引き分け
※トレエフ
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トントン、と背後から肩を叩かれて呼ばれる。
振り返ると頬に指が刺さる感触。
「トレーナー、引っかかりましたね」
いたずらに笑う長い髪の少女。少女が首を傾けると同じように葉っぱの頭飾りが揺れた。
お互いの背丈はほぼ変わらないのに僕の視線がやや下なのは、彼女が腰を屈め僕のことを下から覗き込んでいるからだ。
「タイちゃんも、キッドもシャフも誰も乗り気になってくれなかったんですよ」
「みーんな、わざと逆方向に振り向いたりして…」とふくれっ面になったかと思えば、すぐに口角が上がる。
「だから、引っかかってくれたのはトレーナーだけ」
少女は上目遣いに僕のことを見つめる。
僕も見つめ返す。
何故だか分からないけど、視線を逸らしたら負けかもしれないと、急に大人気ない気持ちが湧き上がりそのまま見つめ続けると、
「な…何か言ってください…」
と頬を赤くしながら、それでも目線は逸らさずに彼女は呟いた。
何だか僕も恥ずかしくなって、さっき触れられた頬を掻く。
視線はお互い、同時に下へと向いた。