇格(プロモーション)"イニシエーションの再現であるため)

同じようにランサーを構築する一端である、『無辜の偶像』スキルなどで構築された霊基部分も宝具解放に耐え切れず、肉体が内側から崩壊するような苦痛を伴う。

Alice in wandering lancer(彷徨える、槍の持ち手アリス) 

wonder:不思議な ではなく wander:放浪する


【解説・人物像】

現代ではルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」などで知られる主人公アリスのモデルになった人物。

物語にあったことや、加えて史実の伝聞と異なるのは、

①異界への旅が実際にあったことであり(ルイス・キャロルが彼女に起こったことを脚色・編纂し物語とした)

②それは妖精たちのチェンジリングによって引き起こされ、異界は妖精郷であったこと

③その後アリスは地上へ戻ることがなかった

というのが、今世界中で読まれている幻想物語の真実である。


ある時期を境にリデル家とキャロルが疎遠になったとされるが、上記のチェンジリング※1が実際の真相の原因である。

俗説ではリデル夫人が、キャロルと付き合いを続けることで娘の良縁を逃すのを嫌い交流を断ったなどの説が存在するが、

正確には本物である彼女が、もはや手の届かぬところにいるとわかったため、キャロル自身が離縁を選択したにすぎない。

日頃とのささいな差異から、人間(アリス)の代わりにやってきた妖精(アリス)であることを見抜き、それに気づいた彼の心境はいかほどであっただろうか。


アリスのほうはというと、妖精郷へ至ったあとの彼女のその後は暗かった。

相手をするのが人間に図れない善悪の基準を持ち(そもそもそのような区切りを持たないともいえる)、人間を遥かに凌駕した力を持つ妖精たちであるから当然である。

紆余曲折を得て、"妖精"のような扱いとして『"騎士"の役割に準ずる名前(タム・リン)』を名乗り、

欲求を暴走させた妖精(アンシーリーコート)※2や、妖精亡主(ナイトコール)※3を討伐し、その役割※4を果たした。

もっとも、そうしなければ生きていけなかったという前提はあるが…

妖精的にも、これと決まった役割(目的)を持って生まれ、それに縛られがちである手前、彼女という役割を擁立することは便利ではあったはずである。


また、アリスも妖精郷にいるあいだ帰る手段などを探さなかったわけではなく、取り換え(チェンジリング)を利用して、妖精域のもっと上層にある表層のテクスチャへと助けを求めたりしたこともある。

妖精郷の内と外にあるものを交換する現象であり、いま妖精郷(こちら)にあるものが人間文明の世界に漂流することがあるので、

①アリスは自分の近況をなんらかの手段でしたため続け、漂流物として届くようにと試みる

②じっさいに届いたものを、神隠しにあった彼女の痕跡を根気強く探し続けたキャロルが見つけ出し、お話として流布する

ということが行われたと推測される。

 

彼女自身はあまり自身の辿った実際の経歴について語りたがりはしないが、童話としてのアリスの冒険譚から推測できることも多くある。

名無しの森の存在や、支離滅裂であったり、小さいながらも淑女として接するアリスを無碍に扱い、

しまいには罵倒する・支離滅裂な登場人物たちは悪妖精(アンシーリーコート)の類いを書いたものであると思われるし、

 "鏡の国"での白の歩兵(ポーン)として、チェスじみたルールを敷かれた世界で女王への昇格(プロモーション)を目指す一連の出来事は、

上記でも書いた"騎士の役割と名前を得て、妖精として扱われるための旅路"を脚色して書かれていると見て間違いはないだろう。


【人物・性格】

冷めた性格であり、どんなことがあってもあからさまに感情を表に出したり、騒ぎ立てたりしないタイプ。

もともと「イヌのよう」「鹿のようにおとなしく」「物事の変化に動じない」などとキャロルによって評されていたが、好奇心にあふれていた部分などの尖った部分が擦り減っている。

幼少期の人類圏にいたときの性格と比較すると、あまりの違いに関係者は驚くに違いない。

が、妖精圏での生存に揉まれ、適応したと末の姿と考えると無理はないのだろう。

仮に聖杯戦争などで召喚され、ほかの人間と交流するような状況になれば、

友好的になった人物にたいしては特に妖精たちなどに関して、選べるなら関わらないほうがいいと忠告してくれるだろう。

加えてよい妖精・生前に助けてくれた妖精たちについてのフォローも忘れない部分に、地の彼女の人と育ちのよさが出ているのかもしれない。


チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(ルイス・キャロル)は、彼女の妖精郷での津々浦々を、物語として脚色編纂し、世にフィクションとして流布したわけではあるが、

その理由は、人類圏側でふたたび出会うため(ドジソンとしては再びアリスに逢えれば、それが"本物"でも"影法師"であったとしてもどうでもよいと思っていた

それほど特別な存在だったといえるかもしれない)

人間でも道具でも、偉大な功績や人々の記憶に残ったものは、一つ上の次元の生命現象として昇華される『境界記録帯(ゴーストライナー)』の話から、どのような手を用いてでも、彼女(アリス)を周知させて英霊の座に刻み込もうとした(そしてなんらかの手段で召喚する)

その目論見はなかなかどうして成功した訳ではあるが、

当の彼女はというとその行為が気に入らないわ、中身は混線してめちゃくちゃになってるわでかなり不服な様子。


イメージカラー:ピュアホワイト

特技:絵画、木彫りなど(史実どおり)

好きなもの:人類圏の音楽、絵画(おもに漂流物で流れてきたものを見たり、自分で創作したり)、猫(ここまで史実どおり)、平穏

嫌いなもの:

天敵:妖精

聖杯への願い:"座"から、創作の大元になっているアリスの冒険譚を消したい or 史実のほうを"座"から消して純粋に創作人物として刻む(どちらにせよ、史実の自分が"座"に刻まれていることが不服なので)


【一人称】わたし 【二人称】貴方 【三人称】呼び捨て


  • ※1: 人間の子供をさらった後に置いていく身代わりのことも指したりする。その子は妖精であったり、幻術によって樹木片を化かしているなどの場合がある。
  • ※2: 目的に熱中しすぎて自身を見失った妖精たちのこと。際限なく魔力を生成し続け、やがてカタチが保てなくなって自壊する。型月妖精郷での設定であり、我々の現実において語られる"人間の観点から見た悪い妖精"という意味で指される単語とはまた別の意味合い。
  • ※3: 妖精領域を持て余して自滅した理性を失った妖精のこと。汎人類史に近しい妖精郷では、異聞帯よりかは数が少ないと思われる。
  • ※4: 妖精亡主とかは存在がレアな厄キャラで、対応する妖精はそうそう出てこない=目的を遂行できる機会がそうないので既に死んでいる(生まれてない)よね、と思いこの辺なら戦闘力ありのチェンジリング人間としてねじ込めそうだと思った。


めちゃくちゃwipな状態のランサーをゆるして…

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